高いロッドがえぇのは知ってる。だけども……

数ある釣りの中でも、「ロッドが釣果を左右する」と言われるイカメタル。
誘うための操作性(軽さ)、小さなアタリを捉える感度が必要なのは、周知の事実でしょう。
それゆえに、イカメタル市場が成熟してきた現在、各社のハイエンドモデルとなると5万円では買えず、中には10万円近いロッドも。
でも、「高い竿じゃないと釣れない」なんて全然面白くないやん。
tsuki
ってことで今回は、お手頃価格のロッドで竿頭を獲れるのか!?
全力で挑戦してきました!
その“お手頃価格のロッド”というのが……

今回の相棒となるロッドは、がまかつから発売されたラグゼ スピードメタル SS。
実売価格は2万円台前半と、ビギナーの方でも手を伸ばしやすいロッドだと思います。
tsuki
公式情報によると、「とくに感度を重視して設計した」とのこと!
ラインナップはベイトモデルが3本と、オモリグ用のスピニングモデルが2本です。
竿頭を目指して検証スタート!

ちなみに、筆者のイカメタル歴は今年で10年で、始めてからは毎年釣行しています。
腕はともかく、経験はそれなりに積んでおり、タックルについてはまぁまぁうるさい自称イカメタルマニアです(笑)
職業柄、エントリークラスもハイエンドクラスもいろいろ使ってきたので、もちろん高級ロッドの性能的アドバンテージは承知の上。
tsuki
「ハイエンド超え」「高級ロッドは不要」なんて胡散臭いことを言うつもりはございません。
でも、高い竿じゃないと釣れない、楽しめないってわけじゃないと思うんです!

ということで、やってきたのは和歌山の南紀。
ホームの小浜〜敦賀、舞鶴〜丹後エリアは激渋。鳥取や島根、越前も不安定。
ギリギリまでロケ地に悩んだ末、かなり久しぶりの南紀へと足を伸ばしてみました。
連日竿頭が60〜70杯ほど釣っており、期待しかありません!
tsuki
「昨日までは良かったんやけどな〜」パターンは回避したい!!(フラグ)

日置の正福丸さんにお世話になり、17時半に出船しました。
この日は、編集長のしみけん氏がカメラマンとして同行。
なにやら、約8年ぶりのイカメタル釣行らしく、「オレもちょっと竿出そうかな〜」と言うております。
tsuki
しみけん氏との付き合いは長いのですが、この人は「あわよくば……」と考えているタイプなので油断なりません。(フラグ)

ポイントまでは10分ほどと激近で、水深は25m前後。船長がアンカーを降ろします。
ここ和歌山は日本海側よりサイズが小さいものの、安定して数釣りできるのが特徴です。
tsuki
小さいイカはアタリもわかりにくいので、ロッドの性能を試すには悪くありませんね!

船長曰く、前日はベタ底中心で釣れて、中盤以降は少し浮いてきていたとのこと。
明るい時間はイカも浮かないので、セオリー通りにオモリグで底付近を探っていきましょう。
浅くて潮も速くはなさそうなので、S610M-solidに15号のオモリを乗せてスタート!
tsuki
明るい時間は船下にイカも集まらないので、キャストして広範囲を探るのが良いはずです。

船中でちらほらとイカが上がり始めたタイミングに、筆者もファーストキャッチ!
小魚みたいな鋭くて小さいアタリでしたが、穂先がきっちりアタリを表現してくれて1杯目をゲットできました。
南紀エリアらしい小型のケンサキでしたが、まずはボウズを逃れて一安心。
tsuki
周りはイカメタルでヒットしているので、船下にも群れが居ているのかも!?
ってことで、B66M-solidに持ち替えます!

