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刺身

アナタの刺身はなぜ失敗してしまうのか?|釣り人の料理講座

釣ってきた魚を刺身にしてみたら……あれ、おいしくない。水っぽかったり生臭かったり、せっかく頑張って刺身にしたのに失敗! なんて経験ありませんでしょうか。今回は初心者の方でも刺身をおいしく食べられるようにするための手順をご紹介します。

目次

刺身が失敗する3つの原因

カドの立った刺身

釣った魚を料理するのは釣り人の醍醐味。数々の料理の中でも、刺身にして食べるという方は多いのではないでしょうか。

魚を自宅に持ち帰って釣りの疲れに堪えながら三枚おろしにし、刺身にして皿に盛り……食べてみたらおいしくない。

魚の種類や旬・生息地などによって味が落ちることはあるかもしれませんが……

イシカワ
じつは、魚を釣った後の処理で刺身の出来の良し悪しがほぼ決まります

①魚を締めていない(血抜きをしていない)

バケツに生かしている魚

生きたままの魚をそのままにして弱らせたり死なせてしまうと、ストレスがかかり鮮度が落ちてしまいます。

釣った魚をバケツに入れて釣りが終わるまで放置……などしていませんでしょうか?

刺身にしておいしく食べるためには、釣ってすぐに魚を締めて血抜きをする必要があります

イシカワ
とくにサイズが大きい魚の場合、血抜きせずに刺身にすると血生臭い仕上がりとなってしまいます。

②保冷が十分ではない

釣った後の魚は家に持ち帰るまでクーラーボックスできちんと保冷する必要があります。

クーラーボックスに保管していたとしても、氷が溶けてしまって保冷力が落ちていたら魚が温かくなり鮮度が落ちてしまいます

イシカワ
一度温まってしまった魚を家に戻ってから冷やしても味や品質が低下しますので、保冷した状態で持ち帰ることが重要です。

③捌き方

魚を捌く

捌くまでの魚の処理で刺身の出来の良し悪しはほぼ決まりますが、捌き方によっても失敗する場合があります。

捌く際に多い失敗としては、身を真水に当ててしまうこと。刺身が水っぽくなる原因です。

イシカワ
また、刺身を切り分ける際に身を潰すように切ってしまうと、旨味が流れ出て食感が悪くなってしまいます。

刺身で失敗しないための手順

クーラーボックスで魚を保冷

失敗する原因を解消しておいしい刺身を食べるためには、やはりきちんと魚を締めて保冷をして持ち帰ることが大事。ただ、釣りをしながら魚を締めたりするのは大変ですよね。

負担がかかり過ぎて、釣りに影響があっては元も子もありませんので、今回は可能な限り簡単に、おいしい刺身を作るための方法をご紹介します。

しっかりと締める(血抜きをする)

