“あること”を辞めました

じつは僕、昨年からシブダイ釣りにハマっています。
最初こそ、渡船を使って実績場に行っても釣り上げられなかったのですが、“あること”を辞めたら安定して釣果を得られるようになったんです!
激旨高級魚“シブダイ(フエダイ)”について
シブダイ(フエダイ)とは

シブダイはスズキ目フエダイ科フエダイ属に分類され、暖かい海の岩礁帯を好む最大50cm/3kg前後の魚です。
体側後方にある小さな白い点が特徴的であり、シロテンと呼ばれることもあります。
じつはこの魚……1kg当たり5,000円~10,000円越えという、破格の値段で取引される超高級魚なのです!
釣れる地域と時期

シブダイの生息域は千葉県以南の太平洋側とされており、鹿児島県や和歌山県、伊豆諸島などの磯まわりが主な釣り場として知られています。
シブダイがよく釣れる時期は5月から11月頃であり、中でも7月から9月がハイシーズンです。
値段相応、激旨です

シブダイの魅力は何と言ってもその食味。
煮ても焼いても、もちろん刺身でもとても美味!
「白身魚の最上級」といっても過言ではなく、こんな旨い魚が岸から釣れることに驚きます。
Okawari 楽天市場店 白星フエダイ(シブダイ)
シブダイが美味しい理由

シブダイの美味しさの秘訣は、白身にきめ細かく乗った脂。牛肉で表現するなら霜降りといったところでしょう。
白身魚らしい食感と溶けていきそうな舌触りが堪らないんですよね。
筋肉の旨味と脂の甘みが相まって、一切れ食べただけで超高級魚であることを理解します。
シブダイの釣り方について
ブッコミ釣り

シブダイは岩礁帯の海底に棲むという生態があるため、一般的な釣り方はイカの短冊や魚の切り身を餌にしたブッコミ釣りです。
夜行性の傾向が強く、夜釣りでの釣果が目立ちます。
するするスルルー

もう一つの釣り方が、キビナゴを餌にしたウキ釣り“するするスルルー”。
僕が釣りをする伊豆半島はウツボが多く、少しでも底から餌を浮かせてウツボを回避したいのでするするスルルーで狙うことにしました。
するするスルルーについて
するする=全遊動仕掛け

するするスルルーの“するする”は、ウキ止めを用いない全遊動仕掛けを意味します。
ウキ止めがないので刺し餌が一定のタナ(深度)で留まらず、無限にフォールしていき、全層を探ることが可能です。
スルルー=キビナゴ

スルルーとは、沖縄の方言でキビナゴのこと。
するするスルルーでは、キビナゴを刺し餌と撒き餌に用います。
簡単に言えば、キビナゴを使ったフカセ釣りです。

ちなみに、キビナゴ以外にもカタクチイワシも餌として使えます。
沖縄発祥の釣り方ですが、近年はそれ以外の地域でも注目されつつあります。
するするスルルーの理想と現実
“速い潮流”が前提条件

するするスルルーの前提条件となっているのが、速い潮流(本流)。
潮に撒き餌を乗せることで広範囲から魚を集め、撒き餌に浮いてきた魚を釣るわけです。
しかし、そんな速い潮流は常にどこでもあるわけではなく、僕が釣行する伊豆半島の地磯ではなかなかお目にかかれません。
潮が流れない場所だと……

試しに、潮が流れない地磯で全遊動仕掛けを試してみると……ウツボだけではなくエイまで掛かってくるんです。
お察しの通り、刺し餌のキビナゴが流れて漂わず、ほぼ真下に落ちて着底しているってこと。
シブダイはブッコミ釣りでも釣れる魚なので、海底付近に餌があっても釣れるのですが、ウツボやエイが多いと彼らの方が先に食ってきてしまいます。
“するするしないスルルー”が正解でした
半遊動仕掛けに変更

刺し餌の着底を回避するために、するする(全遊動)を辞めちゃうことにしたんです。
今まで使っていた全遊動仕掛けにウキ止めをつけて半遊動仕掛けとし、ウキも2号程度のオモリを背負える高浮力のものに交換しました。
これで決まったタナ(中層)にキビナゴを吊り下げられるので、ウツボもエイも避けられます!
巨大イスズミが釣れるようになった

半遊動仕掛けにしてみると、釣れる魚種がガラッと変わりました。
特大イスズミから始まり、ゴマフエキントキ、オジサンなんかもよく掛かり、イサキまでも釣れてきます。
ついにシブダイ登場!

イスズミの強烈な引きを何度か味わった頃、またイスズミかなと海面をライトで照らすと、赤い魚が……!
ついに、高級魚シブダイを釣ることができました!
この日はなんと立て続けにシブダイを2匹も追加。釣り座に仕掛けと釣り方がマッチしたことを実感した瞬間です。

以来この釣り方では、シブダイだけじゃなくタマンもよく釣れています。
ウツボやエイを避けながらタマンが狙えるなんて。タマン狙いのブッコミ釣りにハマっていた数年前の僕が聞いたら驚くことでしょう。
参考タックル
- 竿:磯竿4号 4.5m
- リール:スピニングリール 6000番
- 道糸:ナイロン10号 100m程度
- ハリス:フロロ 7号 2ヒロ程度
- ウキ:電気ウキ2号
- オモリ 1.5号
- 針:マダイ針 11号
するするしない釣法で工夫していること
コマセを撒きすぎない

最初の頃は沢山餌を撒けば、魚が寄ってくるものと思い込み、キビナゴやカタクチイワシ以外にもオキアミと集魚剤もコマセとして使用していました。
ところが、これではイスズミが湧いてしまい、今では撒き餌をキビナゴより安いカタクチイワシだけにして、1投ごとに数匹をパラパラと撒く程度に量も減らしています。
釣り座に魚を寄せるのではなく、魚がいることを前提にシブダイに上を意識してもらうだけのイメージで今はコマセを撒いています。
タナをマメに変える

半遊動仕掛けはタナを固定する釣り方なので、事前にポイントの水深を測って把握し、狙うタナをマメに変えることには気を遣っています。
まずは水深の半分くらいのタナからスタートし、イスズミや餌取りの動向を見極めながらタナを変えていきましょう。
足元や地形変化を的確に狙う

仕掛けがほぼ流れない、コマセも沢山撒かないということで、仕掛けを投入する位置がとても大切です。
シブダイが潜んでいそうな磯際やシモリなど、地形変化の近くにウキを浮かべること意識しています。
コマセで寄せてポイントを作るわけではないので、反応がなければ積極的に釣り座を移動することもありますよ。
チャンスはある!

今回は“するするさせないスルルー釣法”……、すなわち半遊動仕掛けを用いたシブダイ釣りをご紹介しました。
流れが緩くてするするスルルーはできない、ブッコミ釣りはウツボの嵐、という方にもシブダイが釣れるチャンスがあるかもしれません!
ぜひ、ウキ止めを使った半遊動仕掛けもお試しください。
撮影:山根央之