マグロをジギングで狙う時代
ここ2年ほどでキャスティングだけではなく、ジギングで積極的に狙うスタイルが増えてきたマグロゲーム。青物を狙っていた遊漁船もこぞってマグロ狙いをはじめています。
話題のトンジギ
和歌山沖から三重沖、そして静岡遠州沖を黒潮に乗って接岸するようになったビンチョウマグロ、通称トンボマグロ。
そのトンボマグロをジギングで狙う「トンジギ」が少しずつ浸透してきました。
最大サイズ50kgを超える個体が狙えるマグロで、10〜20kgサイズが多くキャッチされています。
エビングでも人気のキハダ
南西諸島のパヤオ、さらに都心近郊からでも狙えるマグロといえば「キハダ」。平均サイズも大きくなり30kg前後、最大で100kgを超えてくるヘビークラス。
トンボもキハダも20年前にはルアーで釣るという概念はほとんど浸透してなく、大きな群れが入ってきた時にエキスパートアングラーがキャスティングで狙うターゲットでした。
近年は黒潮の蛇行とともに、マグロが高水温を求めて毎年接岸するようになり、安定的に群れが確認されるように。
ジギングでも手返し良く効率的に狙えるようになりました。
不明点が多いようですのでQ&A形式でお答えします。
マグロジギングタックルQ&A
マグロジギングにおすすめのロッドは?
まず釣り方として回遊地点に目星をつけてドテラで流す船が多く、300〜400gの重めのジグを使うことになります。
重いジグをジャークするのに耐えられる遠征用6ftクラスのジギングロッド、もしくはスローピッチロッドの4〜6番程度がメインとなってきます。
手持ちのロッドで挑戦する場合はフォールのみに重点を置けば使えないこともありません。ただしこの場合は、指示棚まで落としては回収を繰り返す方法で、魚を掛けてからは竿を寝かしリールメインでファイトすることになります。
とはいえ、大型がかかる可能性も高いマグロジギング。ジグをジャークし、船べりでのマグロのつっこみを交わすための長さ。そしてジグの操作性、ファイトへの強さが両立したロッドが望ましいです。
タカミテクノス アンバージャック専用モデル RENEGADE NO6
継数:1本
適合ジグウェイト:300g-600g
スローピッチからハイピッチまで6フィートというレングスにより汎用性を高めマグロはもちろん、深場のカンパチや遠征に。大型ベイトリール、電動リールでの使用を推奨。
ビート プロパゲートタイプS 6
継数:1本
適合ジグウェイト:300-500g
タイプS6番は300グラムから400グラムのジグを駆使して挑むキハダマグロやトンボマグロ、クロマグロジギングに最適。
マグロジギングにおすすめのリールは?
3号から6号を300m程巻けるリールサイズを基準に、シマノなら2000番・3000番・4000番。狙うサイズに合わせてリールを選んでみましょう。
大型サイズに的を絞るのであれば、メインギアの大きい大型レバードラグリールがおすすめ。アンバージャックではアメリカ製のアキュレートバリアント600NNが非常に人気です。
ちなみに最近人気のレバードラグリールですが、使い方を間違えて壊すアングラーさんが増えています。
とくにドラグのプリセット調節毎(ラインに合わせたドラグ設定毎)に、レバーをフリーの位置に戻すことを忘れないでください。レバードラグの調整方法については釣行前に完璧にしておきましょう。
伸びる下巻きのナイロンに、伸びがない上巻きのPEラインがどんどん食い込んでしまう為、最終的にスプールが歪んだり割れたりしますのでご注意ください。
アキュレート バリアント600NN
自重:593g(クランプなし)
最大ドラグ力:14.5kg
巻取り長さ:111cm / 48cm
PE糸巻量(号-m): 2-1200 / 3-800 / 4-600 / 5-480 / 6-400 / 8-300 / 10-240
マグロジギングのラインとリーダーは?
キハダ狙いのジギングでは水深1000m以上あるパヤオなどで上から100m、150mと船長の指示棚にジグを落とし込んでいきます。
そのためラインが何メートルでているかカウントするために、深さがカウントできるマーカー入りが必須です。
太さはビンチョウ狙いであればPE3〜4号、キハダであればPE4〜6号を選んでおきましょう。
チャーターで仲間と楽しむ場合は、ファイトタイムに融通が効くので多少ラインは細くてもよいでしょうし、反対に乗合であれば太いラインで速攻勝負に行くことも必要です。
アンバージャックではサンラインのULT4-1200m巻き3号、4号が人気。
リーダーはフロロカーボンを3ヒロ前後(約4.5m)をPRノットで結束。太さはメインライン号数とバランスを合わせ選択しましょう。
例:PE3-フロロ18号、PE4-フロロ20号、PE5-フロロ22号
回遊性で大きな群れが多いのでスイッチが入れば食ってきますので、なるべく太めのラインがおすすめです。
マグロジギングにおすすめのジグは?
