東京湾タチウオテンヤ丸わかり!おすすめタックルや誘い方を解説
東京湾で流行りつつある関西発祥のタチウオテンヤ。積極的に誘ってアタリを掛け合わせることが魅力ですが、新しい釣りゆえに「挑戦しにくい」という方も多いでしょう。そこで今回は東京湾タチウオテンヤの基礎&極意を解説します!
2024/01/24 更新
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TSURI HACK編集部
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東京湾にもタチウオテンヤがやって来た!

こんにちは、編集部ノグチです!
先日、東京湾で流行りつつあるタチウオテンヤに初挑戦してきたのですが……
これが最高に面白くって、今までジギングや天秤仕掛けでタチウオ釣りを楽しんでいた私も、すっかりハマってしまいました!
でも、東京湾ではまだ新しい釣りゆえに、まだまだ未知な部分も多いと感じています。
そこで今回は、タチウオテンヤが大好きな編集部しみけんに“東京湾タチウオテンヤの基礎&極意”を聞いてみました。
これから東京湾でタチウオテンヤに挑戦しようという方は、ぜひ参考にしてみてください!
登場人物の紹介

編集部 ノグチ
普段はジギングや天秤仕掛けで東京湾タチウオを狙っている。
タチウオテンヤ初挑戦でその魅力にすっかりハマってしまう。

編集部 しみけん
関西出身の元釣具屋。さまざまなタチウオ釣りを嗜むが、とくにタチウオテンヤが大好物。
東京湾でもタチウオテンヤを楽しんでいる。
タチウオテンヤのタックル

タチウオテンヤには、大きく分けて2種類のタックルがあります。それぞれ詳しく解説します!
掛け調子の専用タックルが基本

近年主流となっているのが掛け調子の竿です。その名の通り、小さなアタリを取って掛けアワセられるのが特徴
ビギナーがまず揃えるなら、掛けるタックルがおすすめってことかね?
釣果の面でも楽しさの面でも掛けるタックルがおすすめです!
高価なものは必要ないのでタチウオテンヤ専用竿を用意したいですね。釣果が落ちるので流用はおすすめしません。下の画像が専用竿の穂先です

8:2や9:1の超先調子が特徴。この敏感な穂先でアタリを取れるのが専用竿のメリットです
8:2調子の1.8m程度の専用竿がおすすめです。9:1調子の竿は超小さなアタリを取れるメリットがありますが、その分使いこなすのが難しいので初めの1本にはおすすめしません

リールは電動リールがベストです。ダイワなら200番、シマノなら400 or 600番サイズが適します
電動リールが無ければ手巻きでもOKです。PE2号を200mほど巻ける両軸リールやジギングリールを代用できます
道糸はPE1.5号を200〜300mほど巻いてください。PEを噛まれてラインブレイクすることがあるので最低200mあると安心です。リーダーは8号を2ヒロ程度セットすればOK
たしかにラインブレイクは減りますが、アタリが激減するのでおすすめしません。東京湾はワイヤー禁止の船も多いので。ラインブレイクが気になる場合は、15号程度の先糸を結ぶのがおすすめです
乗せ調子のタックルもあるとベター

可能なら用意しておくのがベストです。特に活性が低い時などはアワセても掛からないことがあり、そんな時はアワセない“向こうアワセの釣り”が効果を発揮します
乗せ調子の専用竿に加えて、6:4や7:3調子のライトゲームロッド、タイラバロッド、ライトジギングロッドなどが使えます。下の画像は7:3調子のライトゲームロッドの曲がりです

曲がりシロが大きいのでアタリを弾かずに乗せられるってわけですね。乗せないとヒットしないって状況があるので、流用タックルでいいので用意しておくと良いと思います
リールとラインは掛けのタックルと同じでOKですよ!
テンヤ選び

ここからはテンヤ(仕掛け)選びの基本を解説します!
重さ選び

東京湾は50号を使うことが多いのですが……号数はその都度釣り船に確認するようにしたいですね
現におれたちが釣行した時も、浅場メインだったから30号が中心だったもんね!
浅いポイントで重いテンヤを使うと喰いが悪いですし、深いポイントで軽いテンヤを使うと底を取れないですからね。オマツリの原因にもなるので船に確認するようにしましょう!
カラー選び

タチウオテンヤってめっちゃカラー多いよね。買う時めっちゃ悩んだわ
たしかにカラーは多いですが……基本的には、“グロー(夜光)かそれ以外か”で考えればOKです
じゃあ、グロー1色・グロー以外1色だけでもいいの?
最低限それだけ持っていれば問題ありません。「色はまったく関係ない」とは言いませんが、「色が与える影響は大きくない」というのがタチウオテンヤの通説です!
テンヤじゃなくて、エサのイワシの方を見てるってことなのかな
ただ、理由はわかりませんが“グローか否か”で反応が大きく変わることがあります。グロー以外だと、紫とか赤、イワシカラーが人気です
タチウオテンヤのエサ

タチウオテンヤに使うエサは冷凍イワシです。釣りたいタチウオの数の2〜3倍程度のイワシを購入しておきましょう!
エサの付け方
エサを付ける時のコツは、頭部分を強く・重点的に巻くことです。イワシが歪むと喰いが悪くなるので、なるべく真っ直ぐになるようにしましょう!


