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【イワナの種類】これを読めばもう迷わない!イワナ4亜種の見分け方や生態を詳しく紹介!(3ページ目)

どのイワナにも特徴が該当しない “ニッコウイワナ”(Salvelinus leucomaenis pluvius

白い斑点と黄や橙(だいだい)色の斑点があればニッコウイワナ

ニッコウイワナ

ニッコウイワナは「白い斑点に加えて、矢印で示した黄や橙色の斑点がある」のが特徴」です。

また、白い斑点はエゾイワナに比べて小さい傾向にあります。

生息域は、太平洋側では山梨県富士川、日本海側では鳥取県日野川以北の本州各地と考えられていますが、古くからさまざまな河川に人為的に放流されているため、正確な生息域は未だに明らかとなっていません。

一部のニッコウイワナは降海・降湖します

ルアーで釣った ニッコウイワナ

ニッコウイワナは、アメマスと同様に一部の地域で海や湖へ降りることが知られています。

川を下り始めると、この魚のようにに各ヒレが透き通った色に変化し、体色もシルバーになります。

この状態を銀毛(ぎんけ・スモルト化)と呼びます。

降海型のニッコウイワナ

降海型 ニッコウイワナ

新潟県や山形県の一部の河川では、降海型のニッコウイワナを狙って釣ることができます。

降海型のニッコウイワナはアメマスのように研究が進んでいない為に、産卵回数や年齢と大きさの関係など未だに分からないことが多い魚です。

降海型のニッコウイワナ追いかけた僕の感想ですが、遡上は5月中旬ごろから始まり、ニッコウイワナ特有の黄や橙色の斑点は消えてしまっています。

一見、アメマスのようにも思えますが、1~2歳魚のアメマスが同じ川に生息していないこと、斑点が小さいこと、アメマスの生息域外であることなどから、この水系で釣れる降海型のイワナは、ニッコウイワナと判断しています。

ニッコウイワナには黄や橙色の斑点が少ない個体もいる

ニッコウイワナ

イワナを見慣れていないと一見エゾイワナかと思ってしまいますが、良くみると橙色の斑点が所々に見られます。

この場合、エゾイワナは白色単色という特徴があるため、エゾイワナの線は却下されニッコウイワナと判断するわけです。

ニッコウイワナには白い斑点が少ない個体もいる

ニッコウイワナ

こちらは一見ヤマトイワナのような雰囲気を持っていますが、ほんの少し白色の斑点が確認できます。

ヤマトイワナは白色の斑点を持ちませんので、ニッコウイワナと判断しましょう。

ニッコウイワナは人為的放流により日本各地に広がってしまっていますので、どの河川でもニッコウイワナを疑いましょう

このニッコウイワナの放流活動が、種を見分ける上でとても厄介なんですね……。

ちなみに、この魚はニッコウイワナとヤマトイワナの交雑個体と考えられます。

多くのイワナ釣り師は、このような個体をニッコウイワナや交雑個体として扱っています。

番外編・オショロコマ(Salvelinus malma malma)はイワナとは別種です

オショロコマ

日本在来のイワナの仲間にはもう一種類「オショロコマSalvelinus malma malmaと言う魚がいます。

日本では北海道にのみ生息し、一部のオショロコマは降海します。

エゾイワナ(アメマス)との見分け方は、白い点のみのアメマスに対し、オショロコマは「パーマークと朱点(赤い点)があること」から見分けることができます。

また、北海道の然別湖にのみ生息するミヤベイワナ(Salvelinus malma miyabeiは、約1万5千万年前にオショロコマが陸封され独自の進化を遂げました。

ミヤベイワナは“イワナ”と名前がついていますが、学名を見ての通り、オショロコマの亜種であります。

イワナの見分け方が難しいワケ

ニッコウイワナ

本来、自然の力では隣の川へ移動することが困難であったため、イワナは何十万年という月日をかけて、川ごとに独自の違いを生み出してきました。

しかし、近代になり漁協や漁(猟)師、釣り師など様々な人間が積極的にニッコウイワナを全国各地に放流するようになり、各地で交雑が起きています。

ひとたび、ヤマトイワナの生息地にニッコウイワナを放流してしまうと白い斑点を持つニッコウイワナの川に徐々に置き換わってしまうのです。

イワナ 釣り

現在では写真のような完全に白い斑点を持たない純粋なヤマトイワナは、人目につかないごく限られた源流域にしか残っていないのです。

このままでは、恐らく近い将来、イワナに亜種という考え方はなくなってしまうかもしれません。

ヤマトイワナを探して釣り歩いていると「沢山釣りたい、もっと食べたい、もっと儲けたい。」という考えだけで無暗に魚を放流することの惨さを感じます。

イワナは奥が深すぎて出られない(笑)

イワナ 4種

最後はかなり主観的な文章となってしまいましたね。失礼いたしました。

イワナの世界は色んな方向性があってどの道も奥が深いのです。今の僕は“ヤマトイワナに興味がある”ということです。

これからはぜひ、イワナ4亜種を見分けてイワナ釣りを楽しんでみてください!

 

撮影・文:山根央之

筆者紹介

イワナ 源流 釣り

山根 kimi ヒロユキ

“初めての1匹”を求めて、世界中どこへでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。海外釣行のガイドとしても腕を振るう。

釣りに留まらず、ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。

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