ガイドにラインを通すのが面倒だ……

気持ちは若いつもりでも、最近は老眼気味で手元が見づらい……。
とくに小径ガイドにラインを通す際は時間もかかりイライラしがち。
それも「釣り支度の儀式」と受け入れていたが、ある日「ライン通し」なる便利アイテムを発見。
「おっ、これ良いんじゃ?」と即購入!
福永
長年釣りをしていても、意外と使っていない人も多いのでは?
かくいう筆者もノーマークでした。
ライン通しとは?

ライン通しとは、細い棒やワイヤーにラインを引っかけて、そのままロッドガイドへ通すだけのシンプルな道具です。
巻きグセが付いたリーダーや、柔らかくて通しにくい細いPEラインでも、まっすぐでコシのあるライン通しを使えばスムーズにロッドガイドを通せます。
福永
ロッドガイドに通していく時は、スプールをフリーにするか、ドラグを緩めておきます。
あまり強い力で引っ張るとすっぽ抜けちゃいますからね。
レベルワインダーにも使える

また、ロッドガイドはもちろん、手こずりがちなベイトリールのレベルワインダーにラインを通す作業にもバッチリ。
とくに丸型ベイトリールは、スプールとレベルワインダーが近くてラインを通しにくいので、ライン通しの恩恵を大いに感じるでしょう。
福永
カルコン愛用者の筆者は、一度使ったらすっかり気に入っちゃいました!
ミスっても大丈夫!

ロッドガイドにラインを通していてイヤになるのが、つまみ損ねたラインがガイドから抜け落ち、作業が振り出しに戻ってしまうこと。
ライン通しを使っておけば、手が離れてしまってもライン通しがガイドに引っかかってくれて、一からやり直しになることを防いでくれます。
もちろん、ほぼ棒状の製品の場合はガイドをすり抜けてしまうので、形状によって抜け止め効果の有無はありますよ。
福永
急いでいる時にやっちゃうと、ホントにガッカリしますよね。
こんな時に助かる〜!
それでは、筆者がライン通しを購入してから釣り場で実感したメリットをご紹介しましょう!
時短ですばやく釣り開始!

釣り人ならば誰しも、釣り場に着いたらすぐにでも釣りを始めたくてウズウズしちゃいますよね。
目の前でボイルでも起きようものなら、ガイドにラインを通す時間さえもったいなく感じることでしょう。
そんな時、ライン通しを使えばスムーズに準備できて時間の短縮になり、余計なストレスともおさらばです。
福永
ライン通しのおかげで、時合を逃さず釣れる1匹があるかもしれません!
暗くても風が強くても大丈夫

夜釣りや風が強い日などは、ライン通しのありがたみをメチャクチャ感じる場面です。
暗闇での視認性が高まり、風でラインがバタつくことも無くなるので、あるのと無いのでは快適さに雲泥の差が生まれますよ。
とくに、アジングのような夜釣りがメインで、小径ガイドのロッドと細いラインを使う釣りには必須アイテムといえるでしょう。

また、アジングといえば小さなジグヘッドを使いますが、極小のアイにラインを通す時にも使えるので一石二鳥で役立ちます。
福永
もちろん、夜間や強風時は小径ガイドでなくても、ライン通しがあった方が断然スムーズです!
船上の釣りに

ボートやカヤック、SUPの上など、波にユラユラ揺られながらラインを通すのは、視線も手元も定まらずなかなか大変です。
また、ラインを通すことに集中して一点を見つめていると、船酔いしてしまうことも……。
船上での釣りを快適にしてくれるアイテムとして、ライン通しをタックルボックスに忍ばせておきましょう。
福永
作業に手こずっている間に、結構な距離を流されちゃうことがあるので、筆者はカヤックにライン通しを常備しています。
やっぱり老眼にはありがたい

冒頭でも述べたように、近くのものが見づらくなる老眼にはライン通しがあるか無いかで大違い。
年齢を重ねても、釣りに行くのが億劫にならないように助けてくれるライン通しに感謝ですね。
福永
釣り好きなお父さんへのプレゼントにも良いかも! 安いし……。
ライン通しの選び方
ライン通しの便利さをわかっていただけたところで、選び方のポイントをご紹介しましょう。
一見シンプルな構造のライン通しですが、選ぶ際におさえておくべきポイントはありますよ。
リングを通るかチェック

小径ガイドの場合、ライン通しの太さによってはガイドリングを通らないものがあるので注意が必要です。
パッケージや説明書きに記載してある許容範囲をよく確認しましょう。
大径ガイドに使う際は、それほどシビアに選ぶ必要はありませんが、視認性や扱いやすさを考慮して大きめのモデルがおすすめです。
福永
とはいえ、各メーカー大・小2種類ほどのラインナップなので、迷ったら両方買っちゃうのもアリですね。
長さをチェック