まずは乗船予定の船宿に何グラムのジグが必要か聞いておきましょう。300g前後といわれれば250〜400gぐらいまでを数本用意。
マグロは落ちてくるジグに圧倒的に反応しますので、フォール性能で釣果に差がつくこともあります。
フォールが遅いジグなどフォールアピールが周りのアングラーと違うジグもあると良いと思います。もちろんベイトにシルエットの大小を合わせることも大事です。
シーズン最盛期にはセミロングタイプで、カラーはアルミ系にグロー(夜光蓄光塗料)、ケイムラコート(紫外線発光塗料)などが人気ですよ。
シーフロアコントロール
高知県発スローピッチジャーク正統派国産ジグメーカー。
シーフロアコントロール エスレジェンド
スローピッチジャーク産みの親である佐藤統洋が削り出したセミロングジグ 。潮抜けが良く軽快なジャークが特徴。
シーフロアコントロール メサイアセミロング
2枚潮、3枚潮でも差し込みやすいのが特徴。近海に接岸しているトンボマグロやキハダジギングにばっちり。
シーフロアコントロール アロー
唯一無二の4面ロングシルエットで強烈アピール。抜け感覚の軽さにより軽快にジグを操作可能。
シーフロアコントロール スパンキー
SFCジグのラインナップ最速のフォールスピード。どんな海況でも扱いやすさはトップクラス。
シーフロアコントロール クランキー
軽いジャークでも簡単にスライドさせることが可能。フォール性能・抜け感良しのオートマティックタイプ。
シーフロアコントロール シークレットレクター
フォールでのアピール抜群、レンジキープが得意。シークレットレクターは長らくSFCメンバーのみで使われていたレクターの改造モデル。
ビート
デザイナー大貝氏による経験に裏打ちされた発想がアイテムに。
ビート ディフューズR
ウォブリングしながらのスライドは、残像効果と側線を刺激する振動を起こし効果的なアピールを実現。
ビート カイ
ビート定番ジグのブースFの進化形。肉厚ファットボディは潮流の影響を受けにくくウェイト選択で多様なコンディションに対応。
ビート トリガー
ハイピッチ、スローピッチの要素を兼ね備えているのでパイロットジグとしても。
ブルータイドオーシャン
こだわりアングラーにぜひ手にとってほしいジグたちは、鹿児島発カンパチジギングに特化。
ブルータイドオーシャン キトル
薩南エリアのカンパチ定番・スライド特化型ジグ。抜群のフォール性能はマグロ狙いにも最適。
ブルータイドオーシャン ザンクロ
フォールスピード遅めでじっくりという方にはザンクロ、差し込みながら抜けよく釣りしたい方はキトルがおすすめ。
ロッツオブアート
デザイナー有尾氏の拘りの美しさと耐久性を備えたジグメーカー。
ロッツオブアート ジョーカー
別注モデルウェイト:350g
スパイラルフォールからのダートでバイトを誘発。直線移動では絶妙なバイブレーションでただ巻きメソッドにも対応。
ロッツオブアート ドリー
イレギュラーダートとワイドロールが持ち味。ターゲットに追われ、狂ったベイトフィッシュを演出。
マグロジギングのフックセッティング
太軸タイプ・シングルアシストフックをフロント&リアにそれぞれ1本セットが基本。
フックサイズは6/0〜7/0、ロングシャンクのストレートポイントタイプ。強度の高いものが推奨です。
アシストラインの長さは使うジグの1/3程度、マグロの歯は小さくて鋭いので素材はザイロンなどがよいでしょう。
マグロジギングの釣り方について
基本は船長の指示棚をしっかりキープしてワンピッチや早巻きからジグを落とす。もしくはレンジキープであまり動かさなくても食うと思います。
ステイもしくはピッチを刻んでも面白いですよ。コツはフォールをしっかり入れてやることかもしれません。活性が高ければ、棚さえ合えば食ってきますので。
スローピッチジャークを普段から楽しんでいるアングラーさんは、レンジキープの釣りを実践すれば簡単かもしれません。
そしてなんと言っても大事なのはドラグ値! 気持ちよりだいぶ強めのドラグを推奨します。 PE4号でしたら10kg前後ですかね。
オシアジガーシリーズでしたらフルドラグに近いかもしれません。マグロは泳がせたらファイトタイム長くなります。
魚とのファイト時には常にロッドで頭を回すことを意識し、寄せてきたら一気に勝負してほしいです。
遊漁によるクロマグロ採捕に規制
最後に……。
近年ターゲットのトップとして君臨してきたクロマグロですが、2021年夏から水産庁により遊漁による採捕が全面的に禁止されました。
禁止内容の詳細はこちらのリンクをご覧ください。
クロマグロを対象とする遊漁者・遊漁船業者の皆様へ – 水産庁
シーズンともなれば夢を追うアングラーたちの恒例行事となっていましたが、残念ながら現時点では釣りができなくなってしまいました。
2022年の夏頃には解除されるとのことですが、スポーツフィッシングとしてのあらゆる対象魚において、アメリカや欧米諸国のように誰もが納得できるルール作りを、早く確立していきたいものです。