似て非なる二つのエサ

釣りエサとしてお馴染みの、アミエビとオキアミ。
日本近海に生息しているアミエビは多くの魚のエサとなっており、数あるエサの中でも「集魚力がトップクラス」と言われます。
それに対してオキアミは、じつは日本近海には生息しておらず、南極海に分布する生き物です。
アミエビとオキアミが出会った〜

集魚力と喰わせる力があるアミエビですが、小さくて針に刺すのが難しく、刺しエサにはオキアミを使う釣りが多いです。
アミエビの喰わせる力がほしいけど、「針に刺せない」というジレンマ……。
せや、オキアミをアミエビに漬けたらえぇんちゃう!?
漬けてみた。

オキアミに加えて、ブラックタイガーのムキ身も用意してみました。
各エサは事前に解凍しておきましょう。

良く馴染むように、アミエビはスプーンで軽く潰してペースト状にしてみました。

あとはタッパーに入れて蓋をし、一晩冷蔵庫で寝かせると……
生オキアミのアミ漬け

こちらが一晩寝かせた生オキアミ。
アミエビ汁にどっぷり浸かり、色も染まっていかにも釣れそう!
ただし、水分を吸っているのでエサ持ちが悪くなっているかも。
ボイルオキアミのアミ漬け

これがボイルオキアミ。
生と同じく、かなり釣れそうな雰囲気が漂っています。
ボイルは元々固いのですが、かなり柔らかくなっていました。
ムキ身(エビ)のアミ漬け

これだけ真っ黒やないかーい(笑)
何故かムキ身だけ表面が黒く変色していました。
タッパーに入れるアミエビの量が少なかったため、空気に触れる面積が大きく、酸化してしまったのかもしれません。
もしくは、防腐剤が入っているオキアミに比べてエビは劣化しやすい? といったことも考えられます。
まぁでも、問題なく釣れるでしょう!
フカセ釣りで検証

検証の手段として選んだのは、チヌ狙いのフカセ釣り!
種類ごとにそれぞれの使用感をお伝えします。
アミ漬け生オキアミ

作った時の印象通り、かなり柔らかく、エサ付けはちょっと難しいです。
投げた時にもエサが落ちやすいので、扱いは少しデリケート。
漬けた後に、塩か砂糖で脱水しておくと良かったかもしれません。

そんなことを思っていると、いきなりヒット!
まだマキエが十分に効いていない朝イチだったのでビックリ。アタリは明確でしたよ。

アワセは遅くなかったのですが、しっかり飲まれていました。
エサ持ちが悪い点に目を瞑れば、喰わせる力は最強レベルかもしれません!
評価
エサ持ち:★☆☆
喰い込み:★★★
アミ漬けボイルオキアミ

先ほどの生オキアミよりも、かなりエサ付けしやすいですね。
元々硬いボイルが適度に柔らかくなっているので、喰い込みはなかなか良くなりそう!

同行の編集長しみけん氏がアミ漬けボイルでヒット!
「普通のボイルでアタリがあったけど吐き出されて、アミ漬けボイルに変えたら即釣れた!」
とのこと。

その強さを感じたのか、この後しみけん氏はずっとアミ漬けボイルを使っていました。
普段、この手の話には「気持ちの問題やろ」なんてことを言う冷めた男なので、妙な説得力があります(笑)

後日、堤防に行った際には、釣り場で唯一(たぶん)となるチヌをアミ漬けボイルで釣っていました!
ボイル特有のエサ持ちの良さに、柔らかさと匂いと味が加わり、かなり実用的な印象です。
評価
エサ持ち:★★☆
喰い込み:★★☆
アミ漬けムキ身

そもそもエビのムキ身は、オキアミに比べてかなり弾力があります。
針からも外れにくく、エサ持ちはかなり良いですね。

何度かアタリがあってもエサが残っており、回収してもほぼ外れません。
しかし、その弾性が仇となってか、アタリがあるのに掛からない現象が多発。

結局、アタリは他エサよりも多かったのですが、釣果はゼロになってしまいました。
当たり前ですが、オキアミで釣れる状況ならわざわざ使う理由はなさそうです。
ただし、エサ取りが多い高水温期はかなり使えると思います。
小さな魚が加えても飲み込めないので、吐き出されてエサが残り、本命までかなり通りやすいはずです。
評価
エサ持ち:★★★
喰い込み:★☆☆
これは試してほしい!

今回試したオキアミやエビ以外にも、イカや貝を漬け込んでもおもしろいと思います。
エサによっては◯と×があるかもしれませんが、集魚効果と喰わせる力は間違いなくアップするはず。
ぜひ試してみてくださいね!
撮影:tsuki