ギル型ルアー『ジョイントゾーイ』
☝︎もはや使いすぎて、完全に筆者の“右腕”と化したジョイントゾーイたち。
こんにちは、TSURI HACKライターのMONSTERです。
ルアーデザイナー・ハマティこと濱田禎二氏がこだわりを惜しみなく投入し、奇天烈かつ独創的なルアーを取り揃えるルアーメーカー「T.H.タックル」。
魅力的な商品群の中で、もっとも知名度が高く、おそらくもっとも愛用者が多いであろうルアーが、今回紹介するジョイントゾーイ。
☝︎他には出せない存在感が、バスからするとたまらんのでしょう。
それもそのはずで、時を遡ること数年前。もともと異彩を放つ人気ルアーでしたが、JBTOP50で頭角を現しだした藤田京弥選手のお気に入りであることが発覚!
それだけで済めばよかったものの、年間2位というずば抜けた戦績にもちゃっかり貢献。
以降「冗談じゃないルアー」として認知され、市場からは瞬殺。そもそも品薄だったところにトドメを刺されてしまいました。
ジョイントゾーイのスペック
全長:93mm
重量:36.5g
タイプ:スローシンキング
ビッグベイトと言えなくもないルアーですが、重量はたったの36.5g前後。
これなら専用のタックルを用意しなくても、MAX 1oz.クラスのミディアム~ミディアムヘビータックルで扱えてしまう。
THタックル ジョイントゾーイ
ジョイントゾーイの特徴
本物のギルから型取りしたリアルベイト
☝︎まるで生きているかのようなリアルさ。
ジョイントゾーイ最大の特徴は言わずもがな、リアルなその造形でしょう。
なんたって本物のブルーギルから型取りしたっていうんだから、ハマティの奇天烈さが伺えます。
とはいえ本物をイミテートしようとするなら、これほど合理的な発想はありません。
キスバイトも絡めとるサイドフェザーフック
もうひとつの外せない特徴は、胸びれのあたりからせり出したサイドフェザーフック。
側面からつつくようなキスバイト、威嚇行動のじゃれつきなど、バスがギルベイトに対して起こしやすいリアクションをも拾ってくれます。
事実、このサイドフックのおかげで獲れたヒヤヒヤものの魚も多いのです。
自発的なアクションを生む多彩なパーツたち
☝︎「プラグにラバースカート」という発想がそもそも珍しく、ライブリーなアクションを演出してくれます。
フェザーフックしかり、ジョイントゾーイにはテールラバー、そしてブレードといった、アングラーが入力せずとも自発的にアクションしてくれるパーツが取り付けられていて、何もしなくてもライブリー。
控えめなS字アクションを生む、ジョイント部
☝︎ボディセンターから、分割するようにジョイントされているのがルアー名の由来。
これによって繰り出される艶かしいS字アクションたるや、リアルフォルムと相まってまさに生物。
バスよりもむしろ人間が爆釣という、避けがたい事態になってしまっています(笑)
リアルフォルムならではの『水馴染み』と『ナチュラル波動』
僕がもっとも気に入っているポイント、そして間違いなく釣果に貢献してくれていると感じているポイントは、ずばり「リアルフォルムが故の水馴染みのよさ」です。
多くのギル型ルアーは、アピールという観点から、無暗に水を攪拌したり、大きくスライドしたり……というギミックが組み込まれていることがほとんど。
言い換えれば、過剰に水を噛んだり切ったりするよう造形されているということです。ところが、バスに対して己の存在を猛烈にアピールするギルなんて、現実世界には存在しませんよね。
ウェイトチューニングも手間いらず
☝︎クイックチェンジャータイプのシンカーが取り付けられるカスタムアイが標準装備。
ちなみに僕はほとんどノーマル状態で使用しますが、流れの強いエリアで置きベイト(ボトム放置)として使用する場合、ボトムシェイク中心に使用する場合、速く沈めたい場合などにはウェイトチューンを施します。
この際おすすめはグレネードシンカー・クイックチェンジャー。あご下にあるチューニングアイに引っ掛けるだけでOKです。
ノガレス タングステングレネードシンカー
ちなみに元祖・オリジナルゾーイには、カスタムアイがないので素直に板オモリを。
ジョイントゾーイの使い方
i字引き
☝︎名前はジョイントゾーイですが、基本は無駄なアクションを省いたi字引きでOK。
ギルをはじめとしたベイトフィッシュたちは、各部のヒレだけをコンパクトに動かして巡航していますが、これを完璧にイミテートするのがi字引きです。
やり方は簡単で、引きたいレンジまで沈めて、尻尾を振らない速度で巻き寄せるだけです。
「ジョイントがあるのに、そんなのもったいない!」と思う人もいるかもしれませんが、これこそが究極に釣れます。ある時はギル。ある時はフナ。またある時は、アユやオイカワにだって化けられます。
ジョイントゾーイに取り付けられた各部のパーツは、いかにもアピモク(アピール目的)かと思いきや、じつはこのi字引きメソッドを完遂するにあたって重要な役割を果たします。
テールラバーやブレードが適度に抵抗を生むことで、進行方向とは逆の方向に留まろうとする力が働き、ジョイントが無暗に作動するのを抑制してくれるわけですね。
ステイ
☝︎一見地味に見えるオリジナルゾーイ(写真右)の方が直進性が高く、惰性で動いてしまうためコントロールしにくかったりします。
ナチュラルさで疑わせるi字引き釣法では、ここぞという場面で、バスに喰う食わないの選択肢を与える「トメ」が有効な場合もしばしばあります。
その際、僕が重要視しているのは、止めたい時にしっかりと止まってくれる制御性。
ジョイントのないタイプのオリジナルゾーイはより直進性が高い一方で、ビタっとストップさせにくいルアーでした。
ボトム放置(置きベイト)
ジョイントゾーイは水中での存在感がピカイチ。その静かなるアピール力を利用し、ボトム放置でもバスを誘うことができるルアーです。
水馴染みの良さと、自発的にアクションしてくれるパーツたちが、マジでいい仕事をします。
移動距離を抑えたクイックなアクション
☝︎しっかりとバイトシーンが撮れました。リアクションを狙うなら、クイックかつ移動距離を抑えるのがキモです。
躊躇なくバクっといかないバスに対して、こちらからアクションを仕掛けるに際して重要なのは、バスの射程から出てしまわないようにアクションさせることです。
i字引きの項目でも触れましたが、ジョイントゾーイはジョイント+パーツがブレーキとなって、クイックながらも移動距離を抑えたアクションが入力可能。
まとめ
☝︎今後さらに研究していきたいルアー。冗談めいたルックスながら、圧倒的な漁獲力を誇ります。
僕がこいつを愛用するのはもちろん釣れるから。しかし、じつは重要視しているのがミドルクラスの巻き物タックルで軽々扱えるということ。
なんたってギルベイトは、デタラメに投げて魚を探すのではなく、ここぞというところで投入するからこそ真価を発揮するルアーです。
ギルロイドベビーの記事でも同じことを書いたので、「またかよ!」と思われてしまいそうですが、やっぱり専用タックルを用意しなくてもいいところがエライ。
ライタープロフィール
MONSTER
大阪府大阪市在住。インテリバサーを志す、グランダー武蔵世代。関西を舞台に、「考えるバス釣り」を楽しむ理論派ブログ戦士。勢いあまって、机の上で釣りを終えることがほとんど。ボート、おかっぱり、どっちも好きです。バス釣りブログ「BassGo!」の管理者。