バスフィッシングでのPEライン

ソルトの世界ではもはや当たり前のように使われているPEライン。ここ数年ではバスフィッシングでも使用範囲が広がってきている実感があります。
そこであらためて、バスフィッシングにおけるPEラインのメリットや、使い方についてご紹介していきたいと思います。
PEラインのメリット
感度が良い

PEラインはほぼ伸びないため非常に感度が良いです。ソルトフィッシングでスタンダードとなっているのは感度の良さ、ということがもっとも大きな理由の一つでしょう。50m、100mと長くラインを出しても手元にバイトが明確に伝わってきます。
視覚的効果UP

色分け付きのPEラインを使うことで、視覚的効果を得ることが可能です。つまり、見やすいという事。そしてラインの出ている長さも把握しやすいです。
引っ張り強度が強い
同一線形(太さ)であれば、フロロカーボンやナイロンラインと比べて引っ張り強度が圧倒的に強い。「細くて強い」のがPEラインです。
キャストフィールに優れる
フロロカーボンやナイロンラインと同じ強度を求めるとラインを細くすることが出来ます。つまり、キャストフィールに優れており飛距離も出るということです。
長持ちする
紫外線や吸水による劣化が極めて少ないため、半年から1年ほどは平気で使い続けることが可能です。単価こそ高いものの、フロロカーボンやナイロンラインを頻繁に巻き替えるよりコストを抑えることが出来ます。
PEラインのデメリット
リーダーの結束が面倒

基本的に細糸のPEラインはフロロカーボンラインまたはナイロンラインのリーダーが必要で、その結束が少し手間となります。
比重

これは必ずしもデメリットではありませんが、フロロカーボンやナイロンラインと比べて比重が軽いのも特徴の一つ。一般的に表層系のルアーとは相性が良く、一方で沈める系のリグとの相性はあまりよくありません。
しかし近年では高比重のPEラインもリリースされておりこのデメリットは解消されつつあります。
擦れに弱い
PEラインは細い原糸を編み込むことで作られているため、非常に擦れに弱いです。特に細糸は顕著で少しでも傷がついていたりするとあっさり切られてしまいます。
PEラインの太さごとの使い分け
0.2号〜0.4号

バスフィッシングにおけるPEラインの太さ別使い分けをご紹介します。
0.2号〜0.4号は細く繊細です。ほんのちょっとでもラインに傷が付いているとそこからプツンと切れてしまうため、気をつかう番手です。
しかしキャスト時の抵抗を極限まで減らすことが出来るので、極めて軽いワームをノーシンカーで扱いたい時に使用します。
フロロカーボンラインでは飛距離が出ないため戦力にならないルアーもキャスト可能。例えば、マイクロサイズのストレートワームなどです。

サイトフィッシングなどでルアーサイズを極限までダウンサイズすると喰うことがあるので、そういった時に有効です。
ちなみに、合わせ切れの可能性があるのでドラグは緩めに設定します。
モーリス(MORRIS) VARIVAS アバニ ライトゲーム スーパープレミアムPE X4 中間マーキング 150m 0.2号/5lb ナチュラルブルー
おすすめラインは、バリバス アバニ ライトゲーム スーパープレミアム0.2号ですね。高級品ですが、細糸なので信頼できるモノを使います。
細糸ながらとても強いラインで、傷をつけてしまった、などの自分の不注意以外でのブレイクはないですね。
リーダーは0.8号(3lb)を短め(50cmぐらい)で使用します。
0.6号〜0.8号

0.6号〜0.8号程度になると、極端に気を使わなくても良い強さを持つ号数になります。
スピニングリールのPEラインに初めて挑戦する場合、この辺りの太さからチャレンジするのがベターです。普段、3lb〜5lbぐらいのフロロカーボンラインを巻いているスピニングを置き換えるイメージです。

PEラインは比重が軽いので表層系のルアー向き?と思いきや、高比重PEラインを使用すればダウンショットやネコリグ、ミドストなど沈める系の釣りも出来ます。

シマノ ライン ピットブル8 150m 0.8号
ラインは、普通のPEラインですとシマノピットブル。価格と使用感のバランスが取れたラインです。

シマノ セフィア G5 PE 200m 0.6号
沈む系はシマノのセフィアG5(炎月G5)がおすすめですね。沈み方が自然で違和感がありません。
ラインにもよりますが、0.6号のセフィアG5で引っ張り強度は12lb/5.5kgfの表記。4lbフロロ(1.8kg程度)とは比べ物にならない強さです。
リーダーは4lb〜5lb程度のフロロカーボンラインを使用します。長さはカバー絡みなら少し長めで1m程度取ることもあります。
1号〜1.5号

1号〜1.5号は主にパワーフィネスで使う号数です。1号以上あればかなりの強さがあり、細糸PEラインの弱点だった擦れにも強くカバーフィッシングに向いています。リーダーなし、直結での使用も可能となります。

また、ベイトフィネス機に巻くPEラインについても、1号ぐらいがスタンダードとなる太さです。
ベイトフィネス機とPEラインの相性は抜群。ライン自体が軽いためスプール回転が良くなり、フィネス性能が大幅に向上してくれます。
新しいベイトフィネス機を買う前に、まずはPEラインセッティングを試してみて欲しいです。リールの性能が覚醒しますよ。
YGKよつあみ エックスブレイド アップグレード X8 300m 1号/22lb グリーン
ベイトフィネス機におすすめのラインは、よつあみ(YGK) ライン G-soul X8 UPGRADE 150mの1号ですね。表面処理が優れているのか触り心地がサラサラしており、キャストフィールに優れます。
リーダーはフロロカーボン8lb。キャスト時のノット抜けを考慮し、3m程度と少し長めに巻いています。
1.5号以上

1.5号以上はベイトタックルでの「ロングリーダーPE」セッティングに使用しています。フロロカーボンセッティングと比較すると、ラインの自重が軽いためにとにかくキャストフィールが向上するのがメリットですね。
リーダーは「ロングリーダーPEセッティング」で、フロロカーボンやナイロンラインを3m〜10mほど長めにとるセッティングです。
キャスト時にノットの抜けが良くなり、リーダーを長く取ることでラインの沈み込みをフロロ・ナイロン使用時に近づけることが出来ます。
X-BRAID オードラゴン X4 SS1.40 150m 2号 28lb ヨツアミ
ラインはヨツアミのオードラゴン2号がおすすめです。1.4という高比重で沈み方が自然です。
リーダーはフロロカーボン12〜14lb程度を巻くことが多いですね。
結束はFGノット
PEラインとリーダーはFGノットで結束しています。
いわゆる「摩擦系ノット」と呼ばれるノットで、リーダーの結束ではもっともスタンダードな結束方法と言えるでしょう。結束強度が非常に高いのが特徴で信頼出来るノットです。
少し結束時間がかかるのがデメリットですが、慣れれば1〜2分で結ぶことが出来ます。

第一精工 ノットアシスト 2.0
結束を支援してくれるツールもリリースされていますが、個人的な実感としては慣れてくるとツールを使わない方が速く結束することが出来ますので、現在はツールは使っていません。
メリットが多いPEラインでのバスフィッシング

以上、バスフィッシングにおけるPEラインについてでした。今では、巻きモノ用のナイロンライン以外はボートデッキに置いているタックルのほぼ9割がPEライン仕様となっています。
デメリットもありますが、それを上回るメリットがあるのがPEラインタックルです。まだお試しでない場合、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。PEラインをバスフィッシングに取りれることで新しい世界が広がるのは間違いありません。