ビワマスってどんな魚?
琵琶湖にしか生息しないマス
琵琶湖はその場所にしか生息しない生き物(固有種)が多い湖として知られています。
ビワマスは琵琶湖固有種の一つで、10万年前にアマゴ(サツキマス)から分化したと考えられています。
サツキマスのような朱点はありません
こちらは琵琶湖で釣ったサツキマスです。
ビワマスの成魚にはこのような朱点はありません。
ビワマスの生活史
アマゴ(サツキマス)やヤマメ(サクラマス)に近い種類のビワマスですが、彼らのように生まれた川に留まることは殆どありません。
3月にふ化した稚魚は、7cm前後まで生まれた川で成長。6月ごろ湖へ下っていきます。
4年以上かけ琵琶湖で50cmから70cmにまで成長したビワマスは、10月から11月にかけて川を産卵のため川を遡上した後、その一生を終えます。
最大で70cm以上に成長します
毎年11月になると琵琶湖に流れ込む河川では精一杯生きたビワマスの姿を見ることができます。
白銀の美しい魚
とても美味しい魚であることから、琵琶湖では昔から貴重な水産資源として利用されています。
刺し網や引き縄釣りで漁獲されていますが、流通量がとても少ないためなかなかお目にかかれない食材です。
サケマス類に詳しい方々から最も美味しいマスとも言われるビワマス。何故、そんなにおいしいのでしょうか?
ビワマスが美味しい理由
アナンデールヨコエビが主食
これまた琵琶湖固有種です。ビワマスはヨコエビとコアユを主食としていると言われています。
ビワマスの胃内容物
ヨコエビと言えば石や落ち葉の裏に生息するのが一般的。しかし、アナンデールヨコエビは琵琶湖の深い場所で浮遊する、極めて珍しい生態を持っています。
そのため、ビワマスにとって食べやすいエサなのでしょう。
ビワマスは、アスタキサンチンを豊富に含んだアナンデールヨコエビを食べることで、発色のいい、素晴らしい身質へと育ちます。
程よく乗った脂は、口にした途端にほのかな甘みになって溶けていく。そんな上品な味わいです。
サケマス類で一番旨い(主観)
あくまで僕の主観的な意見ですが、ベニザケと並んでビワマスがサケマスの中では際立って美味しいと思っています。
焼いて良し。揚げて良し。
良くも悪くもさっぱりとしていますので人によっては水っぽさを感じるかもしれません。
そんな方には燻製がオススメですよ!
ビワマスを釣る【予備知識】
必ず滋賀県のホームページを確認しましょう
ビワマスを釣るためには必ず承認取得の義務があります。(詳しくはこちらからご確認ください)※滋賀県琵琶湖海区漁業調整委員会の指示より
カヤックやゴムボート等のマイボートでも承認が必要になりますのでご注意ください。
禁漁期
産卵期である10月11月はいかなる場所、釣り方でもビワマスを捕獲することが禁じられます。
2020年の釣行可能期間はレンタルボートおよびマイボート使用の場合は6月30日までとなっております。
遊漁船業者(ガイド船)は9月30日まで釣行可能です。
※2020年12月1日以降は未確定。
ガイド船なら面倒な申請は不要です
琵琶湖ではビワマスを手軽に楽しく釣らせてくれるガイド船が多数存在します。
後述する専門性の高いレイクトローリングタックルも無料レンタルできる船が殆どです。
まずは、ガイド船に乗ってみることがオススメですよ!
ビワマスを釣る【道具・釣り方】
レイクトローリングで狙います
ビワマスは琵琶湖の北湖に広く生息しています。
広大なフィールドを効率よく探るためにトローリングで狙います。
個人で出船してもガイド船を利用しても釣り方は同じです。
深度20m付近が狙い目
水深50から90mのポイントでよく釣れるビワマスですが、湖底ではなく中層でヒットすることが多い魚です。
琵琶湖では時期にもよりますが、深さ20m付近に水温の変わり目となる躍層が形成されます。
この水温躍層こそが、ビワマスを狙う上で重要なキーワードになります。
レッドコアライン
20mもルアーを沈めるためにレッドコアラインと呼ばれる鉛の芯が入ったレイクトローリング専用ラインを使用します。
下巻きにPE2号を50mほど入れてからレッドコアを100ヤード巻きましょう。
実釣の際はレッドコアを全て出し切り、時速4km前後で引くことでルアーを20mほど沈めることができます。
糸巻量の大きいリールを使いましょう
ABU7000クラスを使用している方も多いかと思いますが僕は電動リールを使っています。
移動やルアーチェンジなど頻繁に糸を巻くことになるので電動リールの方が手返しが早く釣果に繋がります。
シマノ 17 プレイズ 800
自重:615g
最大ドラグ力:10.0kg
巻取り長さ:70cm
フロロ糸巻量(lb-m):4-300/5-230/6-180
PE糸巻量(号-m):3-300/4-250
レッドコア専用ロッドがオススメです
ビワマスは非常にバレやすい魚であるため胴調子の竿が適しています。
ヒットしたらゆっくり一定スピードで手巻きしましょう。
流通量は少ないですが専用ロッドも出ています。
ダウンリガーシステム
3lbから10lb(1.5~4.5kg)のウェイトを使って強制的にルアーを沈めます。
この場合、メインラインはPE2号が70m程巻ければ充分なのでタックルに専門性はいりませんが、ウェイトを引っ張る装置(ダウンリガー)が必要になります。
洗濯ばさみのようなクリップを使うことでビワマスがヒットするとウェイトからメインラインが外れる仕掛けになっています。
集魚版(ドジャー)は必要不可欠です
広大な琵琶湖で自由に泳ぐビワマスにルアーだけのアピール力では足りません。
ドジャーと呼ばれる集魚版をルアーの前方につけましょう。
専用シェルスプーンがオススメ
金属素材を使用しないレイクトローリング専用のシェルスプーンは必ず持っておきましょう。
金属製のスプーンにアワビなどを張り付けたタイプも効果的です。
まとめ
必要な釣具
- 1.レッドコアライン
- 2.ダウンリガー
- 3.ウエイト
- 4.ドジャー
- 5.シェルスプーン
お金もかかるし敷居の高い釣りといっても過言ではないトローリング。それでも広大な琵琶湖でのんびりと船を走らせながら過ごす時間は至福のひと時です。
取り合えずビワマスを釣ってみたい方はガイド船へどうぞ。シーズン通してじっくりビワマスと向き合いたい方は上記の道具を揃え、承認を取得して楽しんでみてはいかがでしょうか?
ライタープロフィール
山根 kimi ヒロユキ
“初めての1匹”を求めて、世界中どこへでも行く怪魚ハンター「山根ブラザーズ」の兄。釣りに留まらず、ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017