魚の内臓を捨てるのはもったいない!
魚の内臓って食べられるんです
魚の内臓は鮮度が良いものしか食材に適さず、これぞ“釣り人の特権”ともいえる貴重な食材。
魚種にもよりますが、卵や精巣だけでなく、肝臓や胃袋、浮袋や腸も美味しく食べられます。
臭みが少なくて、歯ごたえが強くとても美味しい部位なんですよ!
内臓の種類によって調理法は様々
魚の内臓は甘辛く煮付けたり、茹でてポン酢やごま油をかけて食べるのが一般的。
他にも、焼くことで美味しくなったり、刺身との相性抜群な臓器もあります!
前提として……有毒魚にはくれぐれもご注意ください
内臓に毒をため込む魚について
魚の内臓をオススメする記事を読んでいただくうえで、最初に知っていただきたいことがあります。
それは“内臓に毒をため込む魚も少数ながらいる”ということ。
誤って有毒魚を食べないように、必ず自分が食べようとしている魚の種類と毒の有無を確認しましょう。
自分が捌く魚の種類をしっかり調べよう
魚の内臓は、魚種によって美味しく食べられるものから有毒のものまで様々です。
繰り返しになりますが、必ず自分が食べる魚の種類と内臓が食べられるか確認してから調理するようにしましょう。
内臓が旨い魚|代表3種
カワハギ
美味しい魚の内臓として、最も知名度が高いのは“カワハギの肝臓”でしょう。
釣りたて新鮮なカワハギの肝は、生でも美味しく食べられます。
▼カワハギの肝を美味しく食べるには……
オオモンハタ
オオモンハタは、胃袋や腸といった消化器官を美味しく食べられる魚です。
程よい歯ごたえと甘みがあってとても美味しいんです。オオモンハタに限らずハタの仲間は胃袋や腸が美味しいですよ!
ヒラスズキ
ヒラスズキも内臓がとても美味しい魚。
とくに僕のオススメは浮袋! 独特な触感が楽しめます。
▼スズキの内臓の食レポはコチラの記事!
魚の内臓の種類と位置
魚の臓器を知ろう
一般的に食べられる臓器は、胃、腸、肝臓、浮袋、生殖腺(卵巣や精巣)です。
胃は食べた餌が入っていれば、この写真のように大きく、空胃の状態だと次の写真のように縮んでいます。
肝臓は内臓の中でも比較的大きな臓器で、魚の頭寄りに位置します。また背骨に沿って内臓の上側にあるのが浮き袋。
腸は胃と繋がる細長い管、生殖腺は魚体後方の背骨側に対になっています。
一般的に食べられる魚の内臓
魚の心臓はとても小さいので、マグロなどの大型魚以外はあまり食用とされません。
胃と腸の間にある臓器は、消化酵素を分泌する魚特有の幽門垂です。
卵巣や精巣は、繁殖期には大きく発達していますので、美味しく食べることができますよ!
魚の内臓の下処理
やさしく臓器を切り分ける
魚から内臓をごっそりと取り出したら、包丁やハサミを使いながら臓器ごとに分けていきます。
腸や胃袋は、内容物を洗い流すために切り開きます。
この時、苦玉とよばれる胆嚢を潰さないように注意しながら内臓を扱いましょう。
苦玉は、緑色の液体が入った袋状の臓器で、その名の通り、潰してしまうと苦い汁が飛び出します。
万が一、潰してしまった場合はすぐに洗い流しましょう。
血や消化管内容物を洗い流す
血やヌメリ、消化管内容物はニオイの原因となるので、徹底的に洗い流します。
肝は血管がたくさん走っていますので、流水を当てたり、肝が大きな魚は切り分けてしっかり血を抜きましょう。
胃や腸の中にある内容物……すなわち魚の糞は、どんな魚でも臭いので、捌くときは内容物が他の臓器につかないように注意しながら洗い流しましょう。
内臓のニオイを抑える方法
綺麗になった臓器は、30分から1時間ほど料理酒に漬け込むことで、酒の香りが内臓に移るのでより美味しく食べられます!
ニオイが気になる方は、酒で洗った内臓を沸騰したお湯で火を通し、氷水で冷やす下処理をしてみましょう。
魚の内臓の食べ方
煮付け
下処理をした内臓を醤油、酒、みりん、砂糖を使って甘辛く煮付けます。
胃や腸は弾力があって歯ごたえ豊か、肝は肉料理の中でもレバーがお好きな方にはたまらない一品になることでしょう。
湯引き
沸騰したお湯でサッと茹でた内臓を氷水で冷やし、水気をしっかり取ってから食べやすい大きさにスライスします。
ごま油と塩でいただくも良し。ネギをふりかけ、ポン酢で食べるも良しです。
焼き物
胃と腸の間にある幽門垂は、焼き料理との相性が良いです。
とくに、脂肪がたっぷりと纏わりついている幽門垂はジュージューと音を立てるくらいしっかり焼き上げるのがコツ。
肝の生食
魚の種類によっては、生で肝を美味しく食べられるものもあります。
魚の内臓を調理する上での注意点
血抜きと保冷をしっかりする
内臓は傷みやすく、血が残ると臭みが出る食材です。
釣れた魚はしっかりと血抜きを行い、クーラーボックスで冷やして持ち帰り、できるだけ早く調理しましょう。
毒魚に注意!!
冒頭でご説明した通り、内臓に毒を溜めこむ魚もいるので注意が必要です。
画像のハコフグは、肝が美味しい魚として認知されてきましたが、近年になり猛毒のパリトキシンを持つ個体が確認されるようになってきていますので、肝臓は食べないようにしましょう。
▼ハコフグについてはコチラの記事でご紹介
消化管内容物はメチャ臭い
魚の消化管の中には、食べた餌や消化の進んだ糞が含まれています。
美味しい魚であっても、消化管の内容物は臭くて食べられませんので、綺麗に洗い流すのを忘れないようにしましょう。
アニサキスに注意
魚種によって寄生率は異なりますが、魚の内臓にはアニサキスが寄生していることが少なくありません。
とくに肝臓は要注意。アニサキス対策としてもっとも有効なのは加熱調理です。
▼アニサキスについてはコチラの記事でご紹介
魚の内臓を食べてみよう!
今回の記事では、魚の内臓についてご紹介させていただきました。
魚種によって内臓の美味しい調理法が違ったりしますので、まずは自分が食べようとする魚の種類と内臓の食べ方を調べてみましょう。
魚の内臓の美味しさを知れば、魚釣りの楽しみが益々増えますよ!