『冬のボラの刺身は美味しい!』という話を検証してみた
確かに夏のボラは釣り上げただけで匂う……
シーバス釣りをしていると、どうしてもボラが引っかかって釣れてしまうことがありますよね。
仕方なくと言ってはボラに失礼ですが、でも本当にしょうがなくネットでランディングしてリリースします。
ボラは臭い魚という定説を覆す出来事が起こる
何年も前のとある日曜日。回転ずし店を訪れるとなんとメニューに“ボラの寿司”が載っているではありませんか?!
『綺麗な海で獲れたボラは絶品の旨さ』と書きながら、キムチソースを乗せているところに警戒感を覚えましたが、迷わず注文!
案の定キムチソースの主張が強く、とっても美味しいお寿司なのですが、ボラ本来の旨さが分かりませんでした。
ただ、あの激臭はゼロ! 後日、鮮度の良い寒ボラを刺身で食べてみたいなぁと思って鮮魚店でボラを探してみました。
僕は冬のボラが刺身で美味しいことを知っています
探すと売っているもので、大手スーパーチェーンの鮮魚売り場で兵庫県産のボラを見つけました。
兵庫県って大阪湾と日本海と瀬戸内があるケド……って疑問に思ったので、売り場の方に尋ねると日本海産とのこと。買いですね!
自分で釣ったボラを食せ!とのTSURI HACKミッション
「みんなが気になる!」を解決するためのミッション発動
そんな話をTSURI HACK編集部との打ち合わせでしていたら、ボラの食レポの記事を依頼されました。
せっかくなら自分で釣ったボラで記事を書きたいので、まずは伊豆半島に外洋の寒ボラを釣りに出掛けました。
磯でハタやヒラスズキを釣っていると、まれに見るボラの群れをお目当てに出掛けたものの……。
房総半島でボラを探すも、もはや外洋のボラは幻の魚だー
房総半島へ出掛ける機会があったので、伊豆のリベンジと銘打って外洋のボラを探してみるものの見つけられず(笑)
ボラって釣りたい時に限って、出会えないものですよね。
もうボラ狙いのプチ遠征は諦めです。きっと他の釣りしていればいつか遭遇することでしょう。
河口でコノシロ釣りを楽しんでいるとボラが現れたぞ!
僕はコノシロの酢締めが大好きで、ときどき近所の川へコノシロ釣りに出掛けるのですが、なんと夕マヅメに現れましたよボラの群れが!
ただ、ココは川の中にある漁港です。確かにこの場所で釣れるコノシロは臭いが無くて美味しいのですが……。
このうえなく微妙です(笑)
河口のボラのニオイ&腹の中をチェック
トリックサビキで冬のボラを釣り上げます!
トリックサビキでなんとかボラを釣ることができたので、早速ニオイチェック!
魚らしい匂いはあるけど、湾奥で釣れるボラの臭いとは質が違います!
サイズも大きすぎず小さすぎず、味見するには丁度良いサイズ。
すぐさま血抜きに取り掛かります。
釣れたボラを血抜きします
思い返せば、スーパーに売られていたボラもしっかり血抜きされていました。
ボラを持ち帰る時は、しっかり血とワタを抜いた方が良さそうです!
ちなみに、腹の中はジャリジャリしていました(気にしない方針でいきましょ)
腹を裂いて内臓を取り出そうとすると、なにやらジャリジャリします……。
デトリタスを食べる為に、泥ごと飲み込んでいるようですね。
(比較的)綺麗な川の河口で釣れたボラを持ち帰ってきました
自宅であらためてボラのニオイを嗅いでみる
クーラーボックスでキンキンに冷えたボラの臭いをあらためて嗅いでみますが、やっぱり匂いません。
早速、ウロコをキッチンにバリバリ飛ばしながらボラを捌いていきます。
透き通るような白い身の中にうっすらと脂を感じます
ボラを3枚におろすと透明感のある美しいボラの身がお出ましです!
捌いていてやや水っぽさを感じるものの、身には張りがあって脂も感じます。
皮を引いてみると鮮やかな血合いが美しい
お刺身にするためにボラの皮を引いてみると……鮮やかで真っ赤な血合いに思わず「綺麗だなぁ」って言葉が出ます。
回転ずしやスーパーで購入したボラの身は、もっと白濁した白身だった記憶があります。
ボラの解体終了!この時点で既に勝利を確信
魚って捌いている時点でなんとなく、旨いか不味いか想像できるものですよね。
美味しいヤツですよ!(たぶん)
寒ボラの刺身と汁物を作ってみました!
寒ボラの刺身は白くて美しい
冊にしたボラをお刺身に切り分けていきます。やはりどこか水っぽいというか「プルンッ」とした感触がありますね。
お皿にボラのお刺身盛り付けると、もはやボラの面影はありません。
勇気をもってボラの潮汁を作ってみた
野良キンギョやプレコ、ナルトビエイなど様々な臭い魚の汁を作っては猛省の繰り返し……今となっては良い思い出です。
そんな過去を思い出しながら、ボラの潮汁を作ってみました。
鍋からの香りがこのボラが美味しいことを教えてくれています。
河口で釣れた寒ボラを食レポ!
ボラのアラから上品なお出汁が取れました
「大丈夫!」と言い聞かせながらも、恐る恐るボラの潮汁を一口いただいてみます。
上品な魚の出汁が感じられ、とても美味しい一品です!
もちろん臭みやえぐみは一切無いものの、タラやアンコウのように主張の強い旨味豊かな出汁が出ている訳でもありません。
なんとも、文章に起こしにくいお上品な一品です。ボラと聞かなければ分からないでしょうね。
ボラの刺身は旨い!鮮度が良ければさらに美味しい
さぁ、お待ちかねのボラのお刺身ですね!
お醤油を付けていただきますッ!
噛んでいくほどに、旨味と白身魚らしい上品な甘みが口に広がり美味であります。
脂はほのかに感じる程度で、サッパリとしたお刺身の部類。これなら何切れも食べられちゃいます!
冬に釣れたボラが臭く無ければチャレンジしてみる価値あり
今回は、河口域のボラを実食しとても美味しい個体にあたりました。
所によっては悪臭が酷いボラがいるのも事実ですので、少し勇気がいりますが水が綺麗な環境で匂いの無いボラが釣れたら食べてみてはいかがでしょうか。