Huerco(フエルコ)とは?
「釣りから派生する、例えばキャンプや登山、自転車だったり、またはコーヒーを飲むひと時だったり。そんな釣りから繋がる全てのものの垣根を越え、釣りをもっと身近に。」
そんなブランドコンセプトを持つフエルコというメーカー。主にパックロッドを中心に展開しており、ライトゲームから海外の大物釣りまでを視野に入れた幅広い番手がラインナップされています。
フエルコのロッドを選んだワケ
国内外での遠征釣りをはじめた当初、まだ市場にはパックロッドの選択肢が少なく、当初は1ピースロッドや2ピースロッドを飛行機に持ち込んで旅をするスタイルをとっていました。
しかし航空業界の荷物規制や、現地での大型の荷物の持ち運びに難があり過ぎるという問題にぶつかったのです。
理由その1:高い携行性
フエルコのロッドはほとんどの機種で仕舞寸法55cm以下に収められていて、バックパックや小さめのスーツケースにすっぽり入る大きさです。
30cm台に収まるモデルも存在するので、機動力を生かした釣りに持ってこい。収納時に場所を取らないので車に置いておいて、思いついた時にいつでも釣りに行けるお手軽さが素敵です。
仕舞寸法に対する考え方はメーカーによってまちまちですが、55cm以下におさめてくれると遠征釣りにおいてアドバンテージがあります。遠征アングラーにとっては、コンパクトなのは正義であり偉大です。
理由その2:対応魚種の豊富さ
筆者が主に使用しているのはXT Series(Expeditionary Tuned)と呼ばれるモデル。
近所のちょっとした釣りから、バックパックひとつで旅する海外釣行まで幅広く対応します。
汎用性にとことん拘った設計をしているので、適応範囲内の重量であれば、ルアーを選ばずほとんどの釣りをこなすことが可能です。
理由その3:ライトロッドでも頑丈
バックパックに放り込んで何カ国も海外を釣り歩いてきましたが、必要十分な性能は備えており、なおかつ頑丈。
後で紹介する 『XT511-5S』 というライトロッドでさえ、障害物のない場所ならバラマンディクラスの魚も問題なく釣り上げることができます。
継数の多いパックロッドですが、極端な負荷をかけたりしなければ破損する気配はありません。海外釣行へ持っていった際もついつい雑に扱ってしまうのですが、とても頑丈で壊れにくい。
理由その4:控え目な価格設定
割と高価格な設定の多いこの手のパックロッド。フエルコはそのロッド群の中でも、比較的手が出しやすい価格帯に設定されているのが嬉しいですね。
筆者のフエルコロッド
XT511-5S
淡水海水問わず、何が釣れるかわからない遠征釣行に必ず持っていく1本です。
用途は渓流で使用する2g程度のスプーンから10g前後のプラグ。はたまたライトぶっ込みや浮き釣りなどのエサ釣りまでこなします。
また、収納時も邪魔にならない絶妙な仕舞寸法。本来はなるべく継数を抑えるために、4本継で仕舞寸法55cm弱に収めるのが割とよくあるパターンです。しかし、このロッドはあえて5本継の仕舞寸法 42cmというコンパクトさに仕上がっています。
Huerco フエルコ XT511-5S
XT711-5S
- ・飛距離が必要
- ・流れが速い
- ・深い
この3つの内どれかに当てはまる釣り場へ行く時に持っていきます。
重いルアーはベイトロッドに任せることも多いのですが、上記3つに当てはまる場合、どうしてもスピニングの方が釣りしやすかったりするので、状況によって使い分けています。
主に河川のシーバスやチヌ、中禅寺湖でのレイクトラウトに使用。ティップは軽いルアーも投げられるしなやかさがあり、バットは非常に強い。メーター近い魚も十分射程に入ります。
Huerco フエルコ XT711-5S
フエルコロッドの良し悪し
マルチピースを感じさせない使い心地
パックロッドというと予備のロッドという認識だったりしますが、メインロッドとして十分使用可能な使い心地です。一昔前のパックロッドとはレベルが全然違います。
使えるルアーウェイトが幅広い
荷物をあまり持っていけない遠征釣行も視野に入れたシリーズなので、扱えるウェイトの範囲は広め。また、ティップは繊細でもバットは強く、不意の大物がヒットした際も余裕のやりとりが可能です。
持ち重りはそこまで感じない
継ぎ数が多いと気になるのが持ち重り。合わせるリールにもよりますが、セットした状態で先おもりはほとんど気になりません。「最新のパックロッドは凄いな〜」と唸った理由です。
