“意外と知らない”春が旬の魚

「春に美味しい魚は?」と聞かれて、ピンとこない方も多いのではないでしょうか。ところが、春が旬の魚は意外に多いのです。
今回は、元魚屋の編集部が大人の事情を無視した“春が旬の魚”を厳選しました!
そもそも、大人の事情ってなに?
本来、旬とはその魚の美味しい時期を指しますが、実際にはそうではないことが多々あります。
旬といわれることが多いのは、その魚がたくさん獲れる時期。ビジネス的には、そちらの方がなにかと都合がいいようです……。
今回は、“美味しい時期”を旬と捉えて選んでみました!
メバル

「メバリング=冬」のイメージが強いかもしれませんが、春はメバルが最も釣れやすい季節でもあります。
梅雨頃まで岸から狙うことができ、岸釣りのほかにもサビキや胴付き仕掛けを用いた船釣りも盛んに行われます。
イカナゴ喰いは最高!

冬に産卵を終えたメバルはエサを活発に捕食して、春には体力が回復して身質が向上します。
なかでも、イカナゴなどのベイトフィッシュを捕食している個体は脂の乗りが抜群。刺身や煮つけが一般的ですが、脂の乗った個体なら塩焼きも最高です!
イサキ

食べて美味しい釣魚の代表格ともいえるイサキ。船釣りやカゴ釣り、磯釣りといったエサ釣りのターゲットとしてお馴染みでした。
しかし、近年になって、フラッシュジギングなどのルアーゲームでも楽しめることが分かってきました。
夏が旬だと言われるが……

「麦わらイサキ」という言葉があるほど、一般的には夏が旬とされている魚です。
しかし、夏は産卵期であり、卵を持ってしまうとメスの身質はやや下がってしまいます。卵を持ち始めるまでの春が最も美味しい季節です。
イイダコ

釣魚としてはややマイナーかもしれない存在のイイダコ。ところが、専用のテンヤやスッテなどを使って岸から狙うことができます。
小さなイイダコのアタリを取るため、意外とゲーム性が高い釣りですよ。
“イイ持ち”が旨いんだな~

「イイ持ち」とは、抱卵したメスのイイダコを指します。最盛期になると米粒のような卵がギッシリと詰まっており、これを甘辛く炊いたものは絶品です!
そのため、メスの市場価格が非常に高く、オスの倍近い値が付きます。しかし、刺身で食べるなら身が柔らかいオスがおすすめです。
アイナメ

投げ釣りやロックフィッシュゲームの対象魚としておなじみのアイナメ。ヒットした瞬間に「アイナメだな」とすぐに分かる、ウネウネとしたファイトが特徴的です。
春になると「アブシン」と呼ばれる新子が堤防から釣れるようになります。
アブシンは獲りすぎ注意!

地域によっては“春の風物詩”とも言われ、珍重されるアイナメの稚魚「アブシン」。大きさは10センチほどで、小さいものほど良いとされます。
頭ごと唐揚げにしたり、南蛮漬けにしたりするとお酒が止まらない美味しさです。ただし、獲りすぎは控えてくださいね。
尾長グレ

磯釣り師憧れの魚である尾長グレ。同じグレでも、口太グレとはまったく異なる魚です。
非常に警戒心が強いうえに、引きも強烈。カミソリのような歯でハリスを切られるため、大型を釣るのが非常に難しい魚です。
“まっ白な白身”が旨すぎる

一般的な白身魚は透明感のある身質ですが、春の尾長グレは身がまっ白になるほど脂が乗ります。
かと言って脂っこいわけではなく、旨味があるのにサッパリとした味わい。刺身や炙りも美味しいのですが、グレしゃぶがたまりません!
春も美味しい釣りをしよう!

春は釣果が上がりやすくなるだけではなく、美味しい魚を食べられるのも魅力です。
気温も高くなってくるので、ぜひ美味しい釣りに足を向けられてはいかがでしょうか。美味しい魚を食べられるのも釣りの醍醐味ですよ!