渓流ベイトフィネスとは
渓流ベイトフィネスとは軽いルアーを簡単に投げられるベイトタックルで、ヤマメやイワナなどを狙う釣法のことを指します。以前から渓流のルアーフィッシングでベイトタックルを使っている人も居ましたが、そのほとんどがベテランアングラーで、しかも専用タックルではないもので釣りを行っていました。今では技術の進化とともに初心者でも投げやすいベイトリールが開発され、多くの人が渓流ベイトフィネスを楽しむようになっています。
渓流ベイトフィネスのメリット
タックルが進化し軽いルアーが投げやすくなったとは言え、ベイトタックルには常にバックラッシュというトラブルが起きる可能性があります。しかしそのデメリットを上回るメリットが渓流ベイトフィネスにはあります。以下に渓流ベイトフィネスのメリットをご紹介します。
メリット1.手返しの良さ
渓流ベイトフィネスがスピニングタックルを圧倒的にしのぐメリットが『手返しの良さ』。ベイトタックルではクラッチを切るだけでキャスト出来るので、ラインを指で拾いベールを返して投げる必要があるスピニングタックルよりも手返しが良く、キャスト回数を増やすことが出来ます。またルアーを追ってきた渓流魚に対して素早く投げ直すことが出来るので、警戒心が高まらないうちに再アプローチ出来るため釣果アップにもつながります。
メリット2.キャストの正確さ
渓流では狭いピンスポットにルアーを投げ込まなければならないことが多いです。特に捕食ゾーンが限られがちな渓流魚では、キャストの正確さが釣果を左右することが少なくありません。渓流ベイトフィネスではサミングによってキャスト距離の微調整が可能なので、フェザーリングで距離を調整するスピニングタックルより正確なキャストを行いやすいこともメリットです。
メリット3. ルアー着水後の糸ふけの出にくさ
キャストの正確さに付随して、ルアー着水後の糸ふけが出にくいことも渓流ベイトフィネスの隠れたメリット。スピニングタックルだとルアーが着水した時に糸ふけが出やすく、リールを巻きだしたのと実際にルアーがアクションしだすまでにタイムラグが生じやすくなります。しかし渓流ベイトフィネスであれば、サミングによるキャスト距離の微調整や、スプールから余分なラインが出にくい構造上、着水直後からルアーをしっかりアクションさせやすいです。捕食ゾーンが限られがちな渓流魚では、このようなちょっとした差が釣果に影響を与えることも少なくありません。
渓流ベイトフィネスのタックル
ここからは具体的な渓流ベイトフィネスタックルの選び方について解説していきます。ロッド・リール・ライン・ルアーのバランスを上手く取ることで、釣りがしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ロッド
渓流ベイトフィネスのロッドは4.6~5.6フィートの長さが基本です。短めでシングルハンドキャストがしやすいロッドを選んでおきましょう。渓流ではロッドが長すぎるとキャストがしにくかったり、持ち運びが不便になったりするので注意が必要です。硬さはUL~L(ウルトラライト~ライト)と表示されているものを選びましょう。
▼ダイワ ワイズストリーム 45ULB-3
持ち運びがとても便利な3ピース仕様の渓流ベイトフィネスロッドです。仕舞寸法49センチと非常にコンパクトに収納でき、ピースごとに硬さの調整が行われておりキャストフィールは◎。価格は実売1万5千円ほどで、渓流ベイトフィネス入門に最適な1本です。
ダイワ ワイズストリーム 45ULB-3
自重:71g
継数:3本
仕舞寸法:49cm
ルアー重量:1.5-7g
ナイロンライン適合:2-6lb
▼シマノ カーディフ NX B50UL
渓流ルアーの定番であるヘビーシンキングミノーの使用に特化したモデル。ネジレを抑制する「ハイパワーX」をブランクス全体に採用してあり、柔らかいロッドにありがちなキャストブレを少なくする工夫が行われています。長さは基本のど真ん中を行く5フィート。どんな渓流でも使いやすいおすすめのロッドです。
シマノ カーディフ NX B50UL
自重:78g
継数:2本
仕舞寸法:79cm
ルアー重量:1-7g
ナイロンライン適合:2-6lb
PEライン適合:0.2-0.6号
リール