エサ付けした写真を2枚並べましたが、上がオーソドックスな巻き方、下が喰わせ重視の巻き方です
オーソドックスな巻き方はワイヤーの間隔が密なのに対し、喰わせ重視の方は間隔が広くなっています
ワイヤーを密に巻くとエサがズレ難くなりますが、タチウオが喰った時に牙がワイヤーに当たる確率が高くなり、それが原因で追い食いしなくなることがあるんです
タチウオの牙は非常に鋭いんですが、実はかなり折れやすいんです。だから硬いものはなるべく噛みたくないんですね。特に活性が低い状況は牙がワイヤーに当たると追い喰いしなくなります
なるほど。エサ持ちと喰い込みのどちらを優先するか?ってことね!
エサをセットしたテンヤを準備しておく

地味なテクニックですが、釣果を伸ばすためにはエサをセットしたテンヤを準備しておくことが大切です!

アタリがあったり、タチウオを釣ったりすると、こんな感じでエサがグチャグチャになることが多いですよね?
たしかに!牙が鋭いからちょっと触られただけでもエサが壊れちゃうね
こうなった時に逐一エサを巻き直すと時間が掛かるので、あらかじめエサをセットしておき、スナップを開けてテンヤごと交換しちゃうんです!
注意!サンマは禁止です
エサに関してひとつ注意点があり、東京湾ではサンマを使えません
関西ではサンマの切り身を巻きつけるのが流行ってるんですが、残念ながら東京湾ではNGなんですよね
タチウオテンヤの誘い方

タチウオテンヤの誘いは、大きく分けると4種類!それぞれの動かし方を解説します
ワンピッチジャーク
ベースとなる誘いがワンピッチジャーク。竿1シャクリに対して、リールを1回転するアクションです
初めは“3回ジャークして3秒止める”を基本にして、ジャークの回数や止める長さをいろいろ試しましょう。止めてる時にアタリがありますよ
ワンピッチはもっとも速くて強いアクションです。なので、タチウオのタナを探る時や、高活性のタチウオを喰わせるのに有効ですね
ストップ&ゴー
ワンピッチジャークと同等のスピードながら、少しアピールを弱くしたのがストップ&ゴーです
シンプルに“巻いて止める”を繰り返すアクションです。巻く回数とスピード、止める長さをいろいろ試しましょう
ワンピッチよりもアピールが弱いので、ワンピッチで喰わなければストップ&ゴーを試せば良いと思います。アピールを抑えつつも、しっかりタナを探れるのがメリットですね
リフト&フォール
竿を大きく煽ってテンヤを持ち上げ、そこからテンヤをフォールさせる誘い方です
ラインテンションを抜くとアタリがわからないので、竿にテンヤの重みを乗せてテンションフォールさせるのが基本です
どちらでも良いです!リールを巻けばタナを変えられますし、巻かなければ同じタナを集中して狙えます
ワンピッチやストップ&ゴーよりもスローな誘い方なので、スピードを落としたいときに有効ですね。あとは単純にフォールに反応が良い時。探るというよりも、喰わせに特化した誘いというイメージです
微速巻き
タックルの項でも触れた“向こうアワセの釣り方”で活躍するのが微速巻きです
そうです!ダイワ200番の場合、8スピードを基準にすればOKです。アタリがあっても巻き続け、しっかり竿が入ってからアワセます
でも、掛けの釣りが機能しない時に抜群にハマることがあるんです!ちなみに、現在の掛ける釣りが確立されるまではタチウオテンヤは微速巻きがポピュラーな釣り方だったんですよ
タチウオテンヤのアタリ

