ロッドが折れた!
ルアーロッドが折れた……。
皆さんも一度は経験があるかもしれません。
じつは直せるんです
車のドアに挟んで大破。3ピースロッドのようになってしまいました。
ということで、今回は諦める前にトライしてほしいロッドリペア術をご紹介します。
ティップ折れ修復
感度を司る穂先(ティップ)。最も繊細な部分であり、折れた経験をされた方も多いのではないでしょうか?
ティップ折れは比較的簡単に復活できます。さっそく取り掛かっていきましょう!
使用する道具
・ライター
・カッターナイフ
・ノギス
・糸鋸/クラフトのこぎり
・紙やすり(500番前後)
・エポキシ
・うすめ液
・スレッド
・トップガイド
・フィッシングモーター
修理開始
折れた箇所にそのままトップガイドを取り付けることも可能ですが、セッティングが大きく崩れてしまうことも。
なので今回は1番ガイド位置にトップガイドを移植するリペアを実践します。
ライターで1番ガイドを炙り、カッターナイフでスレッドを削り取ります。
ブランクを傷つけないよう注意です。
破損個所には横方向クラックが入っている場合も多く、破損個所から離してブランクをカットすることがポイント。
今回は予定通り1番ガイドの位置でカットしました。
平らになるよう500番程度のサンドペーパーでカット面を研磨します。
既存のトップガイドもパーツとして使用出来ますが、今回の方法では径が合わなくなります。
ブランク外径を測り、サイズが合うトップガイド を用意しましょう。
トップガイドを2液性エポキシ接着剤 で取り付けます。
同じ分量を紙コップなど捨てても良い容器に移し、1分間以上しっかり混ぜ合わせます。
その後、約10分間放置して気泡が消えるまで待つのがキレイに仕上げるコツですよ。
またエポキシは10度以下になると硬化しないことがあるので、20度前後の室温推奨です。
ガイド内・ブランク両方に塗布し、向きを合わせて入れていきましょう。
また余分にはみ出たエポキシ剤はキレイに拭き取って下さい。
スレッド巻き
ここまでの工程でも使用自体は可能です。
今回は見栄え・さらなる補強のためにスレッドコーティングを施します。
スレッド巻き
①ホットボンドなどでガイドを仮止め・スレッド巻き始め位置にマスキングテープでマーキング。
②スレッド端線が右側にくるようロッドに1周巻き付けます。
※今回は見やすいよう太目のPEラインを使用しています
③右側にある端線を交差させスレッド巻き開始。端線を巻き込みながら5周ほど巻き付けます。
④端線を根元からカット。スレッド本線を傷つけないように注意しましょう。
⑤スレッドに隙間が空かないようロッドをクルクル回しながら巻いていきます。
⑥ガイドの根本から3mmくらいの位置に到達したら、スレッド糸をU字型にした“抜き糸”を用意。
⑦ロッドの背中に抜き糸を乗せ、巻き込みながらガイド根本まで巻いていきます。
⑧スレッド端線を抜き糸に通します。
⑨この状態で抜き糸を引っ張ると、端線が巻いた途中から出てきました。
⑩本線を傷付けないよう端線をカットします。
⑪今回は専用品を使用せず、代用品としてライターを使用します。スレッドを均一に潰せば隙間のないスレッド巻きが完成です!
ムラなく仕上げるためには、フィニッシングモーター を用意するのが無難です。
エポキシをスレッドの中央に乗せるような感覚でコーティング。最初の1回目は混合したエポキシに“うすめ液”を10~20%で希釈、サラサラの状態で塗るとスレッドに染み込みやすくキレイな仕上がりに。
室温20度の場合4~6時間程度で表面硬化するので、次は薄めず2度塗り~3度塗りを行います。
リペア完了!
室温にもよりますが、5日あればコーティングが完全硬化。
このリペア方法は、短くなったぶん、多少ロッドが固くなるデメリットがあります。
今回は全体のバランスを大きく崩さず修復可能できました。折れていたとは思えないほど元に戻りましたよ!
折れた竿をアレンジするパターン
コチラは3~4番ガイド間で折れてしまった愛竿。
修理と同時にソリッドティップチューンでアレンジさせますよ。
用意するもの
新たにティップを繋ぐリビルドを行います。今回はネットショッピングを利用し、ティップパーツを約2000円で購入しました。
修理開始
横クラックがないか確認し、クラックから1センチ程度距離を取りカット・ヤスリがけを行います。
繋ぐ箇所の内径を測り、ティップパーツを準備します。
スパインを確認したら、ロッド内部とパーツにエポキシ塗布をして繋いでいきます。
余分にはみ出たエポキシ剤はうすめ液 などを使ってキレイに拭き取りましょう。
硬化後、繋ぎ合わせた部分に1センチ程度のスレッド巻き・コーティングを行い段差をなくします。
繋ぎ目にガイドを取り付けるので、折れた箇所から上のガイドを外しましょう。
取り外し後は順番が分からなくならないよう並べておくといいですよ。
接続部を跨ぐようにガイドを取り付けます。跨ぐことで繋ぎの強度があがります。
ズレのないよう残りのガイドを仮止め。
今回は既存のガイド位置に合わせて調子をみたいと思います。
スレッドを巻き、コーティングを施します。
復活&ソリッドへ進化!
バッキリ折れて使用不可の状態から、ソリッドティップチューンとして生まれ変わりました!
曲がりも問題なく、次の釣行が本当に楽しみです。
最高の相棒と共に
道具さえあれば誰でも簡単に始められるロッドリペア術で、眠っているロッドを復活させてみてはいかがでしょうか?
最高の相棒と末永く釣りを楽しみましょう!