オランダ釣りについて
オランダ釣りは、カゴに詰めたコマセで魚を集め、いくつも連なった擬餌バリに食いつかせるという、いわば淡水のサビキ釣り。
針はサビキ針でなく、コマセの粒を模したオランダ針を使います。
鮎をメインターゲットとし、オイカワやカワムツといった魚を釣るにはもってこいの釣法です。
オランダ釣りの魅力とは
オランダ釣りの最大の魅力は、誰でも簡単に釣れること。
“ポイントを外さない”と言う前提はありますが、誰でも釣果が得られる釣りと言っても過言ではありません。
どうして“オランダ”なの?
「オランダ針(釣り)」と呼ばれるようになったのは戦後以降で、戦前はオランダ針ではなく、金玉付針や金留針という名称で売れていました。
オランダ針と呼ばれるようになった経緯は諸説ありますが、有力なのはシーボルトが関係しているという説。
シーボルト(医師・博物学者)は1823年に出島のオランダ商館医として来日。
日本に近代西洋医学を伝えると同時に、日本研究にも力を入れ、日本の鮎を世界の学会で初めて発表した人物でもあります。
シーボルトが日本の鮎とオランダに縁がある為、鮎を釣るこの釣法が「オランダ釣り」呼ばれるようになったそうです。
狙える魚達
オランダ釣りは実に様々な魚が釣れますが、鮎、オイカワ、カワムツなどが主なターゲット。
鮎
鮎といえば友釣りやドブ釣りが思い浮かびますが、オランダ釣りなどの餌釣りでも釣ることができます。
しかし、鮎は雑食で時期によって食性が変化するので、餌釣りもその時期に合わせなければなりません。
狙い目は解禁直後か秋。7月から9月は草食の傾向が強くなるので釣りにくい時期です。
オイカワ・カワムツ
オイカワとカワムツは極寒期以外なら1年を通して楽しむことができます。
鮎と同じ雑食ですが、食性は変化しないので、時期や餌の種類を気にする必要が無いことが魅力。
初夏から秋にかけての繁殖期には婚姻色が出て、日本の在来種とは思えないほど美しい姿となります。
この2種類は琵琶湖産の鮎の放流に混ざって全国に分布が拡大したと言われています。
必要な道具
竿
基本的には3.6m〜5.4mの延べ竿を使います。また、大河川で行う場合には広範囲を探るためにリール竿が有利。その場合、長い仕掛けを使うので、最低でも2.5m以上の長い竿が必要です。
リールを使う場合は釣り方がサビキ釣りに似ているので、サビキ釣り用の柔らかめの竿や2号ぐらいの磯竿が使いやすいです。
餌
オランダ釣り専用の配合餌も売られていますが、メジャーなのはサナギ粉。
オキアミ粉末やシラスを使う地域もあるようですが、さなぎ粉の集魚力は段違いなので、これを選んでおけば間違い無いです。
マルキュー さなぎ粉(徳用)
仕掛け
市販のセット仕掛けが使いやすいです。使われているものはサビキ釣りに似ていますが、それぞれオランダ釣り独特の役割があるので説明していきます。
針
オランダ針はチモトから軸にかけてコマセを模した飾りがついています。
飾りの部分は金色や赤や白のビーズや毛糸など、いろいろなバリエーションがあります。
コマセカゴ
錘がついたオランダ釣り専用の金属製のカゴを使います。
上カゴ用サビキカゴのようなプラスチック製の軽いカゴだと川の流れで簡単に流されてしまうので、オランダ釣りでは錘がついた専用の金属製のカゴが最適です。
OWNER(オーナー) オランダカゴ仕掛 7本 オランダ 2.5号
オランダ釣りのポイント選び
ある程度水深がある川なら、どのような川でも行うことができます。その中でもとくに釣りやすいポイントを紹介します。
トロ場と瀬の境
トロ場とは比較的水深があり流れが緩やかな場所。瀬とは比較的流れが速く水深の浅い場所。
トロ場の中でも瀬との境界は、瀬から流れてくる餌を求めて魚が集まっているのでコマセへの反応が良いです。
実際にやってみよう
①カゴにコマセを詰める
カゴの8分目を目安に詰めます。ギュウギュウに詰めすぎると拡散性が悪くなるので、ふんわりと詰めましょう。
②仕掛けを投入する
オランダ釣りの仕掛けは、延べ竿の仕掛けの中では1番と言っていいほど重いので、慎重に投入します。
手元から振り込む感じで投げるとポイントを狙いやすいです。
③ 仕掛けを流す
道糸をたるませて流しますが、この時に針がついた部分が川の流れより少しゆっくりと流れるように竿先で調整します。
この動作が誘いとなって魚が掛かりやすくなります。
④アタリをとる
魚が針にかかると道糸がたるむので、それがアタリです。
オランダ釣りは仕掛けの特性上、魚が食いつかずに啄んでいるという状況が起こりにくいので、道糸に反応があったら魚がかかっていると考えます。
回収せずにそのまま待っていると、かかっている魚の動きが仕掛けに伝わり、それが誘いとなって他の魚が次々と針に掛かる追い食いが起こります。
1回目のアタリでは回収せずに、しばらく放置してから回収すると釣果が伸びます。
⑤仕掛けの回収
オランダ仕掛けは、針が沢山ついているので、仕掛けがとても絡まりやすいです。
絡まりを防ぐには、仕掛けに常に弱いテンションをかける意識をすること。
掛かった魚を針から外すときは、下の針から外すと絡まりにくくなります。
注意しなくてはいけないこと
きちんと遊魚料を払うのは当たり前のことですが、オランダ釣りは簡単に多くの魚を釣ることができるので、禁止されている地域があるので注意しなくてはいけません。
また、鮎の餌釣りは時期や区域の制限が場合があるので合わせて確認しておきましょう。
釣りに行く川を管轄する漁業組合のホームページを見れば簡単に確認することができるので、釣りに行く前に必ず確認しましょう。
釣り初心者におすすめなオランダ釣り
オランダ仕掛けは淡水の釣りで右に出るものはない! と言ってもいいくらい釣れる仕掛けです。
「とりあえず釣りをしてみたいけど、どんな釣りが良いかわからない」と思っている初心者の方には、迷わずにオランダ釣りをやってもらいたいです。
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