ダイワ史上最軽量!『23エアリティ』が登場
「この軽さ、革新的。この強さ、確信的。」というキャッチフレーズとともに、2023年1月に登場したエアリティ。2000番で145gと、ダイワのスピニングリールの最軽量モデルとして発表されました。
キャッチフレーズのとおり、“軽さと強さ”が特徴のリールに仕上がっているとのこと。
実際に購入してガッツリつかい倒してみましたので、私なりのインプレッションをお伝えします。
ちなみに……ですが、3月の23イグジストSFの発表(2000番で135g)で、2500番までは最軽量リールではなくなりました。
23エアリティのラインナップ
ラインナップは12機種。
ライトソルトやトラウトに適した2000番から、ライトショアジギングに対応する5000番まで、幅広いラインナップです。
また、バスやエギングにぴったりの2500番台には、ワンサイズボディを大きくすることでより強いギアを封入した、パワーカスタムという番手もラインナップされています。
23エアリティのスペックと特徴
まずは、エアリティのスペックや特徴を見ていきましょう。
一言で言えば、22イグジストと同じ最新機構をふんだんに搭載した、ハイレスポンスモデルです。
エアドライブデザイン
ひと目で見てすぐにわかるのが、エアドライブデザインを採用していること。
低慣性でハイレスポンスなエアドライブローターに、軽快でトラブルレスなエアドライブベール、不要な肉を徹底的に削ぎ落とした超軽量エアドライブスプールに加え、滑らかで軽い巻き上げを実現したエアドライブシャフト。
この4つのテクノロジーによって、高い操作性を実現しています。
エアドライブデザインを採用したことで、スプールとローターを含むフロント部分が大きく軽量化されています。
これにより持ち重りが軽減し、バランスそのものも改善。
シェイキングやジャークなどのロッドを操作する釣りにはもちろん、巻き自体も軽くなっているので、ただ巻きメインの釣りにも多大なメリットがあります。
フルメタルモノコックボディ
23エアリティのボディは、フルメタル仕様のモノコック構造。
たわみを最小限に抑え、力強く巻き上げることを可能にした、一体成型のマグネシウム製ボディになっています。
また、ボディの蓋となるエンジンプレートもアルミニウム製で、まさにフルメタル。
ボディ形状は、18イグジストや21ルビアス エアリティと同じものでしょう。
22イグジストにはボディの中心部の肉抜きがないので、剛性は22イグジストに、軽さは23エアリティに分がありそうです。
マシンカットタフデジギア
フルメタルのモノコックボディに封入されているのが、超々ジュラルミン製マシンカットのタフデジギア。なめらかで静かな回転が特徴です。
この大口径のタフデジギアには、ギアの硬度を高める特殊表面処理が施されているので、初期性能が長く続くようになっています。
これは22イグジストや21ルビアス エアリティでも採用されていますね。
ATD TYPE-L
ドラグは、ATD TYPE-Lを搭載。
従来のATDよりも初動レスポンスが向上し、ラインへの負荷をさらに低減しています。
エアドライブスプールには作動抵抗の少ないドラグ発音機構を採用しているので、2つの相乗効果でレスポンスが高まっています。ドラグ音も変わって、少し落ち着いた音になっていますよ。
Long Cast-ABS
ラインとスプールエッジの摩擦を徹底的に軽減するために採用されているのが、Long Cast-ABS。
2段階形状のスプールエッジになっていて、公式情報では非搭載モデル比で飛距離が約5%アップしています。
「5%だけか……」と思われた方、多いのではないでしょうか? 5%は、確実に体感できるレベルです。非搭載のモデルをつかっていた方は、きっと驚くと思います。
21ルビアス エアリティとの違い
ここで、事実上の第1世代となる、21ルビアス エアリティとの違いをおさらいしておきましょう。
ボディ形状とマグネシウム製モノコックボディは同じですが、23エアリティはフロントユニットにエアドライブデザインが採用されているのがまず大きく違うところ。
21ルビアス エアリティと比較すると、ローターが約16%の軽量化、ベールは約33%の軽量化(2500番比較)で、23エアリティは「頭が軽くなった」ということになります。
なお、21ルビアス エアリティと23エアリティで同じ番手やギア比が揃っているわけではないので、好みのリールが見つかるかどうかは人それぞれかもしれません。
23エアリティを実釣でインプレ!
さて、前置きが長くなりましたが、23エアリティを実釣でつかい倒してみました!