7フィート11インチの長さを有する「XT711-5S」でも、使っていてそれほど先重りが気になったことはありません。※リールはシマノ4000番を使用。
ガイド径が小さいと感じることがある
ガイド数が多く、口径も小さいせいか、キャスト時の糸抜けが悪く感じることがあります。そのため、太目のラインやリーダーを多用する方は少し気になるかもしれません。
フエルコで釣った思い出の魚たち
ブルーマシール(タイ国境地域)
使用ロッド:XT511-5S
タイ・ミャンマー国境付近を流れる渓流でキャッチしたブルーマシール。
ジャングルの中を横切り渓流を遡上。数時間歩いた先の深みに10gスプーンを投下するとバイト! パワフルな引きにドラグを引き出されつつ、慎重にやりとり。
プラー・タピヤン(タイ)
使用ロッド:XT511-5S
タイでは夕飯を済ませたのち、水上家屋の夜の楽しみが小物釣りです。夕飯を少し残しておいて、それを餌に水上家屋の隙間などを狙います。トイレ下や流しの排水溝下が好ポイント。
この時はレストランが付いている水上家屋に宿泊していたのですが、台所の流し脇は洗い物の時間になると残飯目当ての魚がトルネードを作り出しお魚天国状態(笑)
ナイフフィッシュ(カンボジア)
使用ロッド:XT511-5S
アンコールワットで有名な街、シェムリアップの中心を流れる川で釣り上げた小型のナイフフィッシュ。バイクで街をランガンしている時、偶然声をかけた地元の方に現地の釣り方を教えてもらいました。
木の根元にいるミミズを捕まえて、小型のガン玉付きの仕掛けを投入すると色んな魚がヒットしました。
レインボートラウト(北海道)
使用ロッド:XT511-5S
友人達と合流し、道央の小規模河川で釣り上げたレインボートラウト。小型が多いという話だったので 『XT511-5S』 をチョイス。3〜4gのスプーンやスピナーで夕方の小一時間楽しみました。
メッキ(石垣島)
使用ロッド:XT511-5S
レンタカーを借りて朝からランガン。河口付近で小型ミノーを連続トゥイッチしていると、ポロポロと色んな魚が遊んでくれました。ライトロッドなのでメッキも結構楽しめます。
カスープ(ミャンマー)
使用ロッド:XT511-5S
少数民族が統治しているエリアに村長の許可を取り入域。今まで釣り人が立ち入った事がないエリアとのことで、何が釣れるかわからない中、『XT511-5S』が大活躍しました。
見かけによらない強烈なファイトをするので、釣り人を楽しませてくれる好ターゲット。スプーンをキャストするとルアーの後方から群れをなしてチェイス&ヒットします。
このロッドで丁度楽めるサイズ。他にも種類の違うカスープが生息しているとのことなので、再調査へ行きたいところです。
マルタウグイ(関東某河川)
使用ロッド:XT511-5S
河川の流れと魚のサイズも相まって、スリル満点なファイトをしてくれた魚。うまくいなしながら、浅瀬に誘導してキャッチしました。見た目とは裏腹に、上から見ると丸太のような太さがあり、なかなか重量感のあるファイトで楽しませてくれます。
ブラウントラウト(中禅寺湖)
使用ロッド:XT711-5S
早朝に岬周辺で、95mmのフローティングミノーを引いているとひったくるようなバイトが訪れました。その正体はコイツ。
細めのフックを使用していたので、慎重にファイトし、無事良型のブラウントラウトをキャッチすることができました。『XT711-5S』 はバットパワーがかなり強く、ティップは軽量ルアーもキャストできる繊細さが魅力です。
まとめ
ちょっとした空き時間にサッと取り出して釣りをしたり、出張先でいいポイントを見つけたときなど、活躍してくれるフエルコのロッド。
「あぁ。こんなときに竿があったらなぁ」なんてことを減らしてくれるのも、パックロッドのいいところですね。今の時代、機動性=性能と言っていいでしょう。
今回紹介した2本のロッドですが、絶妙に棲み分けることができます。どちらも汎用性は高いですが、ライトゲームを極めたい人は『XT511-5S』を選ぶといいでしょう。
ライタープロフィール
渡辺ヒロユキ
子供の頃から釣りを始め、シーバス、バス、ライトゲームを経て、現在は仕事の傍ら国内外を釣り歩いています。ソロキャンプや車中泊などアウトドア全般が大好物。
自信が経験したワクワクするモノを、記事を通じて読者のみなさんに届けられたら嬉しいです。