振り出し竿(テレスコピックロッド)を使う方は、ライン通しの長さも要チェック。
スティック部分が長ければ、クルクル回転してしまう遊動ガイドを一列に揃えて、スパっと一発でラインを通すことができますよ。
福永
磯竿用のトップカバーには、あらかじめライン通しがセットされているものもありますね。
固定方法とセットしやすさをチェック
ライン通しには、「ラインを固定するタイプ」と「ラインを通すだけのタイプ」があります。

固定力が強いものは、ラインに折れグセやキズが付きやすい反面、しっかりラインをホールドしてくれるのでラインを通す作業自体は快適です。
ルアーロッドなどのガイドにラインを通す用途には、「ラインを固定するタイプ」の方が向いているといえるでしょう。

一方、ラインを通す間隔が短い用途に向いているのが「ラインを通すだけのタイプ」です。
ルアーロッドのガイドに一つずつ通していくような使い方より、振り出し竿のガイドやレベルワインダーにラインを通すのに向いていますよ。
余分を少し長めに取り、二つ折りにしたラインを通したら、ライン通しを引き抜くだけで作業完了です。
福永
結局、2種類あった方が便利ということに気付くわけですが……笑

また、ラインをセットする部分が小さいと、「ライン通しにラインを通すのに苦労する」という本末転倒な事態になることも……。
ガイド径が許す範囲で、開口部が広いモデルを選んでおくと快適に使えますよ。
福永
マイクロガイド用のものが小さいのは仕方ないですけどね。
ライン通しの注意すべき2つのこと
ライン通しを初めて見た時、「なぜ、どの商品も複数本入りなのかな?」と疑問でしたが、使っていくうちにその理由が「紛失」と「破損」であると実感しました。
皆さんも注意してくださいね。
紛失しやすい

ライン通しは、細くて見落としやすいので紛失する可能性が高いです。
屋内ならまだしも、釣り場ではちょっと足もとに落としただけで、なかなか見つけられず紛失してしまうことも……。
メーカーでも紛失対策として、収納ケースを同梱したり蛍光色を付けたりしていますが、取り扱いには十分注意しましょう。
福永
とくに、夜釣りや岩場では落とさないように気を付けてください。
ポケットやタックルボックスの中でも行方不明になりがちです。
扱いはていねいに

ライン通しは「小さな輪に通す」という性質上、繊細な作りのモデルが多いので、使用する際はデリケートなものを扱っていることを意識しましょう。
太すぎるラインを使ったり、雑な扱いをしたりすると、ライン通しの折れや曲がりが発生することがあります。
メーカー設定のラインの太さを守るほか、無理な力を加えないように注意してくださいね。
福永
「小は大を兼ねる」と思いがちなライン通しですが、残念ながら実際はそうではありません。
おすすめのライン通し
ティクト ティクト ガイドスルー
アジング・メバリング用のタックルを揃えるティクトのライン通しは、やはりライトゲームに特化した仕様となっています。
極細のワイヤーで作られており、マイクロガイドや細糸への適性はピカイチです。
繊細な作りなので、紛失や無理な力を加えることが無いように気を付けてくださいね。
ダイワ ラインスレッダー
柔軟性が高い樹脂製で、チューブでラインを固定できる点が特徴です。
非常に使いやすい製品ですが、ガイドの内径が2.5mmまでとなっている点に注意しましょう。
ルミカ レベルワインダー・ガイド通し
レベルワインダーへのライン通しにおすすめのモデルです。
ラインを固定する機能は無いので、輪の中に長めにラインを通すのがうまく使うポイントですよ。
ルミカ レベルワインダー・ガイド通し ナロータイプ
金属製で、細いラインやマイクロガイドに対応するナロータイプ。
標準モデルと同様にラインを固定する機能は無いですが、ラインを挟むタイプよりも折れグセが付きにくいメリットがあります。
富士工業 ラインスレッダー Mサイズ LTM-M
ガイドメーカーが作るライン通しだけあり、ロッドガイドにラインを通すのに最適な使い心地です。
しっかりとラインを固定し、少々の力で引っ張ってもはずれません。
富士工業 ラインスレッダー Sサイズ LTM-S
1号以下のラインに対応するSサイズです。
唯一の弱点である「落とした時の見つけにくさ」も、蛍光マーカーで色付けすれば軽減できます。
ライン通しを一度使ってみて!

老眼きっかけで「ライン通し」に出会った筆者ですが、老若男女、目が悪くなくてもライン通しを持っておくとメリット盛り沢山です。
決して高い買い物ではありませんから、ぜひ一度試してみてください。
福永
当たり前だと思ってスルーしていた「ガイド通し」作業も、実際は面倒なもの。
ライン通しを使えば、それを快適に変えてくれます。
撮影:福永正博