ノッコミ真鯛の刺身

【ノッコミシーズン】春に産卵期を迎える魚たち|釣りやすく美味しい時期を見逃すな!

冬から春に季節が移り、魚も釣り人も動き出す『ノッコミシーズン』。魚種によっては、脂が乗ってもっとも美味しくなる時期でもありますね。今回はそんなノッコミシーズンに狙いたい魚、逆に釣りづらくなる魚をご紹介します!

目次

ノッコミシーズンは“荒食い”をするため、よく釣れるし美味しいんです

春は魚の『ノッコミシーズン』

春ノッコミシーズンの魚

越冬のために深場で過ごしていた魚達が、繁殖前の荒食いや繁殖行動の為に浅場に群れで移動してくることを釣り人は「ノッコミ」と呼びます。

ノッコミシーズンは“型”“数”も揃う大釣りができることから、釣り人達は春にのっこんでくる魚達を今か今かと待ちわびます。

産卵前の魚は脂が乗っていてメチャ美味しい

ノッコミ真鯛の刺身

“食”という目線で魚を見てみると、多くの魚は産卵前にたくさん餌を食べる為、身が一回り太ります。

春に産卵期を迎える魚の多くは、寒い冬の間に蓄えられた良質な脂がたっぷりと乗っており、春が一年で一番美味しい時期と言われます。

繁殖後に荒食いする魚もいる

産卵後に荒喰いする魚

魚釣りの目線では、産卵後も見逃してはいけません。

繁殖行動に使い果たした体力を回復するために、積極的に餌を取る魚が多いんです。

繁殖期は生き物にとって大切な季節

産卵期のメバル

魚の立場にたってみると、子孫を残すための“大事な時期に釣り上げられて”はたまったもんじゃありません。

多くの魚は、繁殖期にダメージを受けても補えるだけの大きな繁殖力を持っていますが、種によっては繁殖期に乱獲が起こると資源量が減少してしまうことがあります。

数が減ってしまっている種類の魚は、“食べる分だけのキープ”“キャッチ&リリース”、場合によっては禁漁といった対策を取っていくと良いですね。

怪魚ハンター山根
それでは、春に繁殖期を迎える魚達をご紹介します!

春に浅場に群れで移動する『ノッコミ』状態になる魚達

クロダイ(チヌ)|産卵期4~5月

産卵期ノッコミシーズンのクロダイ

クロダイの産卵期は4~5月と言われており、早い地域では3月中旬ごろには深場から堤防内や水深の浅い磯場にのっこんできます。

港湾部や都市型河川の河口部に生息するクロダイは、独特な臭さがあるため食の面で不評感ある魚ですが、冬から産卵前までの間に沖合で過ごしたチヌはとっても美味しいんです!

▼クロダイにおすすめのルアー

ダイワ シルバーウルフ チヌ魂

自重:7g

▼美味しいクロダイ(チヌ)の見極め方はコチラの記事で紹介

マダイ|産卵期4~6月

春産卵期ノッコミ真鯛

マダイの産卵期は4~6月と言われており、乗っ込みマダイの中でも10kg越えを狙う大鯛釣り師が一年で一番熱くなる季節。

ノッコミマダイは沖釣りだけの話ではありません。春はサーフや磯からでも浅場にのっこんでくるマダイを狙って釣ることができるシーズンです。

イワシなどのベイトが入っていれば、ミノーでガツンと食ってくることがありますよ!

▼ノッコミ真鯛を磯から狙うおすすめルアー

メガバス X-80 MAGNUM

全長:115mm
自重:17.5g

▼春のショアレッド(マダイ)釣りはコチラの記事で紹介

堤防やサーフなどで狙える春産卵の魚達

ヒラメ|繁殖期1~8月

産卵期に釣ったヒラメ

ヒラメは地域によって繁殖期が大きく異なります。これは、魚の繁殖行動が水温に依存することが多いためなんです。

ちなみにヒラメは15~18℃になると繁殖行動を行うと言われており、九州では1~4月、本州では3~6月、北海道では6~8月とされています。

▼エキスパートが厳選した、サーフヒラメのおすすめルアー

メバル|繁殖期12~2月

春に産卵期を迎えるメバル

メバルの繁殖期は12月から2月にかけて行われ、冬に産卵する代表的な魚です。

メバルは産卵中に食いが落ちる反面、3月になると体力回復の為に“荒食い”を行います。

また、メバルは春告魚と呼ばれるようにメバルの旬は春と言われていますね。

根魚と呼ばれる魚は資源の回復力が弱いと考えられています。冬にお腹の大きなメバルが釣れたらお腹に卵や仔魚がいるかもしれません。

▼【動画あり】プロに聞いたメバリング上達講座

アオリイカ|産卵期4~8月

春に産卵期を迎えるアオリイカ

アオリイカの産卵期は4~8月と言われ、繁殖を終える一生を終える生き物として知られています。

そのため、一年で一番大きなアオリイカを狙えるのは繁殖前。

アオリイカは浅い藻場などで産卵するため、春のアオリイカ釣りは堤防や磯からビッグサイズが狙えます。

アオリイカは魚と違って外傷に脆弱な生き物なので、基本的には釣り上げたら食べるつもりでいましょう。

もしリリースしたい場合は、足場の低い場所などでイカに触れずに水面で逃がしてあげると生残率が高くなりますよ!