選んだ番手は、「LT2000S-H」。
軽さを感じたいので2000番、アクションをさせてからの止めでアタリを待つことが多いのでハイギアを選びました。
“選びたくなる”上質なデザイン
ここまで長々と技術特性を語ってきましたが、23エアリティを選んだ一番の理由はずばり、デザイン。
技術は毎年アップデートされていきますし、追い求めていたらキリがありません。
一方で、自分が「かっこいい」「好みだ」「好きだ」という気持ちはそうそう変わりません。これを道具を選ぶ軸にしておくと、絶対に後悔しないです。
エアドライブローターの流れるような形状、ガンメタともブルーグレーともなんとも言えないベースカラー、スプールとエンジンプレートに施されたゴールドのアクセントカラー、そして程よくマットな質感。
……え、めちゃくちゃかっこよくないですか?
持てば分かる、驚異的な軽さ
ロッドにセットして、まず感じたのが軽さ。145gの重量は伊達じゃなく軽いです。
超軽量ロッドと組み合わせれば、アンダー200gのタックルを組むのも容易いでしょう。
私の持っている、62gのライトゲームロッドでも合わせて207g。ひと昔前のリール1台以下です。
とくに恩恵を感じるのは、止めてアタリを待っているとき。
操作性が上がるということもあるのですが、軽い力でロッドを保持できるので、繊細なアタリも取りやすいと感じました。
形状ゆえの軽快な巻き心地
巻き心地は軽快そのもの。最小限の力で巻きたいときに巻けて、止めたいときに止められます。
フロントユニットがコンパクトになって軽量化され、頭下がりの重心のバランスが改善しているのか、リーリングもブレも軽減しています。
ちなみに、2000番には、パワーギアとハイギアがラインナップされています。
「ハイギアだと巻き重り感があるかな」と思ってどちらも触ったのですが、ギア比の違いが関係ないくらいに、どちらも巻き感は十分軽いと感じました。
キャストフィールの向上
自重の軽さと重心位置の改善が影響しているのか、アクションをつけた時の操作性とともに、キャストの操作性も向上していると感じました。
組み合わせるロッド次第な部分もありますし、「23エアリティをつかえば、ピンポイントキャストがビシバシ入る!」というわけではありませんが、投げていてとても気持ちがいいです。
パワー不足は感じない
「23エアリティのならどんな大物とも戦える! パワー不足は感じない!」と言えれば素敵な響きなんでしょうけど、さすがにそこまでは言えません。
とはいえ、そんなことだけを言っていたらインプレにならないので、バスを相手にちょっと負荷のかかる釣り方で試してみました。
使うルアーは、110mmのミノー。アクションは、本気の早巻き5回とワンポーズを繰り返すストップ&ゴー。
一般的には2500〜3000番ぐらいをつかう釣り方だと思いますが、エアリティは2000番でまったく問題ありませんでした。ルアーの巻きだしもスムーズで、ピタッと止められます。
負荷でローターやハンドルが歪んでいる様子もなく、当然使用後のゴリ感も皆無。このあたりはフルメタルモノコックボディとマシンカットタフデジギアの恩恵が出ているのでしょう。
マシンカットタフデジギアは初期性能が長く続くと謳われているので、期待したいところです。
スムーズなドラグフィール
23エアリティを語る上で忘れておけないのが、ATD TYPE-L。
細糸を扱うことが多い2000番のリールで、ドラグの性能は誰もが重視する部分。ここのインプレをしなければ、この記事を書く意味がいくらか薄れてしまうでしょう。
ドラグを出しながら、細糸をつかって、魚とのやり取りを楽しむ……。
ラインはエステルの0.4号、リーダーはフロロの0.6号という組み合わせ。
ドラグはロッドの曲がりとともにジリジリと出るぐらいにセッティングし、ニジマスを相手にドラグの出方を確認しました。
これはドラグワッシャーがヘタっていない新品のリールを2台持ち込んで、ATDとATD TYPE-Lで比べないと、精緻な違いは感じられないのが正直なところです。
確実に言えることは、やり取りの際に魚が反転した瞬間にドラグが出てくれていたので、レスポンスは十分。
ドラグが出るときは出て、止まるときはきっちり止まる。
緩めたら単純に糸が出まくる感じではなく、必要量が繊細にコントロールされていて、自分のドラグ設定がバッチリだと錯覚してしまいます。
ちょっと残念なポイント
一つだけあった残念なポイントを挙げておきます。
最新機種で、高級リールですから、値段が相応に高いのは仕方がないこと。それだけの価値も十分にあります。
ただ、替えスプールを用意したいのに、替えスプールも値段が高いのはちょっと残念。
私は普段、スピニングもベイトも替えスプールを用意して使い分けているのですが、23エアリティは純正スプールもSLP製のスプールも、悩んでしまうお値段です。
新たな悩み!他の番手も欲しい!
