離島遠征のリアル!IN 三宅島
釣り人ならば、一度は憧れるであろう“離島での釣り”。
離島=パラダイスと表現される事が多いですが、果たしてそれは本当なのでしょうか!?
今回は事前の釣果情報一切なしで体験してきた離島遠征のリアル(2泊3日)を、ポイント紹介と合わせながら、時系列に沿ってお送りいたします。
三宅島について
三宅島(みやけじま)は、伊豆諸島の島で、東京都の本州島側地域から南海上175kmの位置にあります。
2000年の雄山(おやま)噴火のニュースはまだ記憶に新しいですが、現在は釣り・ダイビング・バードウォチングなどの名所として多くの来島者で賑わいをみせています。
島を一周する道路は約30キロ。車なら約1時間で島を一周する事ができます。
三宅島は魚の宝庫!?
黒潮が直接あたる三宅島の海域は魚の宝庫、その魚影の濃さや魚種の豊富さを求めて、毎年多くの釣り人やダイバーが訪れ
ヒラマサ・カンパチなどの大型回遊魚や、色鮮やかな熱帯魚、ウミガメなど様々な生き物と出会うことができます。
引用:三宅島観光協会
「三宅島 釣り」と画像検索をすれば、大型の青物を誇らしげに掲げる釣り人の写真が目立ちます。
もうワクワクが止まりません!
【釣行前夜】22:30 東京・竹島発
釣行日の前夜の21:30。
ゆりかもめ“竹芝駅”から徒歩すぐの竹島ターミナルに集まった我々一行。(TSURI HACK編集部のOとKパイセン)
三宅島へは東海汽船の大型客船(橘丸)にて渡島します。
乗船の手続きや※食事の買い出しなど、余裕をみて出発時刻の1時間前に集合しました。
※船内はレストランなどの施設が充実しています。
所要時間
夜22:30 東京出発 →→→ 翌朝5:00 三宅島到着
約6.5時間の船旅です。
料金
客室の等級によって料金が変わります。
2等(大部屋)なら片道:※6,360円からあり、※12,720円で往復できます。
荷物について
詳しくは、東海汽船の手荷物料金表に準じますが、リュック(手荷物)、ロッドケース(10.6ft)、クーラーとBOXが積まれたキャリーといったセットは追加料金は発生しませんでした。
ロッドなどの大きの荷物は、船内の手荷物置場に置くことになります。
乗船も済み……
乗船も済み、一息着いたところで、船内の自動販売機でハイボールを購入。
去る東京の夜景を眺めながら、これから訪れるパラダイスに思いを馳せる。フェリーでの旅もオツなものです。
【釣行1日目】05:00 三宅島(錆ヶ浜港)着
翌朝の05:00。まだ陽も登らない三宅島の錆ヶ浜港に降り立った我々。
三宅島の玄関口(東海汽船のフェリー発着場)は「錆ヶ浜港・三池港・伊ヶ谷港」の3つの港があり、当日の海況によってどの港に停まるかが決まります。
【注意】フェリーの発着時は釣り禁止!
フェリーの発着時は、乗客の昇降や、貨物コンテナの積み下ろしなど、堤防上には作業をする方が沢山いらっしゃいます。
その時間、堤防での釣りは止め、作業の邪魔にならない場所に移動しましょう。
▼フェリーが発着する堤防の確認方法
三宅島観光協会|東海汽船の定期船に関する質問
錆ヶ浜港について
島の南西にある堤防。フェリーが発着出来るほどの巨大な堤防ですので、水深は深く青物のポイントとしてはもちろん石垣鯛などのポイントとしても有名。
堤防の先端・右側が外洋に面しており、水深は10m以上はあったかと思います。左側が湾内で水深は5mほど。
フィッシングスターティン!
フェリーの出航を待って、そのままの流れで釣りを開始というのがスムーズですが
我々は一度レンタカーを借りた後、再び港まで車で向かいます。
先端にはすでに石垣鯛狙いの方がいたので、我々は右側でジグをキャストする事に。
結構な雨が降りしきる中、ジグ・ジグサビキ・メタルバイブ ・スピンテールジグなど一通りを投げましたが、一向にアタリがないまま2時間が経過。
堤防の様子を見に来た地元のアングラーの方は「この2週間、堤防では良い型(青物)は見てないねぇ」と竿も出さずに帰っていかれました。
今回の遠征釣行に暗雲が立ちこめます。
程なくして、Kパイセンの竿にアタリが!
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エ、エソダァァァァァ!
※ちなみにエソはこの釣行を通して10匹は釣れたと思います(笑)
そして、湾内にスピンテールを投げていた私の竿にもヒット!
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ヲ、オジサンダァァァァァ!
