船のカワハギ仕掛け
秋から冬にかけての超人気ターゲットであるカワハギ。
カワハギは海中でホバリングしながら器用に捕食するため、釣り針に掛かりにくく、「エサ盗り名人」とも呼ばれます。
そんなカワハギを針に掛けるには、適切に仕掛けをセッティングすることが重要です。
本記事では、元釣具屋の筆者がカワハギの仕掛けについて詳しく解説します。
仕掛けは3パターン
船からのカワハギ釣りには、胴付き仕掛けを使うのが一般的です。
しかし、一部の地域では天秤仕掛けを使うこともあります。
胴付き仕掛け
もっともオーソドックスなのが、3本針程度の胴付き仕掛けです。
トラブルが少なく、アタリも判りやすいため、初心者の方はまずこのタイプの仕掛けから始めましょう。
他の対象魚とは異なり、集寄(魚を寄せるためのアイテム)を取り付けることがカワハギ釣りの特徴です。
必ず、針先が上を向くようにエダスをセットしてください。
胴付き仕掛け(中オモリ)
先ほどの胴付き仕掛けの上部に、中オモリをセットした仕掛けです。
中オモリをセットすることで仕掛け上部にも操作点ができるため、テクニカルな誘いができます。※中オモリを用いた誘い方は後述します。
誘いのバリエーションは増えますが、アタリが中オモリを介して伝わるため、アタリが少しボケることがデメリットです。
天秤仕掛け
あまり知られていないと思いますが、カワハギには天秤仕掛けも使えます。
胴付き仕掛けよりもナチュラルにエサを漂わせられるため、喰い渋り対策や警戒心の強い大型狙いに効果的です。
ただし、アタリが非常にわかりにくく、向こうアワセの釣りになるのでアタリを取る楽しみは薄れてしまいます。
また、遊漁船によっては禁止されているところもあるので注意してください。
仕掛けの細部を解説
ここからはハリやエダス、集寄、オモリについて詳しく解説します。
針
カワハギ用の針を大別すると、吸わせ系とハゲ針系の2種類です。
吸わせ系は細軸でコンパクトなので、魚が吸い込みやすくてオートマッチくに掛かり、喰いが渋い時に適します。
ハゲ針系はフトコロが広く取られ、針先だけが内に向いているカワハギ専用の特殊な針。
吸い込まれにくいですが、掛かりが速いので高活性時に掛けていく釣りに適します。
エダス
カワハギ釣りではエダスの長さと間隔が非常に重要です。
エダスが長いものは、速い潮でもナチュラルに仕掛けを漂わせられますが、長さがある分だけ感度は悪くなります。
エダスが短いものは、感度がよくてアタリを掛けやすい反面、魚に違和感を与えやすい上に潮が速いとエサが踊り過ぎて喰いが悪くなることがデメリット。
使い分けの基準は、速潮や喰い渋り対策、乗せる釣りには長めのエダス、潮が緩い状況や高活性時、掛ける釣りには短めのエダスです。
また、エダスの間隔は狭いほど狙いのタナを集中的に探れ、長いほど広い範囲を探れます。
集寄
カワハギは好奇心が強い魚なので、集寄と呼ばれる集魚板のようなアイテムを用いるのが効果的です。
仕掛けの上部に付けることで、集寄が仕掛けの動きと連動してアピールします。
乗合船では自分の仕掛けを目立たせた方が有利に思えますが、集寄を付け過ぎると潮受けが大きくなってアタリがボケるので注意しましょう。
オモリ
他の釣りと同じく、オモリは遊漁船で指定される号数を用意しましょう。
海域にもよりますが、25〜30号程度の重さを使うことが多いです。
集魚効果の高い派手なものが人気ですが、高価なものが多いため、根が荒いところでは装飾されていない無垢の鉛がおすすめ。
形状は六角タイプがオールマイティーで、形によって仕掛けの動きや操作性が少し変わるため、余裕があれば形にもこだわってみてください。
中オモリ
中オモリは、仕掛けの上部に付けることで操作性を高めるためのアイテムです。
メインのオモリを底につけてピンポイントでエサを揺らしたり、中オモリを底で止めてエサをハワセたりできます。
0.5〜3号程度の範囲で用意し、潮流や操作感に合わせて調整してください。
おすすめのカワハギ仕掛け
カワハギ釣りにおすすめの仕掛けや小物を集めました。ぜひ仕掛け選びの参考にしてください。
快適カワハギ ワンデイパック SS+S ネオフック(ダイワ)
掛かりやすくてバレにくいハゲ針を採用したセット仕掛けです。
回転力に優れるサクサススイベルでリーダーのヨレを軽減、フックもサクサスなので貫通力に優れます。
仕掛け2セット、替え針が10本付属しているため、初心者の方がまず揃えるのにおすすめです。
カワハギ仕掛け 楽々フルセット RG-KD2Q(シマノ)
細軸かつ軽量で喰いこませやすい吸わせタイプの針が付属したセット仕掛けです。
集寄ビーズがハリス止めの両端に配置されており、カワハギに強くアピールします。
フッ素フィニッシュが施された針は掛かりが抜群です。
孤高カワハギ早掛SP(オーナー)
鮎針に匹敵するほど針先が鋭い、吸わせタイプの替え針です。
角のあるフトコロによってカワハギのバラシを防止します。
強度の高い線材を用いており、針の強度も十分です。
実船カワハギ ピカタコ集寄 FSM24(ささめ針)
タコベイトと集魚板でアピールする集寄です。
仕掛けの上に付けるのはもちろん、オモリの上に付けるのもおすすめです。
競技カワハギ ヒラ打ちシンカー(がまかつ)
水切りに優れるので沈下速度が速く、仕掛けが安定しやすい六角タイプのオモリです。
広いフラット面でヒラ打ちアクションを演出し、強いフラッシングでカワハギにアピールします。
底面にステンレスリベットが打ち付けられており、着底感度も良好です。
ワンタッチシンカー ロック(ダイワ)
細長い形状によって海中での抵抗が少ない中オモリです。
ラバーが付いているのでハリスを傷付けにくく、カシメ構造によってズレにくいことも特徴。
細部までこだわろう!
カワハギ釣りは状況に応じて仕掛けを適切に使い分けることで、必ず釣果がアップします。
マメなエダス交換はもちろん、カワハギのサイズや活性に応じた適切なハリやエダス選びも重要です。
ちょっとしたことで大きく釣果が変わることも多いので、細かいところにもこだわりながらカワハギ釣りを楽しんでくださいね。