秋に美味しい魚を厳選

暑い夏もやっと終わり、過ごしやすく釣りのベストシーズンである秋が到来しました。
そこで今回は、元魚屋の編集部が大人の事情を無視した“秋が旬の魚”を厳選! ぜひ秋の釣りの参考にしてみてください。
そもそも大人の事情ってなに?
本来、旬とはその魚の美味しい時期を指しますが、実際にはそうではないことが多々あります。
旬といわれることが多いのは、その魚がたくさん獲れる時期。ビジネス的には、そちらの方がなにかと都合がいいようです……。
今回は、“美味しい時期”を旬と捉えて選んでみました!
サワラ

ショアジギングやジギングのターゲットとしておなじみのサワラ。針を飲まれると一瞬で糸を切られるので、エサ釣りで釣るのは至難の技です。
ストリンガーや生け簀で活かせないので、釣れたらすぐに締めて血抜きをする必要があります。
脂が乗るのは秋から

春が旬だと言われることが多いのですが、サワラは春から初夏にかけて産卵期を迎えるので、身質が落ちてしまいます。
秋から冬にかけてイワシをたくさん食べた個体は、お腹がまっ白になるほど脂が乗って美味。
基本的には、大きな個体の方が美味しい魚です。
マダイ

魚の王様として知られ、美味しい魚の代名詞でもあるマダイ。
タイラバや一つテンヤ、タイサビキ、コマセマダイ、完全フカセ、カゴ釣りといった釣り方の豊富さが釣り人気の高さを物語っています。
実は春じゃないんです

春の桜鯛の時期が旬だと言われますが、春は産卵の季節。夏はエビやカニ、ヒトデなどを喰う個体も多く、脂の乗りはイマイチです。
秋になるとイワシやイカナゴといった小魚を捕食することが多くなってくるため、脂が乗ってきます。
マダイは大きくなると大味になるので、食べて美味しいのは2キロ程度までですよ。
ウナギ

蒲焼でお馴染みのウナギ。近年は絶滅が危惧されており天然物は超高価ですが、川などで狙ってみると意外とたくさん釣れるからびっくり。
6月から10月ぐらいまでが釣りシーズンです。
天然物は秋だ

“土用の丑の日”のイメージで夏が旬だと思われていますが、じつは天然のウナギは秋から初冬にかけてが旬。
冬の冬眠に備えてエサをたくさん食べるので、秋は脂が乗って身質が良くなります。
ただし、養殖のウナギは徹底した管理が行われているので、どの季節に食べても差が少ないのです。
カツオ

ソウダガツオならば岸から釣れる地域も多いですが、本ガツオはオフショアのキャスティングやコマセ釣りで狙うことができます。
移動が速いので日によって釣果のムラが大きいことで知られます。
脂の乗りは戻りガツオが〇

カツオは年に2回の漁期があり、春の初ガツオと秋の戻りガツオが知られています。
エサを求めて北上する初ガツオは脂の少ないサッパリとした味わいですが、エサをたくさん食べて南下してくる戻りガツオは脂がしっかりと乗っています。
脂がカツオ特有の風味を和らげてくれるので、カツオが苦手な人でも食べやすいですよ。
マイワシ

イワシの中でも「最上級のイワシ」がマイワシ。と言っても釣るのは難しくなく、普通にサビキ釣りをすればたくさん釣ることができます。
マイワシが多いとそれをエサにするシーバスやブリも多いので、釣り人にとって非常にありがたい存在です。
身近な超高級魚

マイワシの旬は地域によってバラつきが大きいですが、秋に脂が乗ることが多いです。
そして、脂の乗りは大型個体ほどよく、20センチを超える個体は刺身で食べても絶品。ただし、足が速くて劣化すると臭みが強くなるのが難点です。
そのため、マイワシの刺身を美味しく食べられるのは釣り人の特権といえるでしょう。
秋を堪能しよう

秋はいろんな魚が狙えるのも嬉しいですが、食べて美味しい魚が多いことも嬉しいところです。
暑さも和らいで過ごしやすくなるので、ぜひ美味しい魚を求めて釣行されてはいかがでしょうか。