フルソリッドのライトジギングロッド
MOZ(モズ)は、知る人ぞ知るロッドメーカー「タカミテクノス」がリリースしているジギングロッドシリーズです。
MOZは美しいカーブと粘り強さに定評があり、ジギングマニアの間では“フルソリッドの代表格”として知られます。
そんなMOZシリーズの中で、近海のライトジギングにフォーカスしたモデルがLightZERO(ライトゼロ)。
本記事では、MOZ620ライトゼロの使用感をお届けします。
ラインナップ
番手 | 全長(ft) | 継数(本) | 自重(g) | 適合ジグ(g) | 定価(円) |
621LightZERO | 6.2 | 1 | 125 | 50-200 | 52,800 |
622LightZERO | 6.2 | 1 | 134 | 50-300 | 52,800 |
623LightZERO | 6.2 | 1 | 143 | 100-400 | 52,800 |
624LightZERO | 6.2 | 1 | 151 | 150-500 | 52,800 |
625LightZERO | 6.2 | 1 | 157 | 200-600 | 52,800 |
626LightZERO | 6.2 | 1 | 165 | 250-700 | 52,800 |
LightZEROシリーズの特徴
まずはMOZ620ライトゼロシリーズのスペック的な特徴から紹介します。
ブランク
ブランクには最高品質のフルソリッドカーボン素材を採用。
チューブラーブランクでは再現できない強度を備えています。
縦繊維100%のフルソリッドカーボンは、負荷に対して曲がりの反応がよく、余計な挙動を生みません。
ティップ
ライトゼロの一番の特徴はティップです。
621ライトゼロのティップ径は1.1mmで、オリジナルのMOZ620より細い仕様になっています。
ティップのテンションが弱くて柔軟に曲がるため、よりナチュラルなアクションを演出。
浅い場所や潮が緩い時など、水の抵抗が少なくてジグへの入力が強くなりがちな状況で、適度に入力をセーブしてくれます。
ガイド
ガイドはすべてチタンフレームのSiCリングです。
ガイドを見て一番目に付くのが、フットの短いシングルフットガイド。
独自の固定方法で取り付けることで、短い幅で固定しても抜けにくく、ブランクの曲がりを阻害しません。
また、小径ガイドの多点配置によっても美しいベンドカーブを実現しています。
リールシート
リールシートはFuji製のTCSを採用。
耐久性の高い塗装が施され、グリップには滑りにくいラバーが巻かれています。
リールシートとブランクの隙間を埋めるアーバーには、独自開発の軽量硬質高強度ソリッドアーバーを採用。
リールシート内は空洞のないソリッド構造になっており、反響や残響を抑制し、感度の雑味が軽減されています。
MOZ 621 LightZEROをインプレ
ここからはMOZ621ライトゼロの使用感を紹介します。
かなり汎用性が高く、購入してから1年の間でいろんな釣りに使いました!
アクションについて
カタログスペック的にど真ん中の100gを操作している様子です。
ロッドの曲がりをよく見ると、ティップが柔らかくてバットが強い、先調子であることがよくわかります。
スローでもハイピッチでも問題なく操作できました。
ジャークに対して柔軟に曲がって戻してくれますが、ティップまでは返り切らないのがライトゼロ。
ティップまで返してジグを加速させるのではなく、最後にティップでジグを“置きにいく”というか、ブレーキを掛けてくれます。
最大適合ウェイトの200gをアクションした様子です。
100gの時よりも大きく曲がり込みつつも、問題なく操作はできますが、ハイピッチは少ししんどさを感じました。
カタログスペック通り、気持ちよく操作できるのは200gまでですね。
ティップを弱くしている分、ジャークのストロークは短くなるので、ジグを大きく飛ばす竿ではありません。
ショートピッチで巻きシャクったり、泳がしたりするのに適しており、浅場をナチュラルに攻めるのに使いたいロッドです。
ファイト中の安心感は文句なし
ライトゼロはティップだけが柔らかく、バットパワーはオリジナルのMOZとほぼ同じなので、やりとり中はかなり安心感があります。
ワンピースのカーボンフルソリッドブランクなので、曲がりの美しさは文句なし。
しなやかなティップからベリーが追従し、バットが粘って魚に負荷を掛けます。
やりとりしている時は、ゴムのように伸び縮みして魚を締め上げるような印象を持ちました。
曲げ込めるので釣趣もあり、不意の大物に対しても臆せずファイトできます。
高感度ではない
カーボンソリッドブランクは、チューブラーのように反響はしないため、決して手感度は高くありません。
深場で底が砂や泥などの場合、底質の判別は少し難しく感じます。
とはいえ、アタリは十分に感知できるので、必要十分ともいえます。
同価格帯でさらに感度の良い竿はいっぱいあるので、感度を追求するのであれば他の竿で良いでしょう。
たまに穂先絡みが起こる
ティップが柔らかくてガイドが立ち気味(傾斜が弱い)なので、やや糸を拾いやすく、糸絡みがちょくちょく発生しました。
100g以上のジグではまったく起こらないのですが、40〜60g程度を使うスーパーライトジギングでは稀に絡みます。
ジグが軽い分だけテンションが抜けやすく、そのタイミングで糸フケが出てティップのガイドが拾ってしまうのでしょう。
とはいえ、頻度は多くないので気になるレベルではありません。
かなりオールラウンドに使える
621ライトゼロをさまざまな釣りで使ったのでその一部を紹介します。
まずは日本海・丹後のスーパーライトジギング。
水深20〜40m、40〜60gのジグでボトム付近を丁寧に狙う釣りです。
バットで良型アコウの走りを止め、すぐに浮かせられましたよ。
同じく日本海・丹後でのアマダイジギング。
水深90m前後、100〜150gのジグでボトム付近をジワジワと探る釣りです。
速い動きよりも、ゆっくりしたフォールやただ巻きなどのナチュラルな動きを好むアマダイにすごくマッチしました!
琵琶湖でのビワマスジギング。
水深50〜70m、45〜80gのジグで中層を回遊するビワマスに当てていく釣りです。
口が柔らかいうえに、フック1本というレギュレーションがあるので非常にバラシが多い釣りですが、柔軟なブランクが大活躍。
バラシはゼロではありませんでしたが、初挑戦で無事本命をキャッチ!
大阪湾のタチウオジギング。
水深60〜70m、100〜200gのジグをメインに使います。
ジグを飛ばし過ぎないアクションを演出できるライトゼロは、タチウオと相性抜群。
パターンもハマって竿頭もとれました!
石川・輪島の中深海ジギング。
水深は140mでしたが、潮も風もなかったので100gのタングステン製ジグと組み合わせてみました。
水深が深いため、ほぼジグが動いていないようなアクションになってしまいましたが、それが功を奏してマダイがヒット。
オーソドックスなタイジギングにも使えそうだと感じました。
まだ釣果は出ていませんが、タイラバにも良さそうです。
しなやかなブランクなので仕掛けの安定性も高く、食い込みも良さそうですし、ファイト中の安心感は抜群でした。
200g程度までなら問題なく使えると思うので、近海バーチカルもディープのドテラも楽しめそうです。
ライトジギングならコレ1本!
スーパーライトジギングからライトジギングまで、これ1本で楽しみまくれるロッドです。
不意の大物への対応力もあり、ライトジギングロッドながらかなり安心して使えます。
筆者もかなり気に入ってヘビロテしているので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
なお、タカミテクノスのロッドは生産数が少なく、取扱店も少ないため、公式オンラインショップや取扱店で予約して購入するのが確実です。
詳しくは公式HPも確認してみてください。