港湾シーバスの基本のイワシパターン

イワシは海のフィッシュイーター達にとって主食となる餌。
イワシの群れが入るとシーバスの活性がぐんと上がるため、比較的イージーに釣れるパターンでもあります。
良い時には数釣りもでき、みんなでワイワイ楽しめるのも魅力です。
今回はそんなイワシを捕食しているシーバスの狙い方をデイゲームとナイトゲームに分けて詳しくご紹介します!
イワシパターンの特徴

港湾部(運河、岸壁、船溜まりなど)にカタクチイワシ(シコイワシ)やマイワシが群れで入ってくる時期に、それを狙ってシーバスが荒食いする状況を指します。
| ベイトの動き | 群れで中層〜表層を回遊し、ときどき水面へ逃げる |
| シーバスの状態 | 群れの下や外側で待ち伏せし、突発的にボイルを起こす |
| 時合 | 朝夕マヅメ、ナイトゲームでは常夜灯周り |
| 水質 | 澄み潮の日が多い(港湾部は潮通しがよくクリア) |
時期

だいたい10月〜12月がピークで、東京湾奥では1月頃まで続くこともあります。
| 月 | 状況 | ベイトサイズ | 有効レンジ |
| 10月 | 群れ入り始め、ボイル多発 | 5~6cm | 表層~中層 |
| 11月 | 群れ安定、サイズ良型混じる | 6~8cm | 表層中心 |
| 12月 | 群れ減少、深めに落ちる | 8~10cm | 中層~ボトム |
デイゲーム攻略編

デイのイワシパターンは、“目に見えるベイトをどう攻め切るか”が核心です。
夜の明暗ゲームと違い、日中は魚に見切られやすいため、レンジ・スピード・シルエットの3要素が釣果を大きく左右します。
広大な港湾では、十分な飛距離を確保しつつ、フラッシングや波動で遠くの魚を引き寄せることがデイゲーム攻略の基本となります。
ベストなタックルバランス

オープンエリアで回遊待ちが主体となるデイゲームでは、鉄板バイブや比較的重いルアーを扱う場面が多く、ミノーをジャークするシーンも増えます。
そのため、張りのある強めのロッドと、飛距離を稼げる大きめ番手のリールを組み合わせると扱いやすく、幅広い状況に対応できます。
タックル目安
- ロッド:9ft前後のM~MHクラス
- リール:3000〜4000番
- ライン:PE1~1.5号+リーダー20~25lb
- スナップ:#1〜#2(ルアーアクションを殺さないサイズ)
ポイント

イワシは日中、湾の奥までは入りません。塩分濃度が安定し、水質が澄みやすい場所を好んで回遊します。
中でも、潮通しの良い港湾の入口や運河の合流部は定番の着き場です。
また、昼間は警戒心が強まるため、急深エリアや深場に溜まりやすい傾向があります。
船溜まりの深いボトム、運河中央の深い筋、岸際から一気に落ち込むブレイク、ヨレが生まれるストラクチャー周りなどを丁寧に探っていきましょう。
時間帯と潮
潮がしっかり動く朝マズメ〜午前9時頃が最も狙い目です。光量が上がり切る前が勝負どころになります。
同様に、夕マズメも潮が動いている時間帯が好機で、日中の明るさが残るうちがデイゲームの時合となります。
イワシが表層~中層にいる時

イワシが浮き気味に回遊している場面では、シーバスもその層を意識しており、視覚的な刺激に強く反応します。
そのため、フラッシングと急激な変化を出せるジャークベイトのジャーキングが効果的です。
▶ブローウィン140S(ブルーブルー)

「ブローウィンジャーク」の名で一躍有名になった大人気ルアー、ブローウィン140S。
強烈なフラッシングで遠くのシーバスにも高アピールできます!
ブルー×ブルー ブローウィン140S
▶X-80マグナム(メガバス)

タングステンボールを3連で搭載した重心移動機構で、港湾オープンエリアでも圧倒的な飛距離を稼げるミノー。
ただ巻きでもジャークでも使いやすく、イワシパターンではボウズ逃れ並みに釣れるルアーです!
▶X-80マグナム+1(メガバス)

ノーマルで反応がない時や、ウミウなどの鳥が長く潜っているような、ベイトフィッシュが沈んでいる場所では+1の出番。
+1はリップが長い分抵抗が強く、ジャーキングに多少の力がいります。
メガバス X-80マグナム+1
イワシが中層~ボトムにいる時

ベイトが沈んでいる状況では、シーバスも下のレンジを意識して回遊します。
深いレンジを探れるルアーで、ただ巻きからのリアクションバイト狙いが基本戦略になります。
▶シュナイダー18g・25g(アイマ)

引き抵抗が弱く、長時間投げても疲れにくいスタンダードな鉄板バイブ。
水深が5m以下の場所では18g、5m以上の場所では28g(2025年リニューアルし25gに変更)を使用しています。
ボトムをとってから一定レンジをただ巻きするのが基本です。
アイマ シュナイダー 25g
▶ビッグバッカー107(ジャッカル)

全長107mmのロングボディは、イワシにより近いシルエットで魚に違和感を与えずに口を使わせます。
レンジキープに優れた形状で、沈んだシーバスを狙いのレンジで攻めることができます。
3フックでフッキングも向上。バレにくいのも高ポイントです。
ジャッカル ビッグバッカー107
▶VJ22・VJ28(コアマン)

港湾デイゲームの奥の手とも言える、王道ルアー。
他のルアーを散々投げ倒した後に使ってみましょう。
中層からボトムまでを得意とし、スレたシーバスの口も使わせます。
デイゲーム攻略のコツ

