キタマクラってどんな魚?
キタマクラはフグ類の仲間であり、フグ類としては扁平な身体が特徴です。体長は大きいもので13センチほど。
防波堤釣りや磯釣りなどでよく釣れる代表的な外道で、釣り餌にもよく食いつき、硬い歯で釣り糸を切ってしまうため釣り師に嫌われている魚です。
生息域と分布
キタマクラの生息域は、日本近海では福島県以南の太平洋岸、九州西岸、伊豆諸島、琉球列島、小笠原諸島。藻場、サンゴ礁、岩礁を好み、水深30メートル以浅の浅場で見られることが多いです。
生態・性質
キタマクラは雑食性で貝類、カニ類、藻類、棘皮動物、軟体動物等を食べます。キタマクラは春から秋にかけて活発にエサを追いかけます。また、夏季に産卵期を迎え、雄の腹側は鮮やかな青色の婚姻色を示します。
キタマクラの特徴とは
フグ類としては側偏した体つきで、体色は茶褐色から灰褐色をしています。体側には2本の暗色縦帯があり、喉部~腹部には小さな棘が散在しています。遊泳速度は遅く、浅い場所をゆっくりと泳いでいます。
キタマクラの毒性を確認!
キタマクラの筋肉と卵巣は無毒ですが、腸と肝は弱毒、皮膚は強毒とされており食用フグとはみなされていません。多くの都道府県条例では本種を食することを認めていません。
※フグを調理する際はフグ調理免許が必要になります。一般人は絶対に行なわないようにしましょう。
キタマクラの毒性
キタマクラはフグの仲間なので、テトロドトキシンという神経毒を持っており、食べると中毒症状が起きます。
症状として人の体内に入ってから3時間以内に身体の痺れ・麻痺、呼吸困難といったもので、猛毒なため死に至ることもあります。
中毒症状に気づき嘔吐等で体内の毒素を排出できれば、症状の悪化を抑えることはできますが、現時点では有効な治療法や解毒薬がないため命をとりとめても後遺症が残ることもあります。
キタマクラの名前の由来とは?
名前の由来は世を去られた方を北向きに寝かせるという恐ろしいものであり、猛毒のフグという意味合いを表しています。
キタマクラの対策
キタマクラはアタリもなく、付け餌だけきれいに食べてハリだけにしてしまいます。それだけでなく、ハリスに傷をつけたり、道糸を切ったり、ハリの塗装を剥がしたりと散々なことも……。
エサ取り対策をしないと釣りにならない事もありますので、ここでは対策としてちょっとした工夫を紹介していきます。
コマセを打つ位置を変える!
キタマクラのみならずエサ取りを避けるためのテクニックとして、コマセを足元に打ちエサ取りを一か所に集めます。
そして本命を狙うポイントには多めにコマセを撒き、その中に仕掛けを投入していきます。決定的な方法ではありませんが、試してみる価値はあります。
付け餌を工夫してみる
クロダイを狙う場合は、オキアミやゴカイ等のエサではすぐにエサ取りに取られてしまう為、餌持ちの良いサナギやコーンに変えると良いでしょう。
また、ダンゴ(紀州)釣りのように付け餌をダンゴで覆うとエサ取り対策になります。
本命が動けばエサ取りは消える!
エサ取りは、メジナ、クロダイ、マダイといった本命の魚の活性が上がると散っていきます。本命魚の捕食は荒々しく、それを嫌がって逃げて行く為と言われています。
本命魚の活性が高まる時合をしっかり掴んでおくことが釣果アップのカギとなります。
実は観賞用として人気のキタマクラ
キタマクラは一般的な海水魚を飼育する設備で十分飼育することができます。飼いやすく、見た目が可愛いことから鑑賞用としては意外と人気が高いキタマクラ。大きな目とおちょぼ口がチャーミングです。
人工餌で飼育ができる
与える餌は人工餌では海藻や植物質を含んだ粒タイプのものがオススメです。生餌ではアミ、あさり、磯蟹等を与えてあげましょう。
フグの仲間は人工餌ばかり与えていると、便秘や拒食になることがあるので定期的に生餌を与えてあげましょう。
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混泳もできる!
フグの中では小型で温和な魚なので多くの魚と一緒に飼育することも可能です。ただしカエルウオ、他のフグ類、クサフグなどとは一緒にしない方が良いでしょう。
また貝類、カニ、エビなどはキタマクラの餌となるので一緒に入れてはいけません。
エサ盗りハンターにご注意を!
釣り人にとってキタマクラはエサだけをとっていき、釣っても食べることもできない完全な外道とされています。その反面、かわいい見た目で鑑賞用としては重宝されています。
ある程度は対策可能なので、防波堤、磯釣りで悩まされている方は参考にしてみてください。エサ取りをうまくかわして、より快適なフィッシングを楽しみましょう!