3月は一年で最も海水温が低い時季
海は陸より約2~4週間遅れて暖まる
カレンダー上では3月となり、僕たち人間が住む陸上では気温が上昇傾向に転じ、春を感じる日が増えてきています。
ところが、海の中はまだまだ極寒期。空気よりも暖まりにくく冷めにくい性質を持つ水は、温度が上昇し始めるのに2週間から1ヶ月ほど時間差が生じます。
寒いなりに魚達も春の訪れを感じている
3月の海は陸上と比べて温度の上昇こそ鈍いですが、日照時間は陸と同じく日に日に長くなっていきます。
魚たちが季節を感じるのは温度だけではなく、光や水質の変化も敏感に感じ取っています。
そのため繁殖行動に向けて、水温が充分に上昇する前から活動を開始する魚種がいるのも3月の特徴です。
3月(とくに初旬)は、冬に釣れる魚が狙い目
とはいえ、3月は冷水でも餌を食べる魚や一年を通して堤防や港から移動しない魚を狙った方が釣果が出やすくなります。
あくまでも3月。とくに初旬の岸釣りは“冬の釣り”と心構えしながら、釣りに出かける地域の海の季節感を最新の釣果情報を見ながら把握するようにしましょう。
それでは、冬に産卵を終えて3月に食い気があがる魚種から紹介していきますね。
メバル|産卵(産仔)が終わり活性UP!
小型のメバルは高活性
15cm程度までのメバルは、漁港の常夜灯周りなどで数釣りが楽しめます。
このサイズのメバルは、ワームとジグヘッドを使って手軽に釣ることができるのでルアー釣りをこれから始めてみたい方にオススメですよ!
▼メバリング入門者向けの記事はコチラ!
良型メバルの釣果も上向く
20cmを超えるような良型のメバルは、1月から3月にかけての繁殖期に一旦食いが落ちると言われています。
早い地域では3月に入ると産仔を終えたメバルが釣れ始めるので、メバリングのベストシーズン到来といえます。
一般的に11~12月に交尾が行われ、1~2月に産仔すると考えられています。冬にお腹の大きなメバルやカサゴが釣れたら優しくリリースしてあげたいですね。
▼プロが伝授!良型メバルの狙い方
シーバス|3月になるとバチ抜けパターン本格化
3月はシーバス釣りを始めやすい
12月から1月にかけて産卵をおこなったスズキが、早い地域では2月ごろから湾内や河川へ戻ってきます。
また、2月から5月にかけて河口域や港湾部でゴカイの仲間が一斉産卵を起こす『バチ抜け』という現象が起き、産卵後で体力の落ちたシーバスにとって格好の餌となります。
秋の荒食いと晩冬から初春にかけてのバチ抜けは、釣果が出やすいためシーバス釣りを始めるタイミングとしてはうってつけですよ!
▼バチ抜けの基本は動画でチェック!
バチ抜けパターンは体験する価値アリ
バチ抜けは毎日起こる現象ではありませんが、バチ抜けに遭遇できればサイズ数共に良い釣りが期待できます。
シーバス釣りに興味がある方は、ぜひこの3月のバチ抜けパターンから初めてみてはいかがでしょうか。
▼バチ抜けシーバスの基本情報はコチラの記事でご紹介!
投げ釣り|3月はカレイとアナゴが狙い目
水温が低い間はカレイが好ターゲット
繁殖期のため1月から2月にかけて釣果の落ちていたカレイですが、3月になると活性が上がり釣果が上向きます。
カレイの仲間は冷水を好む魚のため、岸から釣るチャンスは4月ごろまでといわれています。
夜釣りではアナゴ釣りが面白い
カレイ釣りよりも手軽に、そして手堅く釣りたい方にはアナゴ釣りがオススメです。
アナゴは夜行性のため夜釣りになりますが、カレイ釣りのような遠投は不要で、砂泥質の海底であれば都市部の港湾でも狙って釣ることのできる身近なターゲットです。
▼アナゴの釣り方や簡単な捌き方はコチラの記事でご紹介!
サビキ釣り|3月はイワシ類が狙い目
3月のサビキ釣りはイワシ類がターゲット
サビキ釣りの定番魚であるマアジが堤防のサビキ釣りで釣れるようになるのは、早くても5月ごろから。
3月は、比較的水温が低くても活動するカタクチイワシやマイワシがおもなターゲットになります。
釣果にムラがあるので要注意!
