【2025年】明石タコの状況は?

関西で大人気となっている明石沖のタコ釣り。2025年のシーズンが始まって早1ヶ月が経ちました。
近年は明石沖でのタコの漁獲量が激減しており、資源保護のためのルールも年々厳しくなっていますが、それでも今年も盛り上がりを見せています。
好漁場である“鹿の瀬”も5/16に解禁され、最近は好釣果もちらほらと聞こえますが、実状はいかに!?
明石の船タコを実釣レポート!

今年の状況をレポートすべく、筆者も明石沖の船タコに行ってきました。
6月3日、東二見港のつり船「にしうみ」さんにお世話になり、いざ実釣へ。
受付を済ませて5時に出船。明石の朝は早いです。

平日でも明石のタコ船の多くが満船になっており、にしうみさんも例に漏れず、ほぼ満船の人気ぶりです。
当日はずーっと雨の予報。準備時点からもかなりの雨が降っていますが、そんなの関係ねぇと言わんばかりの盛り上がり!
釣り座は先着順のだったため、ノロノロやって来た筆者は空いている胴の間に着席。

明石の釣船は屋根があるところが多く、多少の雨なら凌げるので嬉しいですね。
“多少の雨なら”ですが……(笑)

ポイントまでは10〜20分前後と、移動時間が短いのも明石の魅力!
まずは近場の二見沖からスタートして様子見です。

開始から程なくして、オクトライズ ウキウキクロー(がまかつ)で早々にヒット!
200gくらいの小型サイズですが、良いスタートをきれました♪
周りでもポツポツは上がっていますが、スローペースなので30分ほどで見切ってすぐに移動。

にしうみの西海船長は、明石のポイントを熟知しており、豊富な経験から的確に釣らせてくれる理論派の船長。
「今年は緑系が流行っていて実際に釣れているけど、ここ最近は赤やピンクのヒット率が高いかな? でも今日みたいな曇天はゴールド系が良いと思う」
「今日は潮的に鹿の瀬を攻められる時間も短いから、難しいかな〜」
有難いアドバイスと不穏な一言を頂き、雑談をしつつ次のポイントに到着。

本命ポイントである鹿の瀬付近で再スタート!
いつもなら綺麗に見える明石海峡大橋も、今日は雨でほとんど見えません。
レインウェアもいよいよ意味のない状態になり、集中力を削がれるデバフをかけられました。

人間的には雨でかなりしんどいのですが、タコの活性は悪くなく、移動後もすぐに反応がありました。
船長も「タコは少ないけど、活性は悪くなさそうやね。パターンが合った人のところに、すぐ飛びつく感じですねー」とのこと。
しかし、すぐに潮が飛び始めてだいぶ釣りにくい状況に……。

釣りは難しくなるものの、潮が速いタイミングは良型チャンス!?
速い流れに負けずに抱いてきた、700g後半のタコをキャッチしました。
グレートマダク(ダイワ)と蛸墨族スッテ(ハリミツ)でヒットです。

9時の時点で釣果は5杯。
爆釣ペースではなく、少し渋めといった雰囲気です。
激渋モードだった2・3年前は、頑張っても最終5〜6杯ぐらいの時も多かったので、そこと比較すると今年はだいぶマシだと思います。

鹿の瀬には時間制限があり、遊漁ができるのは10時まで。なので残り1時間の勝負です。
周りは船下であまり釣れていなかったので、キャストして広く探るパターンにしてみると連発!
連続ヒットで4杯ほど追加して良い感じでしたが、楽しい時間も束の間。あっという間に鹿の瀬タイムは終了しました(笑)

鹿の瀬からの移動後はまったく釣れず、ポロポロと2杯だけ追加し、そのままタイムアップとなりました。
みんな釣れていないかと思いきや、なぜかそれまでまったく釣れていなかった同行者が、移動後のタイミングで連発!
各々の釣り方・パターンが、そのポイントにハマる時があるみたいですね。

最終釣果は11杯。そのうちリリース3杯の少し寂しめの釣果でしたが、それなりにアタリはあって楽しめた1日でした。
雨がなかったら、もうちょっと集中してできたのになー。と言い訳はさせてください……。
でもじつは、この日の竿頭はなんと34杯。ミヨシ(船の先)でキャストしていた常連さんが連発させたらしいです。
全体の平均は筆者と同じくらいですが、釣座と釣り方で大きく差が出ていました。
サイズに関しては特別大きくはありませんが、最大700g後半と他200〜400gまでが釣れ、平均サイズは悪くなかったですよ。
現時点での分析

船長曰く曇天はゴールド系が有効とのことでしたが、この日に関しては、周りを見ても特段アタリカラーはなかったように思います。
釣り方については、ミヨシやトモでキャストしていた人達がとくによく釣っていました。
潮の流れや船の流れを計算し、ロングキャストで広範囲を探るように釣るのが有効だったようです。
胴の間はなかなかロングキャストができなので、そういった意味では釣り座で釣果が分かれたと思います。

今年はとくに鹿の瀬に釣果が集中しているらしく、どれだけ鹿の瀬で数を稼げるかが重要です。
なかなか釣りに行く日を選べない方も多いと思いますが、なるべく10:00まで潮が緩い日を選びたいところ。
そのために、必ず海上保安庁が発表している潮流予測を確認しておきましょう。間違ってタイドグラフ(潮汐表)を見ないようにしてください。
6月初旬の段階では、その他のポイントはあまり釣れていませんが、これから水温が上がるにつれて良くはなってくるそうです。

最近の明石沖は竿頭が30杯以上のことも多く、渋かったここ数年の中ではかなり良さそうに見えます。
昔のように40〜50杯という釣果はありませんが、ビギナーの方でも周りと同じことをしていれば、ボウズになることは少なそうです。
今期は冬の最低水温が2度ほど低く、それによって釣れ始めがやや遅いこともあり、これからさらに良くなってくるのではないでしょうか!
当日のヒットアイテム

爆釣したワケではありませんが……今回の釣行で反応の良かったアイテムを紹介します。
がまかつ オクトライズ ウキウキクロー
ハイボリュームなワームによる強いアピールが特徴の仕掛けです。
フロート付きなので根掛かりしにくく、フックの刺さりは抜群。
タコエギよりも引き抵抗が少なく、アタリがわかりやすいのも特徴です。
別売りの替えワームを用意すれば、リーズナブルにカラーローテションできます。
ダイワ グレートマダク L
以前から愛用していたマダクのリニューアルモデルです。
ワーム素材の爪がボリュームアップしており、アピール力もマシマシ。
あえて伸びるフックにしているので、根掛かりした時に回収しやすいのもポイントです。
実釣には十分な強度ですが、交換用フックも用意しておくと安心。
ハリミツ 蛸墨族スッテ アカエビ
明石ではど定番になっている蛸墨族スッテ。
スモールシルエットとフワフワアクションによって、抱かせやすさとアピール力を両立。
とくに潮が緩い時に有効で、価格がリーズナブルなのも嬉しいです。
ちょうど楽しい釣れ具合かも。

「大アタリ年とは言えないけど、ハズレ年ではないかな!」というのが、最近の釣果情報や実釣を通しての印象です。
昔みたいに大爆釣とはいきませんが、腕の差が出るちょうど良いくらいの釣れ具合です。
ゲーム性という点ではかなり楽しめるシーズンだと思うので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
撮影:tsuki