WAKE UP THE HERO!! “PR100”
黒いボディに真っ赤なスプール。控えめに言ってカッコ良すぎるベイトリールが2021年5月、発売されました。
にもかかわらず、イマイチ話題に上がらないのはエントリークラスの宿命といったところでしょうか。
今回は発売と同時に釣具屋にカッ飛んで購入した筆者が、リアルな使用感をレビューしていきます。
スペック
品番 | 自重(g) | ギア比 | スプール径(mm) | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 最大ドラグ力(kg) | ナイロン糸巻量(lb-m) | 本体価格(円) |
100 | 190 | 6.3 | 33 | 65 | 5 | 12-120、14-110 | 5,600 |
100L | 190 | 6.3 | 33 | 65 | 5 | 12-120、14-110 | 5,600 |
100(3.5号糸付) | 190 | 6.3 | 33 | 65 | 5 | 12-120、14-110 | 6,400 |
驚くべきはその価格。店頭価格は圧巻の4,000円台で、むしろ「これ大丈夫なの?」と不安に思う人が多いかも知れません。
なんだかんだでハイエンドを使用することの多い筆者も、ある意味“怖いもの見たさ”で購入した節がありますが、その期待はいい意味で裏切られました。
初心者に文句なくおすすめ
ともかく、せっかちな人のために今回のレビューで伝えたいことを先に書いておきます。
PR100は、バス釣りをこれから始めたいという人、ベイトタックルにトライして脱・初心者を目論む人には文句なくおすすめできます。
PR100はレギュラーサイズの巻き物に特化したスペック
さて、バス釣りにおけるベイトリールの役割とは何か?
それにはたくさんの答えがあります。まず第一に思いつくのは“持ち前のパワーを利用した巻き物を遂行するための道具”としての役割でしょう。
PR100はクランクベイトやスピナーベイトなど、バス釣りを代表する巻き物全般を快適にこなせるスペックに仕上がっています。
立ち上がりとラインキャパを両立する33mm径スプール
スプールのサイズ、つまりスプール径とラインのストック量は、扱えるルアーの重量や種類を決定する重要な要素です。
ギア比(スピード)や自重に関しては、人によって意見が違うため「好み」の範疇となる場合が多いのですが、スプールサイズと使用するルアーウェイトの関係性については議論の余地がありません。
PR100には、近年のバス釣りにおいてど真ん中というべきサイズのスプールが採用されていて、たとえば3/8oz.(10g)〜1oz.(28g)程度の巻き物系ルアーをキャストするのに最適です。
また、使用頻度の高い12lb.〜16lb.のフロロカーボンラインが十分にストックできる、ラインキャパシティを備えています。
ちなみにスプールの材質はアルミ合金で、精度も十分。
巻き物を支える、飛ばせるブレーキシステム
巻き物といわれる釣りは、横方向にルアーを泳がせてバスを広く探す釣り。基本的には飛距離が出せるに越したことがありません。
ダイワといえば「SV」や「マグフォースZ」といった、リール本体のブレーキマグネットと、スプールに取り付けられたインダクトローター(可変機構)の組み合わせによって、さらにはキャストスピードによっても性質が変化するブレーキシステムが有名ですね。
ところがPR100はそんな複雑なブレーキシステムではなく、シンプルな「固定マグネット方式」。ダイヤルの目盛りとブレーキの強さが、“ほぼ比例関係にある”というわかりやすいシステム。
むしろ巻き物にしか使えないギアレシオ6.3
もちろんギア比が問題なのではありません。
スプール径(33mm) x 円周率(3.14) x ギアレシオ(6.3) = 最大巻き上げ長約65cmという計算です。
安心して使えるビルドクオリティ
いくら使いやすい道具でも、長く使えなければ意味がありません。
PR100は、価格の安さからは想像もできないほどにビルドクオリティが高く、いかにも高剛性な感じが伝わってきます。
樹脂ボディと侮ることなかれ
ちなみにボディは外装、メインフレームともに樹脂製です。
そう聞くと、とたんにネガティブな反応を示す人が多いのですが、この際言っておきます。
そもそも樹脂=弱いという認識自体が間違いで、はるかに過酷な環境下で使用される車のエンジンや軍用品にも、成分の違いこそあれ樹脂が利用されています。
とにかく、一度触ってみてください。めちゃくちゃカッチリしていますから。
傷つくことを恐れない、ラフな運用が可能
筆者はむしろ「ロッドに傷がつかないように、リールを下にして置く」ぐらいなので、そもそもリールに傷がつくことを気にしてすらいませんが、それを極端に気にする人が多いのも事実。
ハイエンドのハンドルより安いPR100なら、気負いすることなくラフに扱えるので、ベテランの方にもおすすめです(笑)
まとめ
「工業製品は高価なものを使っておけば間違いない」
その考え方はズバリ正解ですが、生産技術の進歩は廉価帯にこそ強く現れます。PR100は道具としての側面だけを見れば、さながら“ひと昔前のハイエンド”。
使い方を間違えさえしなければ、初心者から中級者、果てはハイエンド製品に物足りなさを感じつつある『玄人』にもおすすめできえる、トンデモリールと言っていいでしょう。
バス釣りをこれから始めたいという人、ベイトタックルにトライして脱・初心者を目論む人は、つべこべ言わずにPR100で巻き物をやってください。ますます楽しくなること間違いなしです!
ダイワ PR100
ライタープロフィール
MONSTER
大阪府大阪市在住。インテリバサーを志す、グランダー武蔵世代。関西を舞台に、「考えるバス釣り」を楽しむ理論派ブログ戦士。勢いあまって、机の上で釣りを終えることがほとんど。ボート、おかっぱり、どっちも好きです。バス釣りブログ「BassGo!」の管理者。