マイワシとは
ニシン目ニシン科マイワシ属であるマイワシ。「魚」偏に「弱」をつけて「鰯」と書くように、陸に上げるとすぐに弱って死んでしまう。その弱さから名前が来ています。体軸に沿って点在する斑点模様により別名七つ星と呼ばれ、カタクチイワシよりやや丸みを帯びた卵型の体型が特徴です。
生息域・分布と釣れる時期
北は樺太から南は九州の西岸部まで沖縄近海を除く日本全国どこにでも生息しているため、季節や場所を問わず年間を通して狙うことができます。旬の時期として秋から冬と言われていますが、「春鰯」という春の季語があるように春先に獲れたマイワシもまた美味しく、年間通してその味を楽しむことの出来る魚です。
生態・性質
温かい時期は北に、寒い時期は南に常に回遊しているマイワシ。主に海面付近でプランクトンを摂食します。マイワシの産卵期は初冬から晩春の頃にかけて、産卵を迎えたマイワシは産卵のために接岸します。その為、産卵期には普段よりサイズの大きなマイワシが狙えます。
漁獲量の減少
近年の巻き網漁の過剰な捕獲により、マイワシの減少が問題となっています。1988年には日本の総漁獲量の約40%を誇る450万トンものマイワシが水揚げされ市場に流通していましたが、2005年には2万8千トンにまで減少しました。
風習
古くから日本で親しまれてきたマイワシは食用や出汁に使われる他、様々な用途で用いられます。節分にイワシの頭をヒイラギの枝に刺したものを軒先に飾る地域もあります。鬼がヒイラギの枝に目を刺され、鬼の苦手なマイワシの臭いで逃げ出してしまうようにと魔除けの意味を込めた風習があります。
マイワシの釣り方と仕掛け
マイワシ釣りは初心者でも多くの釣果が見込めるので、初めての方でも気軽に釣りをすることができます。群れを作る為、一匹釣れたら連続で釣れる事も珍しくありません。
サビキ釣り
マイワシ釣りの代表的な釣り方がこのサビキ釣りです。コマセ袋に入ったコマセを撒きながらその中に混ざったオキアミを模した疑似ハリに食いつかせるのがサビキ釣りで、深い棚から徐々に深度を上げていきシャクリを入れることによってコマセ袋のコマセを海中に広げ、魚の群れを誘うのがポイントです。
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エサ
サビキ釣りで使用するのがオキアミブロックです。冷凍されていますので、解凍後にコマセカゴに詰めて使用します。
サビキ釣りのコツ
マイワシは回遊魚で常に移動しているため、アタリの少ない時間帯とよく釣れる時間帯の波が大きく、コマセを撒き魚を誘うこともポイントの一つです。回遊魚の特性を理解した上で、多くの釣果を上げる為のコツをご紹介します。
手返しを早くする
手返しとは、釣り上げてから再び仕掛けをポイントに投入するまでの一連の動作の事です。群れが来て入れ食い状態になった際にすぐに次の仕掛けを投入することが大事ですが、その際はせっかく来た群れを逃がさないために、釣り上げた魚を取り込む前にコマセを一杯投入することが更なる釣果を生むポイントです。
仕掛けを工夫する
マイワシの群れが集まると仕掛けの糸が絡んでしまい、釣りにならないことがあります。そんな時は仕掛けをカットして使いましょう。また、アタリが無い時は仕掛けを2連につないで、より広くマイワシの層を探るのもコツです。初めての釣りで慣れないうちは仕掛けをロッドの長さにカットすることで絡まりを防ぎ扱いやすくなります。
サビキ釣りに用意していく道具やコツはこちら!
マイワシのおすすめレシピ
マイワシはビタミンBに代表される栄養素がとても豊富な魚です。釣りたては鮮度が高いので、臭いを消すような濃い味付けよりもマイワシ本来の素材の旨みを生かした味付けが良く合います。
蒲焼
イワシ料理の定番と言えば蒲焼きでしょう。甘辛いタレとイワシの旨味がご飯によく合います。新鮮なイワシの場合は、イワシ本来の塩の風味を楽しむためにいつもより少々味付けを薄めにしてみましょう。
塩焼き
新鮮なマイワシならではの調理法がこの塩焼きです。新鮮なマイワシだからこそ腹は割かずに隠し包丁だけ入れて火の通りを良くし、酒と塩を少し振りかけるだけで素材本来の風味が広がるイワシとは思えないほどの上品な味わいに仕上がります。お酒の肴におすすめです。
天ぷら
蒲焼と並んで定番の調理法がこの天ぷらです。釣ったばかりのマイワシは歯ごたえがよく、生臭さを感じずに素材の持つ味をそのまま楽しめるので、調味料を一切つけずに食べても程よい塩味を感じることができます。新鮮なマイワシですので、あまり揚げすぎずサッと火を通すのがおいしく召し上がるポイントです。
つみれ汁
マイワシは濃厚なダシが出るので、ネギやショウガ、シイタケなどの風味を織り交ぜたつみれ汁のような汁物にとても良く合います。
家族でマイワシを釣りに行こう!
マイワシ釣りは初心者でもあまり費用をかけずに気軽に始めることが出来て、時期や場所を選ばずどこでも楽しめます。危険な岩場や波打ち際の心配もなく、自宅でも釣り上げた魚を多くの料理で楽しむことも出来るマイワシ釣りはファミリーフィッシングにはもってこいの釣りです。次のお休みには海へ出かけてマイワシ釣りはいかがでしょうか?