冬の魚は旨いぞ!
釣果は寂しくなりがちですが、実は、冬の魚はめちゃくちゃ旨いんです! そこで、元魚屋の編集部が、大人の事情を無視した“本当に冬が旬の魚”を5種類選んでみました。
そもそも、大人の事情ってなに?
本来、旬とはその魚の美味しい時期を指しますが、実際にはそうではないことが多々あります。旬といわれることが多いのは、その魚がたくさん獲れる時期。
ビジネス的には、そちらの方がなにかと都合がいいようです……。今回は、“美味しい時期”に定めて選んでみましたよ!
ブリ
秋は岸近くまで回遊するため、ショアジギングや泳がせ釣り(ノマセ釣り)で岸からも狙えます。
冬はオフショアの釣りが中心となり、ジギングや泳がせ釣り、アンダーベイト(落とし込み)が楽しいですよ。
旬の目安は1月まで
”寒ブリ”といわれる通り、春の産卵に備えて、冬は身質が向上。地域差はありますが、抱卵が始まる2月以降はメスの身質が落ちてしまいます。
とくに、イワシを捕食している個体は脂の乗りが抜群で、かけた醤油を弾いてしまうほど。対照的に、イカを捕食している個体は脂が乗りません。
▼ブリを特集した記事です
カワハギ
冬の船釣りの超人気ターゲットであるカワハギ。水温が下がると深場に群れるため、20~30匹の大漁も狙えます。
12月に入ると“肝パン”
カワハギはどの季節に食べても美味しいですが、冬はなんといっても肝が肥大するのが最大のポイント。
肝の旨さに関しては、「魚界トップ」といっても過言ではないでしょう。肝に血が回ると臭みが出るので、入念な血抜きを行ってください。
▼カワハギを特集した記事です
ヒラメ
サーフからのルアーゲームでは、数は減りますが座布団クラスの大物を狙えるのが冬。
船からは数・型ともに狙える地域も多く、イワシの泳がせ釣りを中心に釣果が期待できます。
寒ビラメは肝も絶品
寒ビラメといわれる冬は、肉が厚くなり、旨味と脂の乗りが最高です。カワハギと同じく肝が肥大し、こちらも非常に美味。
座布団クラスの大物は、すぐに食べても固くて味がしないため、丁寧に血抜きをして熟成させるのがおすすめです。
▼ヒラメを特集した記事です
メジナ
メジナは磯からのウキフカセ釣りの人気ターゲットです。水温が下がる冬は大型を狙えるため、各地の沖磯に磯釣り師が集まります。
元来、海藻を食べるために磯臭いといわれていましたが、釣り人の撒くオキアミを食べるようになり、匂いが消えたといわれています。
口太メジナが旨い
尾長メジナは冬に産卵期を迎えるため、冬に旨いのは口太メジナです。皮と身の間に脂を多く持っているため、焼霜造りやしゃぶしゃぶなど、皮を活かした料理が絶品。
また、2月・3月ごろになってくるとオスは白子を持ち始めます。こちらは湯引きをしてポン酢で食べるのがおすすめです。
▼メジナを特集した記事です
ボラ
「臭い・不味い」と酷評されている魚ですが、狙って釣るのは意外と難しいでしょう。
旬を迎える冬には、ギャング針を用いた“ボラ掛け”という、引っかけ釣りが盛んに行われます。
鯛と偽っていた噂も……
冬が旬だとはいえ、底の砂を吸い上げるようにエサを捕食するため、ヘドロ底の場所は万年臭いです。
水質の良い場所で獲れた“沖ボラ”が手に入ったら、刺身や洗いで食べてみてください。昔は、鯛と偽ってボラを提供する宿もあったようです。
▼ボラを特集した記事です
美味しい魚を釣りに行こう
釣りものが少ないと思われがちな冬ですが、こんなにも美味しい魚たちがいてたのです。旨い魚を求めて、新しい釣りに挑戦されてはいかがでしょうか。