インプレをまとめると、最新機種と感じられる性能で、「この軽さ、革新的。この強さ、確信的。」というキャッチフレーズは、大げさではないと思いました。
とくに、軽さを求めるアングラーにはこれ以上ないくらいマッチするリールでしょう。
今回使い倒してみて、他の番手も欲しくなったのが「いいリール」だと感じたなによりの証拠。
3000番をバチコン・SLJ・ボートロックでつかって、5000番をサワラキャスティングでつかいたい……。
今回改めて思いましたが、最新機種を買っても、釣り人の悩みってなくならないんですね。
最終評価
- ・巻き始めの軽さ:5
- ・回転の滑らかさ:4
- ・巻き感度:5
- ・巻き上げパワー:4
- ・軽さ:5
- ・剛性感:4
- ・ドラグ性能:5
- ・ライントラブルのリスク:5
- ・コストパフォーマンス:4
ダイワ 23 エアリティ LT2000S-P
ギア比 | 4.9 |
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自重 | 145g |
糸巻き量 | ナイロン:3-150m PE:0.4-200m |
巻き取り長 | 64cm |
最大ドラグ力 | 5kg |
ダイワ 23 エアリティ LT2000S-H
ギア比 | 5.8 |
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自重 | 145g |
糸巻き量 | ナイロン:3-150m PE:0.4-200m |
巻き取り長 | 76cm |
最大ドラグ力 | 5kg |
ダイワ 23 エアリティ LT2500S
ギア比 | 5.1 |
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自重 | 150g |
糸巻き量 | ナイロン:4-150m PE:0.6-200m |
巻き取り長 | 72cm |
最大ドラグ力 | 5kg |
ダイワ 23 エアリティ LT2500S-XH
ギア比 | 6.2 |
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自重 | 150g |
糸巻き量 | ナイロン:4-150m PE:0.6-200m |
巻き取り長 | 87cm |
最大ドラグ力 | 5kg |
ダイワ 23 エアリティ LT2500S-DH
ギア比 | 5.1 |
---|---|
自重 | 165g |
糸巻き量 | ナイロン:4-150m PE:0.6-200m |
巻き取り長 | 72cm |
最大ドラグ力 | 5kg |
ダイワ 23 エアリティ PC LT2500
ギア比 | 5.2 |
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自重 | 165g |
糸巻き量 | ナイロン:6-150m PE:0.8-200m |
巻き取り長 | 73cm |
最大ドラグ力 | 10kg |
ダイワ 23 エアリティ PC LT2500-H
ギア比 | 5.7 |
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自重 | 165g |
糸巻き量 | ナイロン:6-150m PE:0.8-200m |
巻き取り長 | 80cm |
最大ドラグ力 | 10kg |
ダイワ 23 エアリティ LT3000-H
ギア比 | 5.7 |
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自重 | 175g |
糸巻き量 | ナイロン:8-150m PE:1-200m |
巻き取り長 | 85cm |
最大ドラグ力 | 10kg |
ダイワ 23 エアリティ PC LT3000
ギア比 | 5.2 |
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自重 | 185g |
糸巻き量 | ナイロン:8-150m PE:1-200m |
巻き取り長 | 77cm |
最大ドラグ力 | 10kg |
ダイワ 23 エアリティ PC LT3000-XH
ギア比 | 6.2 |
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自重 | 185g |
糸巻き量 | ナイロン:8-150m PE:1-200m |
巻き取り長 | 93cm |
最大ドラグ力 | 10kg |
ダイワ 23 エアリティ LT4000-XH
ギア比 | 6.2 |
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自重 | 200g |
糸巻き量 | ナイロン:12-150m PE:1.5-200m |
巻き取り長 | 99cm |
最大ドラグ力 | 10kg |
ダイワ 23 エアリティ LT5000D-CXH
ギア比 | 6.2 |
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自重 | 205g |
糸巻き量 | 105cm |
巻き取り長 | ナイロン:25-150m PE:2.5-300m |
最大ドラグ力 | 10kg |