イワシ類の群れが港内に来遊している状況であれば、初心者の方でも数釣りを楽しめます。
一方でイワシの仲間は回遊性が高く、昨日まで爆釣していたのに今日はゼロ。なんてことも珍しくないので、サビキ釣り+αの準備をしておくと良いでしょう。
▼5分でわかるサビキ釣り基本Howto
カサゴ|3月の堤防釣りでもボウズ逃れの救世主
3月もカサゴは釣れますよ
毎月ご紹介していますが……堤防釣りの超定番魚と言えば『カサゴ』です。
イワシと対照的に一年を通して大きく動き回らないカサゴは、堤防から一年中釣ることのできるありがたいターゲットです。
ブラクリ仕掛けが無ければ、サビキに餌をつけてみよう
カサゴを専門に狙う場合は、サンマの切り身やアオイソメをつけたブラクリ仕掛けの穴釣りがオススメです。
もしサビキ仕掛けしか持ってきていない……なんて状況なら、サビキ針にアオイソメやオキアミといった餌をつけて岸壁沿いの海底を狙ってみても良いでしょう。
▼サビキ仕掛けにアオイソメをつけて釣れる魚はコチラの記事!
3月に岸から釣れる大物
3月はヒラスズキ釣りのベストシーズン
ハードルが高い釣りになりますが、3月はヒラスズキが良く釣れる時季です。
メバルやカレイと同様に、産卵終わりで体力を回復するために荒食いを起こすと同時に、3月は天候が荒れる日が多く、ヒラスズキの釣果を得る上で必要なサラシが発生しやすいことも良く釣れる理由のひとつです。
▼ヒラスズキ釣りの基本はコチラの記事でご紹介!
3月は岸から大型のマダイがヒットすることも
春の産卵に向けて、3月中ごろから荒食いを起こす魚としてよく知られているのがマダイです。
外洋に面した地域では、サーフや磯だけでなく堤防からも大型のマダイが狙えることがありますよ。
渓流釣り|多くの河川で3月に解禁します
解禁日は良く釣れるが人も多い
多くの河川で3月1日に渓流釣りが解禁され、ヤマメやアマゴ、イワナ釣りを楽しむことができるようになります。
漁協が放流を行っている河川では、解禁日に向けて渓魚を放しているので、やはり解禁日直後は良く釣れます。
3月の渓流はまだまだ寒い
山間部は3月に入っても雪が残る場所も多く、地域や標高によっては低水温により魚の活性が低い場合が多いでしょう。
渓流釣りのベストシーズンは5月から6月、3月は解禁直後こそ狙い目ですが渓魚にとってはまだ些か寒い1ヶ月ということを覚えておきましょう。
3月は川や池の釣りもまだまだ低水温
ザリガニ釣りは6月以降がオススメ
桜の開花予想が報道されるようになると、天気の良い日は家族で外遊びに出かけたくなるものですよね。
20℃を超えるような日だと、ザリガニやテナガエビなど身近な生き物が動き出しているかもと感じるかもしれませんが、残念ながら時期尚早なので注意しましょう。
ブラックバスは自己記録級が狙える1ヶ月
淡水の釣りでいち早くシーズンインするのは、バス釣りでしょう。
3月になると、4月の繁殖期に向けて大型の個体から動き始めるのでサイズ狙いの釣りが楽しめます。
3月が一番好きというバサーもいるくらい、3月はデカバスを狙える時季ですよ。
▼春のバス釣りについてはコチラの記事でご紹介!
3月の多摩川ではマルタ釣りが人気
大都会東京を流れる多摩川では、ウグイの仲間である『マルタ』が3月に産卵のため東京湾から遡上してきます。
ルアーやフライで手軽に釣ることができるため、近年では関東地方の人気ターゲットのひとつになっています。
▼マルタを多摩川で釣って食べてみた記事はコチラ
3月は季節がグッと前に進む1ヶ月
3月は水中の季節も冬から春へと変わっていくので、冬に産卵を終えた魚や春に産卵を控える魚達の行動が3月1日と3月31日とでは大きく変化します。
3月はそんな魚達の行動の変化に見事ピッタリ合わせられると、良い釣果に恵まれるので地域の釣果情報を随時ゲットしながら釣りに出かけてみましょう。
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