[sotoshiru/ソトシル] 釣りのセール品を毎日お知らせ! 国内最大級のアウトドア情報アプリ 無料ダウンロード
ツインパワーとストラディック

スペックから見た19ストラディックと20ツインパワーの“違い”をリールマニアが解説

目次

ツインパワーとストラディックを比較!

ツインパワーとストラディックの画像

出典:シマノ

あまりのコストパフォーマンスに多くのアングラーがざわついたストラディックのモデルチェンジ。

その半年後には5年越しのモデルチェンジとなる20ツインパワーが登場しました。

19ストラディックと20ツインパワーには倍近い価格差があるにも関わらず……

どちらもロングストロークスプールやマイクロモジュールギア2、Xプロテクトなどを搭載しており、「スペックがほぼ同じ!?」と驚いた方も多いのではないのでしょうか。

今回は、そんな2台の違いを詳しく解説していきます!

ローターの違い

ローターの画像

出典:シマノ

ストラディックのローターに使用されている素材は高強度樹脂というものです。

これはCI4+(19ヴァンキッシュなどが搭載)よりも重くたわみやすいものの、コストが抑えられる点がメリットとして挙げられ、過去には15ツインパワーなどに採用された実績があります。

一方の20ツインパワーは金属製ローター(1000/C2000のみマグネシウム、2500以上はアルミ)を採用。

汎用リールで金属素材のローターを採用しているのはステラとツインパワーのみで、樹脂素材よりも負荷が掛かった時の変形が少ないため、巻き上げ力とドラグ性能、感度において大きなアドバンテージがあります。

ボディの違い

ボディの画像

出典:シマノ

20ツインパワーのベースは19ヴァンキッシュであり、全体のパーツ形状や構造を大まかに見るとストラディックもヴァンキッシュの構造が踏襲されています。

どちらもハイブリッドボディで、ロッドに装着するリールフット側がアルミ、ギアボックス側は非金属素材を採用しました。

そして、このギアボックス側の非金属素材に違いがあり、ストラディックは高強度樹脂、ツインパワーはCI4+を採用しています。

CI4+は高強度樹脂よりも軽くて強いため、ツインパワーはボディ剛性を上げた上に軽量化も実現されました。

なお、ツインパワーがヴァンキッシュと同構造のボディを採用している理由として、スペックを上げながらもコストダウンするためなのではないかと考えられます。(ヴァンキッシュのボディ素材はマグネシウム)

ラインローラーの違い

ツインパワーの画像

撮影:TSURI HACK編集部

ラインローラーとは、ラインを巻く際にヨレを取って綺麗にスプールに巻き取り、ドラグ作動時にはスムーズにラインを送り出すためのパーツです。

どちらも1ボールベアリング仕様で回転性能に大きな差はないのですが、内部構造が少し異なります。

ツインパワーがベアリング一体型のラインローラーなのに対し、ストラディックはそれぞれのパーツが独立したオーソドックスな構造です。

ストラディックのようにパーツが独立しているラインローラーであれば、パーツ交換をする際にそれぞれのパーツを単体で注文できるため、分解の難易度は上がるものの費用は安価に済みます。

一方、ツインパワーに採用されている一体型のラインローラーは交換が非常に容易で、誰でも素早く交換できることがメリットです。

ドラグの違い

ストラディックの画像

撮影:TSURI HACK編集部

ドラグに関しては、リジットサポートドラグの有無が違いとして挙げられます。

リジットサポートドラグとは、スプール内とスプールを支えるドラグユニット部にそれぞれベアリングが搭載される構造です。

ドラグが作動した際に2つのベアリングのおかげでスプールが滑らかに回転するため、ドラグ性能で言えば圧倒的にツインパワーが上だということになります。

ハンドルノブの違い

ストラディックの画像

撮影:TSURI HACK編集部

今回比較している2機種、ベアリング数はストラディックが6個なのに対して、ツインパワーは9個搭載されています。

そのうち2個は前述のドラグ部分でしたが、残る1個はハンドルノブ部分です。

ストラディックのハンドルノブは1ボールベアリング仕様ですが、ツインパワーはノブを挟み込む形で2個搭載されています。リールを回した時により滑らかに回転するので、巻き心地の向上に大きく寄与しています。

2倍の価格差をどう考えるか?

ツインパワーとストラディックの画像

撮影:TSURI HACK編集部

20ツインパワーが発売された現在でも、ストラディックほどコストパフォーマンスに優れているリールはそうそうありません。

最新のスペックを搭載しつつ実釣に影響が出ない範囲でコストを削ったコストパフォーマンスは他の追随を許しません。

一方、20ツインパワーもステラと同等のローターや、ヴァンキッシュと同構造のボディを採用するなど、よりハインドに迫った完成度を誇ります。

倍近い価格差を考慮した時に、どちらを選択するかは悩ましい限りです。

シマノ 19 ストラディック 2500SHG

自重:220g
ギヤ比:6.0
ベアリング数(本体):6ベアリング数(ローラー部):1
実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg):2.5/4.0
糸巻量:ナイロン 5lb-110m
PE 0.6号-200m、0.8号-150m、1.0号-120m
巻上長(ハンドル1回転あたりの長さ):89cm
ハンドル長さ:55mm

シマノ 20ツインパワー 2500SHG

自重:210g
ギヤ比:6.0
ベアリング数(本体):9ベアリング数(ローラー部):1
実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg):2.5/4.0
糸巻量:ナイロン 5lb-110m、6lb-95m、8lb-70m
PE 0.6号-200m、0.8号-150m、1号-120m
巻上長(ハンドル1回転あたりの長さ):89cm
ハンドル長さ:55mm

筆者について

佐藤稜真

某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。

中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。

関連記事