魚を釣った後、釣ってすぐに魚を締めて血抜きをすることが鮮度を保つために重要。

締め方や血抜きの有無は、魚のサイズによって変わってきます

クーラーボックスに凍らせたペットボトルと海水を入れるアジやイワシなど、30cmくらいまでの小型魚は氷締めが簡単で最適です。

クーラーボックスに凍らせたペットボトルや保冷剤を入れて持っていき、釣り場に着いたらすぐに海水をクーラーボックスに注いで海水を冷やしておきます

氷締め

釣った魚はそのままクーラーボックスの中へ。冷たい海水で急激に冷やすことで締めることができます。

真水で作られた氷を直接海水に入れると塩分濃度が薄まってしまうので、凍らせたペットボトル等を使うと良いです。

血抜き30cm以上の魚の場合、おいしい刺身を作るためには血抜きが必須

エラの根本や付け根を切り、海水を入れたバケツに漬けることで血抜きができます。キッチンバサミを持っていくと便利ですよ。

血抜きをした後は、小型魚同様に冷やした海水を入れたクーラーボックスへ

血抜きは生きている魚だから可能となります。心臓が動くことで血が循環しエラから血が抜けますので、釣ってすぐに血抜きをする理由はそこにあります。

イシカワ
ストリンガーで魚をキープする場合は、帰り際にしっかりと血抜きをしましょう。

▼ 締めと血抜きが重要な理由

血抜きをしていない大型魚

血が残ると生臭さの原因となります。

血抜きをしないと全身に血がまわってしまい後から血を取り除くのは難しくなります。

血抜きをしていない魚

試しに釣った後に血抜きをせずにバケツで泳がせ、瀕死の状態でクーラーボックスに入れて持ち帰ってみました。

血管に血が残り、捌く際にも血が身についてしまって血生臭くなります。

締めていないため身もブヨブヨとしています。こうなると生食するのは厳しくなりますね。

血抜きをした魚

こちらは先ほどの魚と同種・同サイズのものを、釣った直後にエラを切って血抜きしたもの。

見た目から一目瞭然。血抜きの重要性が伝わるかと思います。

せっかく釣った魚ですから、多少手をかけてもおいしく食べたいものです。

イシカワ
もっと丁寧に処理ができる方は神経締めに挑戦してみるのも良いかと思いますよ。

常に保冷する

魚を保冷する

釣りを終えたらクーラーボックスに入っている水を抜いて持ち帰ります

魚はビニール袋や新聞紙などで包んであげると、魚の身が氷に触れて起こる氷焼けを防ぐことができます

よく使われるのはビニール袋だと思いますが、その場合は厚手のものを使うとヒレなどで袋が破れないのでおすすめです。

持ち帰る際に必ず氷の状態を確認し、溶けてしまっているようであれば帰りに氷を追加しましょう。

コンビニで板氷を買い、袋のままクーラーボックスに追加すればOK。

イシカワ
自宅に持ち帰るまではしっかりと保冷した状態で持ち帰ることが重要です。

早めに下処理をする

下処理をした青物

釣りで疲れてはいると思いますが……自宅に戻ったらその日の内に魚の下処理をしておくのが、おいしい刺身を食べるコツ

1. 魚の表面を真水で洗う

2. ウロコ・ぬめりを落とす

3. エラ・内臓は取り除き、血合いをしっかりと洗い流す

4. 上記処理後にキッチンペーパーなどで水分を拭き取る

イシカワ
ここまで処理できれば、その日に食べなくても冷蔵庫で保存して、翌日にでもゆっくりいただけます。

魚の胃の内容物

内臓は未消化物なども含むため腐敗すると鮮度が落ちる原因となります。

また、内臓の表面に寄生するアニサキスは時間経過と共に身に移動する場合があります。

より安全に刺身で食べるため、自宅に戻ったら早めに内臓は取り除いておきましょう

イシカワ
臭くなる内臓は新聞紙などで包み、ビニール袋を二重三重にして冷凍庫で凍らせてから捨てれば匂いが気になりませんよ。

刺身にする際に気をつけたほうが良いこと

角の立った刺身

ここまでできていれば、後は捌いて食べるだけですね。

魚を釣った後の処理で刺身の出来の良し悪しがほぼ決まりますので、調理をする際のポイントは少しだけ。

ウロコ・エラ・内臓と取り除き、血合いを洗い流した下処理後は、基本的には真水を魚の身に当てないこと

下処理が不十分で刺身にする際に血やウロコを洗い流す必要が出ると刺身が水っぽくなる原因となります

刺身を切り分ける際は、包丁の根元から刃先までを使って包丁を引いて切ります。

包丁を押しこんで切ると身が潰れてしまうため、包丁の重みを使って切るようにしましょう。刺身包丁があると切りやすいです。

魚によって合う切り方や厚さがありますが、試しながら自分好みの刺身を見つけましょう。

イシカワ
刺身を作った後に食べるまで時間がかかる場合は、冷蔵庫で冷やしておいたほうがおいしいですよ。

刺身は熟成させるとよりおいしい

昆布締めをした刺身

魚は熟成させることで旨味成分が増しておいしくなります。

釣った後の処理(締め・血抜き・保冷・下処理)ができていることが前提となりますが、下処理後にキッチンペーパーで魚を包み、さらにラップや袋で包んで冷蔵庫(チルド)で保存することで熟成が可能です。

3日を目安にし、魚の種類や好みで調整するのがおすすめ。

イシカワ
昆布締めにするのもおすすめです。

熟成させた刺身

釣った直後の魚はコリコリとした食感。対して、熟成させることで食感は柔らかくなりますが、口溶けが良くその魚の旨味を最大限に感じることができます

イシカワ
青魚など鮮度の劣化が早い魚種は熟成させるのが難しいため、熟成させずに食べたほうが良いです

刺身で食べる場合の注意点

刺身のリスク

生食をするので食中毒のリスクはできるだけ下げたい。

そのために、釣った直後から刺身にして食べるまできちんと魚を冷やし、血抜きをして早めにエラや内臓を取り除くことで鮮度を保つことができます。

釣ってすぐに締めること(血抜きをすること)・常に保冷をすること、この2つが安全に食すために重要となります。

また、アニサキスにも注意が必要。魚が生きていると内臓に多い傾向があり、魚の鮮度が落ちると内臓から身に移動するというのが定説。早めに内臓を取り除くことが対策となります。

イシカワ
必ずしも内臓にいるわけではないため、身についていないか目視でのチェックはしたほうが良いです。

釣った魚をおいしい刺身にして食べましょう

美しい刺身

釣って持ち帰ったせっかくの魚。命に感謝しておいしくいただきたいですね。

釣りに忙しくなってしまいがちですが、おいしく食べるためにはある程度の手間が必要

イシカワ
釣ってから持ち帰って食べるまで……欠かせない作業をおこなって、釣った魚をおいしく刺身でいただきましょう!

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