渓流ベイトフィネスタックルの要となるリール。軽量なルアーをキャストしやすい設計のベイトフィネスリールを選んでみましょう。また選ぶ際にはギア比にも注目してください。渓流では流れの上流に向かってキャストしていくため、ギア比が低いと流れより速くルアーを巻いてくることが難しくなります。そのため、ギア比7以上のモデルを選ぶのが基本です。
▼ダイワ アルファス エア ストリームカスタム 7.2R
数少ない渓流ベイトフィネス専用設計のリール。渓流の様々なシチュエーションに合わせて開発された「ストリームトラウトブレーキチューンスプール」搭載で、より正確で低弾道なキャストがしやすいように設計されています。ハンドルノブにコルクを採用してあるので、コルクやウッドグリップが多い渓流ロッドとデザインに一体感を持たせやすい点にも注目です。
ダイワ アルファス エア ストリームカスタム 7.2R
自重:165g
最大ドラグ力:4kg
巻取り長さ:69cm
ナイロン糸巻量(lb-m):6-40/8-30
PE糸巻量(号-m):0.6-40
▼アブガルシア ロキサーニBF8
優れたコストパフォーマンスを誇るアブガルシアのベイトフィネスリールです。自重は185グラムと軽量ながら、実売1万円前半で購入出来るのは驚きの一言。渓流ベイトフィネスに使えるリールの購入で、性能はもちろん価格を重視したい人におすすめの1台となっています。
アブガルシア ロキサーニBF8
自重:185g
最大ドラグ力:5.5kg
巻取り長さ:83cm
ナイロン糸巻量(lb-m):8-100/10-80
ライン
渓流ベイトフィネスで使用するラインは、ナイロンもしくはPEがおすすめ。太さはナイロンだと3~6ポンド、PEだと0.3~0.8号を選びましょう。ラインを細くすれば飛距離は伸びますが、その一方でトラブルが起きる確率も高まるので、初心者の方は太い番手から始めることをおすすめします。
▼モーリス バリバス スーパートラウトアドバンス ベイトフィネス ナイロン
トラウトのベイトフィネスに特化した専用のナイロン。低復元ナイロンの採用で、バックラッシュを抑える工夫がされています。ラインカラーは蛍光のフラッシュオレンジを採用することで、細いポンド数でも高い視認性を確保。巻き量は120メートルで30メートルごとにマーキングしてあり、糸巻量の調整がしやすいです。
▼ディスプラウト テレメトリーPE
ルアーアクションの把握や小さなバイトも捉えやすい3本編みのPEです。水中の様子が把握しやすいとともに、PEライン特有の伸びの少なさは素早いフッキングも可能としてくれます。使用の際には先端にフロロリーダーの3~6ポンド程度を結束して使用してみてください。
ルアー
ベイトフィネスでは2グラム程度のルアーをキャストすることも可能ですが、バックラッシュの可能性やキャストのしやすさを考えると少し重めのものを使っておきたいところ。そのため、渓流ベイトフィネスで使うルアーは4~7グラムをおすすめします。ヘビーシンキングミノーやバイブレーションなど、空中での姿勢が崩れにくいものが特に使いやすいです。
▼スミス D-コンタクト
渓流用ヘビーシンキングミノーの火付け役でありつつ、その完成度の高さから渓流ルアーの定番となっている製品。比重の高いタングステンウェイトの採用で、ボディサイズ50ミリながら4.5グラムの自重を確保してあります。リトリーブでもトゥイッチでも良いアクションが出せるおすすめのルアーです。
▼バスデイ ORC レンジバイブ 45ES
海用に開発されたレンジバイブを、トラウト向け仕様とした製品です。ミノーでは上手くアピールしにくい流れが速い場所や深さのある場所で活躍してくれます。自重が6.3グラムあるので渓流ベイトフィネス初心者でも投げやすいです。
渓流散策で欠かせないアイテム
渓流では茂みの多い山道を歩いたり、沢を高巻きで登ったりすることが多いです。そんな際にはリールを付けたまま収納出来て、両手をフリーに出来るショルダーケースがあると便利。大切なタックルを傷や破損から守るためにも、ぜひチェックしてみてください。
渓流ベイトフィネスを楽しもう!
渓流ベイトフィネスタックルがあれば、釣りの幅が大きく広がってくれることでしょう。バックラッシュのトラブルがどうしても気になる方も多いと思いますが、タックルの進化は素晴らしく、初心者の方でも挑戦しやすいです。まずは使ってみて、渓流ベイトフィネスのメリットを体験してみてはいかがでしょうか。