焼きコブって必要なの?
FGノット。ルアー釣りを楽しむ多くの方に愛される定番ノットです。
組み方は人それぞれ。中でも意見が割れるのが焼きコブの存在です。
本記事を読んでいるみなさんも、焼きコブの有り派・無し派で分かれているかもしれませんね。
焼きコブの役割って
キャストを続けていると結束部は劣化し、組み立ての結束強度を維持することが難しくなります。
ラインの端にコブを作ることで、編み込んだPEラインがコブへ引っ掛かり、不意なすっぽ抜けや劣化防止に繋がると言われているのです。
その反面、編み込みが完璧ならコブは要らないやライントラブルになりやすいなどコブ不要説も。
本当に必要なのか、気になって夜も眠れませんよ……。
これは試すしかない
IさんFGノットの焼きコブって作ってます?
それがどうかしましたか?
ただ、精度のある結果が欲しいので各10セットは欲しいですね。
オッタマゲーーーーー
次ページ:検証開始
焼きコブを科学する
筆者にとってFGノットは欠かせない存在。焼きコブに関して「毎回キレイに作らないと気が済まない」と、焼きコブ愛用者でもあります。
今回もドラグチェッカーを使用して数値化していきますよ。
2つのラインで実験
今回のテストは『エギング仕様のPE0.6×フロロ10ポンド』・『ライトジギング使用 PE2.0×フロロ20ポンド』の2種類で実施します。
検証内容を編集部Iさんへ報告し、テストを開始したいと思います。
果たして結果は
ノット地獄へ突入し、黙々とFGノットを組み続けては強度を計測する筆者。
今回は焼きコブの効果検証テストなので、編み込み回数を普段の半分にして実測しました。
エギング仕様の結果はこちら
■PE0.6×フロロ10ポンド 焼きコブ有り
実施回数 | 断線負荷(㎏) | 結束強度(%) |
1回目 | 2.80㎏ | 68.8% |
2回目 | 3.50㎏ | 86.0% |
3回目 | 3.35㎏ | 82.3% |
4回目 | 3.60㎏ | 88.5% |
5回目 | 3.30㎏ | 81.1% |
6回目 | 3.20㎏ | 78.6% |
7回目 | 3.55㎏ | 87.2% |
8回目 | 2.95㎏ | 72.5% |
9回目 | 3.10㎏ | 76.2% |
10回目 | 3.50㎏ | 86.0% |
平均スコア | 3.29㎏ | 80.7% |
■PE0.6×フロロ10ポンド 焼きコブ無し
実施回数 | 断線負荷(㎏) | 結束強度(%) |
1回目 | 1.90㎏ | 46.7% |
2回目 | 3.20㎏ | 78.6% |
3回目 | 3.50㎏ | 86.0% |
4回目 | 1.40㎏ | 34.4% |
5回目 | 2.00㎏ | 49.1% |
6回目 | 2.50㎏ | 61.4% |
7回目 | 1.30㎏ | 31.9% |
8回目 | 3.10㎏ | 76.2% |
9回目 | 2.80㎏ | 68.8% |
10回目 | 2.60㎏ | 63.9% |
平均スコア | 2.43㎏ | 59.7% |
焼きコブ有は結束強度80%と編み込みが普段の半分でもコブがしっかり働き、踏ん張っている印象でした。
焼きコブ無は一度だけ結束強度80%越えが見られたものの、とにかく数値が安定せず抜けるときは何の粘りもなくスポッとラインが解けてしまいました。
続けて太いラインの結果を見ていきましょう。
LSジギング仕様の結果はこちら
■PE2.0×フロロ20ポンド 焼きコブ有り
実施回数 | 断線負荷(㎏) | 結束強度(%) |
1回目 | 7.90㎏ | 75.2% |
2回目 | 8.00㎏ | 7.62% |
3回目 | 6.50㎏ | 61.9% |
4回目 | 7.50㎏ | 71.4% |
5回目 | 7.50㎏ | 71.4% |
6回目 | 7.90㎏ | 75.2% |
7回目 | 6.60㎏ | 62.9% |
8回目 | 7.10㎏ | 67.6% |
9回目 | 7.75㎏ | 73.8% |
10回目 | 7.50㎏ | 71.4% |
平均スコア | 7.43㎏ | 70.7% |
■PE2.0×フロロ20ポンド 焼きコブ無し
実施回数 | 断線負荷(㎏) | 結束強度(%) |
1回目 | 5.50㎏ | 52.4% |
2回目 | 3.25㎏ | 31.0% |
3回目 | 4.75㎏ | 45.2% |
4回目 | 5.10㎏ | 48.6% |
5回目 | 4.80㎏ | 45.7% |
6回目 | 3.90㎏ | 37.1% |
7回目 | 2.50㎏ | 23.8% |
8回目 | 4.50㎏ | 42.9% |
9回目 | 5.25㎏ | 50.0% |
10回目 | 5.30㎏ | 50.5% |
平均スコア | 4.49㎏ | 42.7% |
ラインが太くなると締め込みが甘くなりやすく、焼きコブ有の結束強度が70%と細ラインに比べ約10%のダウン。
そして注目して頂きたいのが焼きコブ無の衝撃結果。
結束部の粘りが全く感じられず、強度が出るよう丁寧に組みましたが数字のバラつきは抑えられませんでした。
今回編み込み回数を普段の半分に設定しましたが、コブ一つで結果が大きく変化し、コブの重要性を体感する結果となりました。
次ページ:必ず確認しておきたい注意点
焼きコブ作り、ここに注意
結局強度の点では『焼きコブは有効』という答えが出ましたが、良いことばかりではなくデメリットも。
テスト時もやってしまったトラブル事例をご紹介します。
本線へのダメージ
強度テスト中、数回やってしまったのがライターで焼きコブを作る際に発生していたPEライン側へのダメージ。
完全に切れているのであればいいのですが、見た目での判断が難しく負荷を掛けて初めて気付く事案ですので、実際の釣行を考えるとゾッとしますよね。
ラインを湿らせ熱の影響を防止していたにも関わらず発生しましたので、釣り専用のラインカッターが安心安全ですよ。
櫻井釣漁具 ラインカッターII
隙間に注意
編み込んだPEラインと焼きコブの間に隙間を作ってしまうと、すっぽ抜けによる『強度低下』や『ガイド抜けの悪化』『ライントラブル』と釣り場で発生すると厄介なデメリットの原因となってしまいます。
焼きコブを作る際はPEラインとの距離感を意識し、ハーフヒッチで隙間を埋めるようにして下さい。
結果:強度安定に焼きコブは必須
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やはりコブが編み込みのストッパーとして働いていたんですね
しかし、何度か焼きコブを作る際に組み直しも……(涙)
確かに、専用のラインカッターも有った方が良いですね。
しかし先月からFGノットを100セットぐらいやってるんじゃないですかね。今後もFGノットを極めていこうかなと思いましたよ(笑)
FGノットよりも簡単で結束強度も最強と言われるノットが流行しているみたいなんですよ。
【次回、FGノット敗れる!? 最速最強○○ノット降臨!】