スペックから見た18ステラと20ツインパワーの“違い”をリールマニアが解説

2020/08/28 更新

表面的なカタログスペックを見ると、大差がないように思われる18ステラと20ツインパワー。しかし、本当に差はないのでしょうか?スペックを深掘りして2機種の違いを解説します。


アイキャッチ画像出典:シマノ

ステラとツインパワーを比較!

出典:シマノ
1992年から続く、スピニングリールのフラッグシップであるステラ。それに対し、1987年に登場し、歴史の長さではステラを上回るツインパワー。

2020年にモデルチェンジしたツインパワーは、ステラのアイデンティティでもあった金属ローターやロングストロークスプールを搭載し、歴代で最もステラに近いスペックとなりました。

しかし、価格に着目すると約3万5千円もの差が見られます。

そこで今回は、ステラとツインパワーのスペックの違いをリールマニアが解説します。

ボディの違い

出典:シマノ
ツインパワーはヴァンキッシュのボディと共通設計で、リールフット側はアルミですがギアボックス側はCI4+(樹脂)を用いています。

それに対し、ステラはボディ関連のパーツには全て金属を使用しており、その素材はマグネシウムです。

ステラは全面的に金属素材を採用したことにより、高負荷時のボディたわみの少なさや感度の高さでツインパワーを上回ります。

自重においても、ツインパワーがCI4+を用いて大幅な軽量化を果たしたものの、ステラの方がやや軽量です。(C3000比で5g)

デザイン面にも注目すると、ツインパワーはネジが2箇所露出しているのに対し、ステラは1箇所だけしか露出しておらず、ボディの美しさが際立って見えます。

しかし、ステラのボディは完全専用設計なので、高額になる大きな理由だと想像できます。

ギアの違い

出典:シマノ
両者とも超々ジュラルミン素材のマイクロモジュールギア2を搭載しており、基本的なギアの仕様は同じです。しかし、大きな違いが1点あります。

それがギアの表面処理。ステラのギアには特殊表面処理(いわゆるバリアギア)が施されており、ギアの耐久性に優れます。

現在、スピニングリールではステラのみがバリアギアを搭載しており、唯一無二の仕様です。ドライブギア単体で比較すると、ツインパワーのギアよりも1.4倍ほど高額になっています。

ウォームシャフト部分の違い

出典:シマノ
ウォームシャフトとは、スプールのオシレート(上下運動)に必要不可欠なパーツです。回転するウォームシャフトを、ステラはベアリングで支えていますが、ツインパワーはベアリングが搭載されおらずブッシュで支持しています。

また、ウォームシャフトギア(ピニオンギアから中間ギアを介してウォームシャフトに力を伝えるパーツ)を支える部分も、ステラはベアリングですがツインパワーはブッシュです。

この辺りの駆動系の回転性能の差が、巻き心地や巻き上げ力、巻き感度に大きな差を与えていると思います。


ローター周りの違い

出典:シマノ
ローター自体の素材は共通で、小型番手にはマグネシウム、大型番手にはアルミが採用されています。ローター周りで異なるのは、ベールとラインローラーです。

ベールの素材は、ステラがチタンでツインパワーはステンレス。ベールを返した時の質感、僅かながらに強度と自重に差が出ます。

ラインローラーはツインパワーがメッキなのに対し、ステラにはDLCという表面処理が施されているのです。DLCとはダイヤモンドライクカーボンの略で、ラインとラインローラ間の摩擦が小さくなり、ラインに対する負担が少なくなります。

ローターナット部分の違い

撮影:TSURI HACK 編集部
ローターナットとはローターとピニオンギアを固定するためのパーツで、メインシャフトに直接触れているため、ローターの回転とスプールのオシレートに大きな影響を与えるパーツです。

この部分に、ステラはベアリングが入っていますがツインパワーはカラーなので、ステラの方が回転効率が優れています。

ウォームシャフト部と同様に、巻きの滑らかさや質感に大きな影響を与えるのがこのローターナット部分のベアリングの有無です。

スプールの違い

撮影:TSURI HACK 編集部
キャスト時にラインが触れるスプールリング部分の素材が異なり、ステラはチタン、ツインパワーはステンレスが採用されています。

また、ドラグノブの素材は、ステラは金属ですがツインパワーは無塗装の樹脂で、見た目の高級感が大きく異なります。

ただし、もっとも大切なスプールを支持する構造は共通しており、2つのベアリングでスプールを支えるリジットサポートドラグタイプです。

どっちもイイネ!

撮影:TSURI HACK 編集部
表面的なスペックだけを見れば差がないように感じますが、深掘りしてみれば両者には明確な違いがあることがわかります。

改めて、ステラはシンプルに絶対的な性能を求めた「性能至上主義」のリールであり、ツインパワーはコストダウンを図りながらも可能な限り実釣面での性能低下を抑えた「ハイコスパ」なリールだといえるでしょう。

絶対的な性能とコスパのどちらを取るかは、あなた次第です!

筆者について

佐藤稜真

某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。

中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。

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ステラ&ツインパワー
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佐藤 稜真
佐藤 稜真

某リールチューンメーカー在籍時、年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つリールマニア。TSURIHACK TVへの出演、個人チャンネル「リールマニア/ Reel Mania」で活動中。

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