スピードメタルSSはバランスが良いのか、自重以上に軽く感じられます。
じつは前作のスピードメタルSも使ったことがあるのですが、持った瞬間にわかるレベルでシャープになりました。(自重自体はあまり変わっていないのですが)
ロッドの調子や使用感を確かめながら、調子に乗ってガンガン釣っていきたいところでしたが、1杯目を釣ってからはなかなか反応が得られません。
tsuki
勝負は日が落ちて点灯してからかな〜。

いやいや、カメラマンが釣ってるやないかい!
「人生初オモリグやけどすぐ釣れたわ〜!小さいイカやけどアタリもちゃんとわかったで〜!」とのこと。
tsuki
しみけん氏もすぐに遠投ができて、アタリも捉えられていたので、初心者の方でも使いこなしやすいロッドだと思いますよ。

19時過ぎになって待望の点灯♪
ここからは船下に集まってくる群れを、イカメタルで効率良く釣って数を伸ばしたいところです。
tsuki
今から爆釣タイムです!

またあんたか(汗)
「赤がえぇんかな〜知らんけど」と、スピードメタル エギドロッパー 1.8号のフルレッドで連発した様子。
まだイカは浮かず、ボトム付近でちょこちょこアタるみたいです。
tsuki
しみけん氏が3杯、筆者はまだ1杯……。
これはマズイのでは?笑

完全に日が落ちて待望のヒット!
ですが、ケンサキイカではなく外道のスルメイカでした。
獰猛なスルメは派手なカラーやアクションに反応しがちなので、かわしていくことも必要かもしれません。
tsuki
個人的には塩辛が好きなのでスルメイカも嬉しいんですけどね!
にしても渋くない?明らかに60杯ペースじゃないんですが(困)

「赤、真似してもえぇんやで」
そう煽られたので、ここは暦10年のプライドを捨てて筆者もフルレッドにカラーチェンジ。
tsuki
ピンクと赤は似た色ですが、赤の方がよりシルエットが強調されるので、イカからは違って見えているかも!

カラーチェンジが功を奏したのか(?)、ダブルヒットです。
鉛スッテはローテーションしていないので、カラーよりもタナやタイミングの方が大きいのかもしれません。
自分が釣れたタイミングでは周りも釣れており、小さな群れの回遊があった時に釣れていそうです。
tsuki
しかし、南紀のイカはアタリが小さい……。
今のダブルヒットもかすかな違和感レベルでした。

点灯後1時間ほど経過し、途中経過は5杯。
ここで船長から「どの船も釣れていない、ここ最近でダントツに悪いねぇ……」と、見事にフラグが回収されていました。
tsuki
船中も全員がほぼ同じようなペース。
爆釣している人は誰もいません。

気分転換がてらオモリグに戻してみると、またもスルメイカです。
ハイアピール系のカラーは、やはり獰猛なスルメイカに捕まってしまいます。
強いアクションや派手なアピールは我慢して、スローな展開でじっくりやるのが良さそうです。
tsuki
筆者が苦戦している中、どうやら後ろの方が黒系のドロッパーで連発している様子。

B66MH-solidに持ち替え、フルブラックのドロッパーを結ぶとヒット!
tsuki
15号でも釣りができる状況でしたが、時合いが短そうなので、早くタナに入れるために20号の鉛スッテで攻めてみました。

このタイミングで徹底して黒攻めすると、ヒットが連続。
依然としてアタリは小さくて穂先に出ないこともあるのですが、そこはB66MH-solidの反響感度(手感度)でカバーできています。
tsuki
ウエイトに対して竿を硬くすると、目感度は減りますが、手感度を上げられるケースがあります。
ただし、船の揺れが少ない時に限られる術なのでご注意を。

そんなこんなで、21時半にようやくツ抜け達成!
パターンはコロコロ変わるし、回遊が散発的だし、アタリは極小だし、本当に悩ましいです……。
tsuki
そうこうしていると、パタリと黒攻めが効かなくなりました(汗)