アタリをバシバシ掛け合わせるのはタチウオテンヤの醍醐味です!代表的なアタリのパターン3種類を解説します
コツン
※糸を手で引っ張ってアタリを再現しています
まずひとつ目のアタリが、手元にコンッってきたり、穂先がコツンって一瞬だけ入ったりするような瞬間的なアタリです
期待度は30%ぐらいですね(笑)なので、そもそも“あまり掛からないアタリ”だと思った方が良いと思います
いや、掛かることもあるんで一応即アワセで対応するのがベターです。乗せる釣りをしている時はスルーでOKですけどね
むしろこのコツンは大チャンスだと思ってください!タチウオはひとつのエサに対する執着心が強いので、自分が一度襲ったエサを必ず見てます
ってことは「掛からんかったわ〜」って回収しない方が良いってこと?
それが一番もったいないです!コツンの後に本アタリが出るパターンはとても多いので、誘いをやめないことが大切です
食い上げ
※糸を手で引っ張ってアタリを再現しています
大本命とも言えるアタリが、タチウオがテンヤを咥えて食い上げるアタリですね!
これはよく掛かるアタリだね!食い上げを掛けるのが最高に面白いわ
タチウオが食い上げると穂先が戻ったり、ラインテンションが抜けたりするので即アワセですね。手元にアタリが伝わらないんで穂先の動きを注視することが大切です!
遊泳力が高い大型個体はテンヤを咥えたまま平気で5m以上食い上げて来ますからね。下手したらPEまで切られちゃいますよ
そこまで食い上げられると竿だけではアワセのストロークが不足するので、電動をフルスピードで巻き上げてアワセる必要があります!
食い下げ
※糸を手で引っ張ってアタリを再現しています
食い下げはタチウオがテンヤを咥えてバックしたり、牙がワイヤーに絡んで暴れたりしている状態ですね。これも良く掛かるアタリで、向こうアワセで勝手に掛かっていることも
手元にゴツンと来たり、穂先がグッと入り込んだりするので誰でも気付くと思います!
即アワセでOKです。硬い掛け調子の竿を使っていると、タチウオが違和感を感じてテンヤを離すこともあるのですぐにアワセるのがおすすめですね!
タチウオテンヤの注意点
タチウオテンヤを楽しむに当たり、いくつか注意点があるのでご紹介します!
船宿にテンヤがOKか確認
東京湾ではタチウオテンヤはまだまだ新しい釣りです。それゆえにテンヤ専門船が少なく、ジギングや天秤仕掛けと相乗りになる船が大半です。
船によってはトラブル回避の観点からテンヤが禁止されていることもあるので、予約段階で「テンヤは可能ですか?」と確認しておくようにしましょう。
その他の船ルールも確認
船ごとにルールがあることもあるので、こちらも予約段階で確認するようにしましょう。
代表的な例を上げると、テンヤの号数統一、ワイヤーリーダーの禁止、ダブルフックの禁止、といったルールがあります。
また、ジギングや天秤仕掛けと相乗りの場合はオマツリ防止のために釣り座を指定されることもあり、余計なトラブルを起こさないために船長の指示には従うようにしましょう。
絶対にハマるはず!

反応が良い誘いを見つけて、アタリを掛け合わせるのがたまらないですよね
食い上げのアタリを掛けて、竿に重みが乗った瞬間は快感すぎる(笑)なんで今まで東京湾にはなかったのよ?って思っちゃった
特に大阪湾では“船釣り=タチウオテンヤ”ってぐらい人気の釣りなんでね。それが東京湾でも楽しめるようになったのは良いですね!
今までジギング・天秤仕掛けでタチウオ釣りをしていた方にも、ぜひテンヤに挑戦してもらいたいね!
撮影:TSURI HACK編集部
しみけんおすすめの入門タックル
ダイワ テンヤタチウオX 200・R
全長:200cm
仕舞寸法:105cm
自重:135g
適合テンヤ:30-60号
実売1万円前半ながら、タチウオテンヤに適した8:2調子を実現しているハイコスパな専用竿です。柔らかいグラス製穂先を搭載しているので目感度も良好!
ダイワ レオブリッツ 200J
自重:460g
糸巻き量:PE2-300m
タチウオテンヤにはベストサイズの電動リールです。リール中央に設けられたJOGレバーで巻き上げができるので操作性も抜群!マダイや小型青物にも対応できるパワーと糸巻き量を備えており、近海で幅広く使える汎用性も魅力です
ウッドマン シーキングバッテリー 12V/8A
付属品:バッテリー本体/充電器
船電源は安定しないので、極力マイバッテリーを使いましょう。性能面ではリチウムバッテリーが優れますが、リチウムは高価なのでまずはこちらの鉛バッテリーがおすすめです
ハヤブサ 船太刀魚テンヤ 速掛型
ラインナップ:30/40/50号
即アワセに特化した掛かりの速さが特徴のテンヤです。フッ素加工が施されたフックは貫通力が抜群。エサをセットした状態で姿勢が水平になるため、泳ぎが綺麗なことも強みです
ヤマシタ 猛追太刀魚テンヤ船 鰯タイプ
ラインナップ:30/40/50号
先ほどのテンヤとは対照的に、食い渋った時に威力を発揮するタイプのテンヤです。シルエットを小さくするためにイワシは頭を切った状態でセットします。即アワセせず、しっかり喰わせて穂先が入ってからアワセるのがおすすめです
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