▼凄腕エギンガーに聞いた“春イカ”攻略

淡水魚だって春の乗っ込み&スポーニングが熱いですよ!

ブラックバス|スポーニング期4~5月

スポーニングのブラックバス

バス釣り用語で産卵前のことを「プリスポーニング」と呼び、一年でもっともコンディションの良いバスがパターンにハマれば数釣れる時期です。

プリスポーンのバスは中層をサスペンドすることが多く、長めのポーズを取ったサスペンドミノーのジャークやスコーンリグなどで狙っていきます。

▼プリスポーンバスにおすすめのルアー

OSP ルドラSP

全長:130mm
自重:20g

▼春にオススメなルアーの理由

ヘラブナ|産卵期3~5月

産卵期ノッコミヘラブナ

ヘラブナも海の魚と同じように、冬は深場で越冬し春になると産卵のために浅場に群れでのっこんできます。

ダムや湖など普段は深すぎて手を出しにくい釣り場でも、春は巨ベラを仕留める大チャンスです。

巨ベラにはマッシュポテトというセオリーは今も昔も変わりません。

マルキユー マッシュポテト

コイ|産卵期3~5月

コイもまた、3~5月の繁殖期になると越冬していた深場から浅場に移動してきます。

なかには田んぼの中にまで入り込んで産卵する姿は、鯉のぼりそのものです。

近年、ボイリーと呼ばれる餌を使用したヨーロッパスタイルのカープフィッシングが、日本でも人気が出ていますよ。

マルキユー クレデンスボイリー

▼ヨーロッパで流行のユーロカープフィッシング

マナマズ|産卵期4~6月

春に産卵期を迎えるナマズ

ナマズも春に産卵する魚で、GW前後になると水深の浅い小河川や水路に遡上してきます。

冬の間に釣り人からのプレッシャーから解放されていたことに加え、産卵前のナマズは積極的に餌を取り始めるので、トップウォータープラグへの反応の良くなります。

近年ナマズ専用タックルが各メーカーから発売されるなど、ナマズ釣りはひとつのジャンルとして確立された印象を受けますね。

▼“春ナマズ”の攻略法はこちら

タナゴの仲間|繁殖期4~7月、9~10月

春に産卵期を迎えるタナゴ

小さな川魚であるタナゴは、繁殖期になるとオスのタナゴが色鮮やかな婚姻色に染まります。

種類によって春産卵と秋産卵に分かれますが、多くのタナゴは春に二枚貝に産卵します。

▼タナゴ釣り入門についてはコチラ


オイカワ・カワムツ|繁殖期5~8月

春に産卵期を迎えるオイカワ

オイカワやカワムツといった身近な川魚たちも、春から夏にかけて鮮やかな婚姻色が出ます。

住宅街を流れような川にも生息しているので、この春釣り上げてみてはいかがでしょうか。

▼身近な川魚の釣り方や道具についてはコチラの記事


マルタやウグイ|繁殖期3~5月

春に産卵期を迎えるマルタウグイ

首都圏では、3月になると多摩川に大群で遡上するマルタ釣りが人気になりつつあります。

都会の中でもルアーやフライで比較的簡単に釣ることができ、鮮やかな婚姻色が綺麗なのが密かに人気を集めています。

初めてマルタ釣りにチャレンジされる方はスミスのAR-スピナーがオススメですよ。

スミス AR-S

自重:4.5g

▼都心でつれたマルタウグイを食してみた

春に繁殖期を迎えるが、春に釣れにくい魚

メジナ|産卵期1~6月

産卵期釣りにくいグレ

「グレ」という呼び名で呼ばれるメジナの繁殖期は地域によって差が大きく、九州地方など早い場所では1月ごろから始まる一方で、本州北部では5~6月になる場所もあります。

メジナは繁殖直後に極端に食い渋りが起こすため、春グレは釣果にムラが出ることが知られています。

ワカサギ|産卵期1~5月

産卵期に釣りづらいワカサギ

ワカサギは、春から冬にかけての産卵を終えると死んでしまう年魚です。

産卵を意識したワカサギは、釣り場にならないような浅場や流入河川に入ってしまうため、春のワカサギ釣りは産卵場へ移動する前段階の群れが狙い目となります。

マハゼ|繁殖期2~5月

春に釣りづらいハゼ

秋の釣り物として有名なマハゼの繁殖期は、早い地域では2月ごろから始まり5月ごろまで続きます。

ハゼの寿命も1年で、繁殖を終えると一生終える魚です。

そのため春はちょうどハゼがいない季節にあたるため、他の季節に比べて釣れなくなります。

春は生き物たちの営みが活発になる季節

春の川

春になり、水温が上昇傾向になると魚達は一気に活動を開始します。

年に一度の爆釣チャンスですが、色んな魚種で被ってくるのが悩ましいのも春ならではですよね。

皆さんも狙った魚の繁殖行動を意識しながら、春の爆釣を狙ってみてはいかがでしょうか。

撮影・文:山根 央之

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