釣れている方を観察していると、大きくシャクってロングステイ、エダスも長めに設定されている様子です。
ならばとここで得意のオモリグに変更し、向かってくる流れだったので、足元に仕掛けを入れて船下に流してから引っ張ってみることに。
すると、ボトムから1〜2回ジャークしてステイを繰り返して連発♪
tsuki
エギの色は黒のままなので、色が同じでもアプローチ(誘い・仕掛け)が違えば反応がまるっきり変わる状況ですね。

こちらの方は「オモリグがないから、イカメタルのハリスをギリギリまで長くして、オモリグっぽくなるようにした」と言うています。
穂先に出ないぐらいアタリが小さく、全部手元の違和感でアワせているそうです。
tsuki
アタリを出そうとして感度重視のショートハリスにするとダメな様子。
オモリグもイカメタルも、ジワ〜っと誘って、フワ〜とナチュラルに漂わせないと抱いてきません。

そして、残り30分となる22時半に15杯に到達。点灯後のペースは時速5杯ぐらいです。
同船者の方もだいたい同じようなペースで釣っているので、かなりの接戦が予想されますねぇ。
tsuki
ラストスパートで伸ばしたい!!

結局、ラスト30分で1杯だけ追加してケンサキイカ16杯で納竿。
そして結果は……22杯釣った常連さんがおられ、残念ながら竿頭とはなりませんでした。
しかし、この激ムズな状況で良いところまでは迫れましたし、それはロッドの性能もあってこそだったと思います。
tsuki
こんな感じに締めようと思っていたのですが……

なんとこの男、ケンサキを18杯釣っていました。
しかも、スルメを5杯も釣っており、外道ではありますがスルメも合算すると……!!
内心めちゃ悔しいです!笑
tsuki
まさかこんなオチになるとは……。
でもロッドに関していえば、「8年のブランクがあるしみけん氏でも使いこなせ、シビアな状況でも釣果を伸ばせる」ということが証明されたのではないでしょうか!
スピードメタルSSを振り返り

ここからは、今回の釣行で使ったスピードメタルSSを振り返っていきます。
結論、実釣性能が非常に高い上に誰でも扱いやすく、価格に対する納得感が十二分にあるロッドでした。
tsuki
番手ごとに使用感をお伝えします!
B66M-solid
シリーズ中でもっとも柔らかいB66M-solidは、10〜20号をメインにMAX25号まで使えるモデルです。
水深や潮の加減にもよりますが、15号の鉛スッテがとくに気持ちよく、潮が緩くて浅場がメインのエリアにはちょうど良いと思います。
tsuki
例えば、今回釣行した南紀エリアや越前、三重方面などと好相性ですね。

穂先からベリーにかけてがしなやかなため、とくにロングステイのようなナチュラルな見せ方で狙うのに適していると思います。
また、しなやかさが船の揺れを吸収してくれたり、ロッドアクションの角をとってくれたりもするので、オートマチックに釣れる状態を作ってくれる(≒ビギナーの方でも釣りやすい)のも良さだと感じました。
tsuki
とはいえ、極端に柔らかいワケではないので、20〜25号の鉛スッテでも十分に釣りを成立させられますよ。
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS B66M-solid
全長(ft) | 6'6" |
---|---|
自重(g) | 110 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 104 |
適合スッテ(号) | 8-25 |
先径(mm) | 0.8 |
B66MH-solid
シリーズの中間に位置するB66MH-solidは、12〜25号をメインにMAX30号まで使えるモデルです。
B66M-solidに比べるとベリーからバットにかけてハリが強く、重いスッテをシャクった時には軽快さを感じました。
その一方で、ロッドを止めた状態(アタリを待つ状態)では、荷重の乗り方がB66M-solidと大きくは変わらず、軽めのスッテも使いやすいのは魅力だと思います。

