シラサエビとは?
シラサエビとは、主に淡水性のスジエビのことを指します。つまり、スジエビの釣りエサとしての呼称というわけです。
産地となる琵琶湖が近い関西圏では、低価格で安定供給が可能なため、古くから釣りエサとして使われてきました。
アミエビやオキアミと異なって生きたまま使用することが多く、ナチュラルな動きで魚へアピールできるので喰いは抜群。非常に優秀なエサです。
さまざまな釣り方に対応し、いろんな魚種が釣れる万能エサですが、水温の上昇やストレスに弱いといったデリケートな一面もあります。
適した釣り方(仕掛け)と対象魚種
関西ではシラサエビをマキエとサシエに用いたエビ撒き釣りが盛んで、主にハネ(スズキ)やクロダイ、メバルがターゲットです。
エビ撒き釣り以外にも、ウキ釣りや穴釣り、ヘチ釣り、胴突仕掛けなどで使われ、上記の魚に加えてガシラやカワハギなどの様々な魚種が狙えます。
これらの堤防釣りに加えて、船からのメバル釣りや海上釣堀でのシマアジ・マダイ狙いにも重用されています。
価格と購入方法
30〜40匹程度のシラサエビが入ったカップ1杯分が、300〜800円程度で販売されています。(関西の場合)
刺しエサとして使用する場合は1杯でも十分な量ですが、エビ撒き釣りの場合は4〜5杯ほど必要です。
購入する際は、生かしておくためのエビブクが必須ですが、弱りやすい状態でもよければカップや袋に入れて販売してくれます。
関西の釣具店では取り扱いが多いのですが、販売していないところや在庫切れの場合もあるので事前に確認しておくのが安心でしょう。
ブツエビとの違い
釣具店によってはブツエビという活きエビが売られていることもありますが、シラサエビとは別種です。ブツエビはミナミヌマエビという種類のエビで、主に外国産のものが主流。
シラサエビは横方向に泳ぐ性質があるのに対して、ブツエビは下方向に潜る性質があり、底にマキエが効きやすいので根魚などには特に効果があります。
ブツエビの方がやや高価ですが、基本的にはシラサエビと全く同じように使えます。
シラサエビを使うのに必要なもの
シラサエビを活かした状態で使うには専用のアイテムが必要です。
これらを用意すれば誰でも簡単にシラサエビを使えるようになりますよ!
エビブク(クーラーボックス)
エビブクはエビを活かして運ぶための必須アイテムです。
シラサエビは水温の上昇に弱いため、冬場以外は保冷力を備えたものを用意する必要があります。
クーラーボックスでも代用ができますが、安価なエビ専用クーラー を買うのがおすすめです。
エアーポンプ
エアーポンプ を使用してエビに酸素を供給し、弱るのを防ぎます。酸欠になるとすぐに死ぬのでエアポンプも必須アイテムです。
乾電池式で防水性能を備えているものが適しており、電池が切れた時に備えて予備の電池も必ず用意しましょう。
ネット
エビブク内のエビをすくうためのネット です。シラサエビは逃げ回るので捕まえにくく、あるととても便利。
エビブクに直接手を入れると体温で水温が上昇するため、できるだけネットを使用してエビをすくいましょう。
エビ撒きシャク
エビ撒き釣りをする際に使用する、エビを撒くための専用シャクです。カップに穴が開けられていて水が切れるものを選びましょう。
長くてよくしなるシャク ほどエビがよく飛びます
エサ撒きボール
エビ撒き釣りで、深いタナに効率よくマキエを効かせるためのアイテムです。
シャクを使った上撒きだけではマキエが効きにくい深場を狙う際は必須。3号以上のオモリを引っ掛けて使います。
シラサエビの刺し方
シラサエビの鈎への刺し方は主に3通りあります。
刺し方による違いを確認しておきましょう。
チョン掛け
基本となる刺し方で、尻尾近くの胴体(尻尾から数えて1個目の関節あたり)に刺します。
尻尾近くに刺すことでエビへのダメージが少なく、エサ付けしやすいこともメリットです。
鈎を真ん中(上から見た時に)に刺すようにすると、鈎抜けが少なくなります。
エビが回転しないように尾羽を切ることもありますが、弱りやすいことが弱点。エビ撒き釣りの場合は尾羽を残すことが多く、船のメバル釣りは切るのが主流です。
頬掛け
エビの外殻の内側から外側に向けて鈎を刺す方法です。
殻にしか鈎を掛けないため、最もダメージが少なくてエビがよく動いてくれます。
ただし、鈎外れが多いので仕掛けの投入などは丁寧に行いましょう。
鼻掛け
目と目の間(額角の付け根部分)に鈎を刺すのが鼻掛けです。
エビが自然な体勢で泳ぐため、喰いが良いと言われます。
目と目の間部分から鈎を刺しますが、脳の部分を傷つけないように注意しましょう。
シラサエビを弱らせないコツ
シラサエビは元気な状態で使用することで威力を発揮します。
弱ると一気に反応が悪くなるので、できるだけ弱らせないように工夫しましょう。
たくさん入れすぎない
エビが過密な状態になるとストレスが掛かって弱ったり、圧死したりしてしまいます。
多くのエビを使用する場合は、できるだけ大きなクーラーに入れておきましょう。
エアーポンプもハイパワーなものを選んでおくと酸欠を避けられます。
保冷剤を活用する
シラサエビは水温の上昇に弱いため、冬季以外は保冷剤を活用してエビブク内の水温を下げましょう。
保冷剤がなければ500mlのペットボトルを凍らせたものでも代用可能です。夏場は十分に注意してください。
細軸の鈎を使う
細軸の鈎を使えば刺した時のダメージを抑えられます。
鈎の重さも軽いのでエビがよく泳いでくれるため、喰いが良くなります。シラサエビを使う時は活エビ専用鈎 がおすすめです。
関西圏以外は自分で採取しよう
琵琶湖産エビが安定供給される関西圏は安価ですが、それ以外の地域では販売されていなかったり、非常に高価だったりします。
それゆえに、シラサエビが手に入らない場合は河川などで採集するのがおすすめです。河岸の水草などを魚とり網で掻いてみると、かなり簡単にたくさん獲れます。
基本的に関西以外はシラサエビを使う文化があまりないので、採集してエビ撒き釣りをすれば爆釣になるかもしれませんよ!
やっぱり最強だわ!
シラサエビはさまざまな魚に効果抜群の万能エサ。
ボウズ逃れにはうってつけのエサですので、とりあえず何か魚を釣ってみたい方にはすごくおすすめです。
取り扱いには専用のアイテムが必要ですが、とにかく良く釣れるのでぜひ使ってみてくださいね!
▼やや高額ですが通販でも売られています
筆者の紹介
tsuki
関西出身の元釣具屋。釣具店時代の知識を活かして皆様の役に立つ情報を発信していきます♪
釣りはいろんなジャンルをしていますが、その中でも好きな釣りはタナゴ釣り。