デイゲームでイワシパターンを狙う際は、ルアーの“速さ”と“弱さ”のバランスが釣果を大きく左右します。
日中は見切られやすいため、派手に動かすよりも「速いのに弱い」控えめなアクションが群れに自然と溶け込み、シーバスに気づかれにくいのが特徴です。
操作面では、ジャーキングやストップ&ゴーを使って緩急をつけることで、逃げ惑うベイトの“瞬間的な変化”を演出できます。
また、群れの中心はスレていることが多いため、あえて群れの外側を通すほうが反応が出るケースが多く、バイトが遠い時はレンジを一段下げるのも効果的です。
潮が緩むと表層の反応は落ちますが、群れの下では捕食が続いていることがよくあるため、バイブレーションやワームを沈めて下の層を狙うと状況が好転する場合があります。
カラーは光量に合わせて使い分けるのが基本。
日中はシルバー系でナチュラルに、朝夕など光が低い時間帯はゴールド系でアピールを強めることで、イワシの煌めきをよりリアルに再現できます。
ナイトゲーム攻略編

ナイトゲームのイワシパターンは主にカタクチイワシ。
港湾部・河口部において常夜灯+潮通し+イワシの群れがセットで発生していることが釣れる条件です。
光に寄ったイワシを、明暗部の境目に流れが絡む場所の下から捕食しています。
ベストなタックルバランス

デイゲームとは全く狙い方が変わる夜のイワシパターン。
表層を狙うため、扱うルアーは主に小型や軽量のルアーが多いので、軽快に投げやすいMLクラスのロッドに、軽量の中型リールが使いやすいです。
タックル目安
- ロッド:8ft前後のML〜Mクラス
- リール:2500〜3000番
- ライン:PE0.8号+リーダー16~20lb
- スナップ:#1〜#2(ルアーアクションを殺さないサイズ)
ポイント

イワシは光に寄る性質が強いため、ナイトゲームでは「常夜灯下の明暗」が鉄板です。
常夜灯のある岸壁や運河、漁港やフェリーターミナル周辺など、照明のあるエリアが良いでしょう。
シーバスは明暗の境目の暗い部分でイワシを待ち構えているか、ウロウロと探しまわっています。
イワシが表層(ボイル発生時)

イワシが光に寄って表層を回遊し、シーバスが下から突き上げて捕食している状況。
流れが絡む明暗部でボイルが起きやすく、表層系ルアーへの反応が最も出やすい“高活性パターン”。まず表層で手早く拾うのが鉄則です。
▶ワンダー80(ラッキークラフト)

ド表層のレンジで食っている魚に有効です。
明暗をまたいでただ巻き、もしくは表層トゥイッチで活性の高い魚をまず拾います!
ラッキークラフト ワンダー80
▶ビーフリーズ65s・78s(ラッキークラフト)

ただ巻きで反応がない時は、トゥイッチの出番。キビキビとしたハイピッチな動きでアピールします!
シーズン初期はイワシが小さいので65sを、シーズン後期は78sがベストサイズです。
ラッキークラフト ビーフリーズ78S
▶シャロースピン67(ダイワ)

ボイルは出ているが食わない状況で効くことがあります。
表層をスローで引いてくると、ワラワラと湧いてくるシーバスが見えることもあります。
ダイワ シャロースピン67S
イワシが中層~ボトム(ボイル無し・スレた状況)

イワシが光を避けて沈んでいる、またはシーバスがプレッシャーでレンジを下げている状態。
表層への反応が鈍いため、より深い層を正確に通す必要があります。
ロングビルや軽いワームを使い、レンジ刻みで丁寧に探る“食わせ重視”のパターンです。
▶ビーフリーズ65s・78s〈ロングビル〉(ラッキークラフト)

ノーマルのビーフリーズで表層で反応がない時はまずロングビルの出番。
ノーマルは潜行深度1mに対して、こちらは1.5mです。この50cmの差が釣果を大きく左右します。
こちらもただ巻きで反応がなければ、小刻みなトゥイッチでアピールしてみてください。
ラッキークラフト ビーフリーズ 65LB-S
▶R-32+静ヘッド(マーズ+オーナーばり)

食わせの切り札。ナチュラル波動でスレた魚に効果的。
基本的にスーッとやや早巻きがオススメです。
カウントダウンや巻きスピードなど、さまざまな組み合わせを試してみてください!
オーナーばり 静ヘッド 14g
ナイトゲーム攻略のコツ

ナイトゲームでイワシパターンのシーバスを狙う際は、「明暗」と「ボイル」がキモです。
夜のイワシは明かりに集まる習性があり、シーバスはそれを明暗の境目の暗い場所で待ち構えています。
明るい場所から暗い場所へとルアーを通すと、暗い場所に入った瞬間に食ってくることが多いため、明暗は集中して狙いましょう。
常夜灯下の釣りはイワシが表層にいることがほとんどで、ボイルが起きやすいパターンとも言えます。
ボイルが起きたらすかさずルアーをポイントに投げてボイル撃ちをすると反応が得られることが多いです。
明るい常夜灯の下なのでルアーにスレるのも早く、1投ごとにレンジや角度を変えることが重要になってきます。反応がない場合はアクションやスピード、レンジを深くしていくなどの工夫が必要です。
また、明るい常夜灯下ならナチュラルカラーやホロ系がスレにくく、濁りや暗めのエリアではチャートやパールのアピール系カラーが有効です。
今が旬のイワシパターンで楽しもう

イワシパターンは海のシーバス釣りの基礎。
今回ご紹介したパターンのどれかしらが必ずハマるはずです。
広大な海でぜひ銀ピカなかっこいいシーバスを釣ってみてください!