今回は15号のスッテで2本を使い比べてみましたが、海況が穏やかで揺れが少なかったこともあり、筆者は硬さゆえの手感度を得られるB66MH-solidの方が好みでした。
対照的に、しみけん氏は「フワッと誘って仕掛けを落ち着けやすい」という理由でB66M-solidを気に入っており、状況や使い手によって好みが分かれそうです。
エリアとしては、15〜20号をメインに状況によっては25〜30号が必要になってくる、小浜〜敦賀、丹後方面などにマッチします。
tsuki
山陰のような急潮流かつ深場で、30号がメインになってくる海域では、ワンランク硬いB66H-solidを筆者は選びたいです。
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS B66MHsolid
全長(ft) | 6'6" |
---|---|
自重(g) | 112 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 104 |
適合スッテ(号) | 10-30 |
先径(mm) | 0.8 |
S610M-solid
S610M-solidは、15〜25号をメインにMAX30号まで使えるオモリグ用モデルです。
投げてジャークした感じでは、15〜20号のライトなオモリグにベストマッチだと感じました。
tsuki
ベリーからバットがパツパツ過ぎず、粘りがあるのでキャスト時のスイートスポットが広く、ビギナーの方でも投げやすいと思います!
オモリグロッドの中でも穂先は繊細な部類で、仕掛けが動き過ぎるのを抑えてくれ、エギを綺麗にフォールさせられます。
また、テンションの掛かり具合もよくわかるため、アタリを取りやすく、シンカーを引っ張るような小細工もしやすいですね。
とくに、イカが引っ張た感じを明確に表現してくれるのが印象的でした。
tsuki
オモリグは投げること(飛距離)に注目されがちですが、大切なのはハリスを張ってエギを安定させることだと思います。
それがしやすいロッドでしたよ。

実際、オモリグ初挑戦のしみけん氏も一投目から遠投ができて、アタリも取れていたので、ビギナーの方でも使いやすいのは間違いないはずです。
tsuki
釣果を伸ばそうと思うとオモリグは必須なので、ベイトタックルしか持っていない方はぜひ手に取ってみてください。

じつは、ロケとは別日にS610MH-solidも使っていました。
こちらは20〜30号のシンカーをメインに、MAX40号まで対応できるスペックです。
S610M-solidよりもバットが強く、25〜30号がメインならS610MH-solidを選ぶのが良いと思います。
tsuki
イカメタルと違ってキャストをするので、実際に使う上限ウエイトに合わせて選ぶのがおすすめです。
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS S610M-solid
全長(ft) | 6'10" |
---|---|
自重(g) | 104 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 109 |
適合スッテ(号) | 10-30 |
先径(mm) | 0.8 |
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS S610MH-solid
全長(ft) | 6'6" |
---|---|
自重(g) | 110 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 109 |
適合スッテ(号) | 12-40 |
先径(mm) | 0.8 |
これは買って損なし。

もちろん、「このロッドを使えばたくさん釣れる」と言うつもりはありません。
ただ、2万円ちょっとでこれだけの実釣性能が手に入るのは、非常に魅力的だと思います。
ロッド選びに悩んでいる方は、ぜひ一度手に取ってみてくださいね。
撮影:tsuki
Sponsored by GAMAKATSU PTE LTD
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS B66M-solid
全長(ft) | 6'6" |
---|---|
自重(g) | 110 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 104 |
適合スッテ(号) | 8-25 |
先径(mm) | 0.8 |
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS B66MHsolid
全長(ft) | 6'6" |
---|---|
自重(g) | 112 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 104 |
適合スッテ(号) | 10-30 |
先径(mm) | 0.8 |
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS B66H-solid
全長(ft) | 6'6" |
---|---|
自重(g) | 118 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 104 |
適合スッテ(号) | 12-40 |
先径(mm) | 0.8 |
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS S610M-solid
全長(ft) | 6'10" |
---|---|
自重(g) | 104 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 109 |
適合スッテ(号) | 10-30 |
先径(mm) | 0.8 |
がまかつ ラグゼ スピードメタル SS S610MH-solid
全長(ft) | 6'6" |
---|---|
自重(g) | 110 |
継数(本) | 2 |
仕舞寸法(cm) | 109 |
適合スッテ(号) | 12-40 |
先径(mm) | 0.8 |