北海道にだけ生息するオショロコマってどんな魚?
オショロコマ(学名:Salvelinus malma krascheninnikova)とは

ドリーバーデントラウトには3タイプの亜種(4タイプの説もある)が知られていて、北海道に生息する「オショロコマ」は英語でアジアンドリーバーデンと呼ばれます。
日本にはオショロコマの他にミヤベイワナ(学名:Salvelinus malma miyabei 英名:Miyabe char)というドリーバーデンの亜種も生息しています。
▼亜種については、イワナを例に下記の記事で紹介しています!
オショロコマの別名は「カラフトイワナ」

それにしても、オショロコマとは変わった名前ですよね。色んな説が唱えられていますが、オショロコマの由来はよく分かっていません。
アイヌ語である“オソルコマ(尻によって泳ぐ魚の意味)”が語源となったという説が有力なようです。
日本では北海道にしか生息しないオショロコマは、しばしばカラフトイワナと呼ばれることもあります。
オショロコマの生息域は朝鮮半島北部からロシア

オショロコマはアジアンドリーバーデントラウトと呼ばれるように、朝鮮半島北部、北海道北部、中国北部、ロシア東部に生息しています。
お察しの通り、オショロコマは寒い地域に生息する魚で、北極海にも生息しています。
オショロコマの特徴や見分け方
オショロコマはイワナの仲間

模様や形がよく似ているため、一見すると同じ魚のように思えますよね。
ここでは、オショロコマの見分け方を説明していきます!
エゾイワナとオショロコマの見分け方

オショロコマが生息するのは北海道だけなので、東北から北海道に生息するエゾイワナと見比べてみましょう。
もっとも特徴的なのは、鮮やかな朱点の有無です。朱点があるのがオショロコマ、ないものはエゾイワナです。
ブルックトラウト(カワマス)とオショロコマの見分け方

近年、北海道ではブルックトラウト(カワマス)という外来魚の生息範囲が拡大しています。
ブルックトラウトとオショロコマはとてもよく似ていて、見分けるのが難しいです。
皆さんはこの2種類の魚を見分けることはできますか?

模様がしっかり背びれにも現れるブルックトラウトに対し、オショロコマの背びれの模様は薄く控えめです。
ブルックトラウトについてはコチラの記事で紹介しています。
オショロコマとブルックの交雑について

これ以上ブルックトラウトの生息域が拡大しないように北海道では、漁業調整規則によりブルックトラウトの移植を禁止しています。
違反者には最大6カ月懲役および10万円の罰金が科されますので、絶対にブルックトラウトを移植しないようにしましょう。
海にも降るオショロコマの生態について
オショロコマの繁殖期は秋

オショロコマの繁殖期はイワナと同じ10~11月、サケと違って産卵を終えても死ぬことはありません。
2年から3年で15cm前後まで成長し、繁殖に参加するようになります。
河川環境によりますが、寿命は5~7年程度で最大で30cm前後まで成長します。
北海道のオショロコマは河川残留型が多い

本来ドリーバーデンはサケのように海で成長し、生まれた川で産卵するものが多いのですが、北海道に生息するオショロコマのほとんどが一生を川で過ごします。
知床で稀に降海型のオショロコマが捕獲されることがありますが、それが北海道で生まれたオショロコマかどうか明らかになっていません。
ドリーバーデンは、産卵とは関係なく海と川を行き来することがあり、繁殖時を除いて母川以外にも遡上します。
オショロコマの保全状況は?

環境省が定めるレッドデータブックによるとオショロコマは絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)とされています。
北海道の渓流域で釣りをしているとそれほど珍しく感じないオショロコマですが、外来種の移入や生息環境の悪化が問題視されています。
幸いなことに、禁漁域を除きオショロコマを釣ることは可能ですが、遊漁者の増加による資源への圧力についても懸念されています。
サイズも小さく、簡単に釣れてしまうため釣りの対象魚としては、ニジマスやアメマスなどの影に隠れてしまっていますがその美しき美貌は一見の価値ありです。
乱獲にならない程度に、美しいオショロコマに出会いに行ってみてはいかがでしょうか。
オショロコマが釣れるポイントやルアー
オショロコマ釣りなら道東・知床の渓流へ行こう

オショロコマは源流域から河口付近の海まで幅広く生息しています。
エゾイワナ(アメマス)が生息している河川では源流に多く、知床のように川が短い場合は海の近くでも釣ることができます。
渓流用ルアーであればOK

先行者さえいなければ、2匹3匹と同時にルアーを追いかけてきますよ!
渓流用のスピナーやシンキングミノーを用意しましょう。オススメはスミスのARスピナーとDコンタクトです。
自重:2.1g
フック:カルティバST-11#12
ブレードがめちゃくちゃ回ります。細いロッドだと回転の振動がブルブルと身体に伝わってくるほど。おかげで水中でも良い波動を出してアマゴやヤマメがどんどん食いついてきます。
投げずに川の中に浸して見ると分かるのですが、水面に付いた瞬間からちょっとした流れの勢いだけでブレードがスムーズに回転してるのが本当にスゴい!着水の瞬間から魚にアピールできるって事ですからね。これならただ巻きでも沢山釣れるチャンスがあると思いますよ。
多少値段は張りますが、初心者から上級者まで全ての釣り人にオススメのスピナーです。
自重:4.5g
タイプ:ヘビーシンキング
北海道の渓流で使用しています。ヘビーシンキングとのことでかなり重量感もあり、大きめの淵などを攻める際のパイロットルアーになっています。アクションは細かい連続トゥイッチやリフトアンドフォールが効果的です。デメリットとしてはミノーとして避けられない、高価であること、瀬を攻めるには動きが大きすぎて使いづらいといったところでしょうか。他社のシンキングのミノーなら小刻みなアクションが可能で瀬も攻めることができるものもあるのですが、そういうものは淵を攻めにくいので一長一短だと思います。しかし、私は一番気に入っているミノーです。このルアーでニジマス、ヤマメ、イワナをはじめとして多くの渓流魚を釣ることができました。
ヒグマ対策をお忘れなく
最後に……北海道での渓流釣りには常にヒグマからのリスクが付きまといます。クマ避けの鈴や万が一に備え撃退スプレーを必ず携帯しましょう。
鈴部分の高さ:45mm
全長:120mm(使用時)150mm(消音時)
消音機能付き
・有効射程距離:9.0m
・容量:7.9oz
・不燃製ガス使用品
・EPA(米国の環境保護局)の熊スプレーとしての許可品
筆者紹介

初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017
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