いくら離島とは言えどダメな時はダメって事だね
三宅港へ移動>>>
強まる風と雨。
とても釣りが出来る状態ではなくなってきましたが、今後の為にも他の港の様子を見て回る事に。
道すがら磯も偵察
地元の人によると、「ここ最近で良い青物が出ているのは“磯”だけ」との事だったので、事前にグーグルマップで目星をつけておりた磯を見て回る事に。
ですが、入ろうとする磯の岩のデカイこと!デカイこと!
火山島なので当然なのかもしれませんが、想像以上の大岩と断崖絶壁が我々の行く手を阻みます。
ようやくエントリー出来そうな磯を見つけるも……。
写真ではわかりづらいかもしれませんが、磯はウネリが酷くとても降りられる状態ではありません。
三池港に到着するも…
強風の影響で、三池港に入るゲートが閉鎖されていました。
しかも風向きは最終日まで同じような予報。
我々は初日にして三宅港での釣りを断念せざるを得ませんでした。
三池港について
島の東側にある巨大な堤防で、同じく東海汽船のフェリーの発着地です。餌釣りはもちろん、ショアジギング、エギングのポイントとしても有名です。
取材日を通して東からの強風が続いた為、最後まで三宅港には入れず仕舞い。実は最も期待していたポイントだっただけに残念です。
当然ポイントの写真もなく今回はジオラマでごめんなさい。
伊ヶ谷港へ移動>>>
東からの強風を避ける為、島の北西にある伊ヶ谷港を目指します。
伊ヶ谷港について
島の北西にある巨大な堤防で、同じく東海汽船のフェリーの発着地です。
堤防の内側は、漁船などの船着場になっています。水深は5m程でしょうか。エギングやライトゲームが楽しめそうです。
湾内でミニジグをキャストしていたKパイセンの竿にヒットしたのはメアジ。これも本土ではあまり見かけないお魚です。
レアなお魚の姿にKパイセンも思わずニンマリ。
港の入り口までしか車を停められない為、徒歩で堤防の先端まで向かいます。
堤防の先端にポツンと人影が見えるでしょうか? それくらい巨大な堤防です。
堤防の先端・両サイド含め外洋に面しています。水深はどこも10mを越えていたので、全面がショアジギングのポイントと考えて良いでしょう。
ここでも2時間程粘りましたが、青物のアタリはなし。
ただ、非常に有望なポイントに見えたので、明日の朝マズメに望みをかける事にしました。
夕マズメは、本日唯一魚っ気のあった錆ヶ浜港へ戻ります。
再び錆ヶ浜港へ>>>
夕マズメ。ようやく晴れ間も見えましたが、狙いのポイント(堤防先端の右側)にはすでに数名の釣り人が。
我々は堤防のサイドでジグを投げるもアタリはなく、ライトゲームに切り替える事に。
ジグヘッドリグをキャストしていた私の竿にアタリが!
大物の予感だ!!!
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ヤ、ヤガラダァァァァァ!
いくら離島とは言えどダメな時はダメって事だね!
ってこのくだり今朝もやったよね?
初日はここにて終了。
青物の釣果こそありませんでしたが、離島らしさが感じられた1日目でした。
【釣行2日目】 伊ヶ谷港→→→錆ヶ浜港で青物GET⁉︎
2日目は早朝から伊ヶ谷港で釣りを開始。
天候は、昨日とは打って変わって“快晴”。
堤防は貸し切り状態で、自然とキャストにも気合が入ります。
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日が完全に登るまでキャストをし続けましたが、完全なる無。
私もシャクりすぎて、ロッドエンドを挟んでいた脇から血が出るんじゃないかと思いました。
いくら離島とは言えどダメな時はダメって事だね!
ってまたこのくーだーりー!!!
風も強まり、ストップフィッシング。
帰りしな「地元のルアーの若者が堤防にいない時は、釣れてないって事だね〜」と餌釣り紳士が教えてくれました。
やはり今回の旅は日が悪かったようです。
小さな漁港へ>>>
夕マズメまで何もしない訳にもいかないので、風を避けられそうな、小さな漁港でライトゲーム開始!
すると早速、ワームのジグヘッドをキャストしていたKパイセンにヒット!
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ショ、ショゴだ!(カンパチの幼魚)
サイズはともあれ初青物GETです!
再び錆ヶ浜港へ>>>
この島で迎えられる最後の夕マズメは、やっぱり唯一魚っ気のあった錆ヶ浜港。
運よく堤防の先端にも入れ、目の前には潮目ができています。
「これはかなり期待できる!」とキャストを続けていると
Kパイセンの竿が大きくしなっています!
大物の予感だ!!!
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ヤ、ヤガラダァァァァァ!
ちなみに、この後も連続でヤガラを釣り上げたKパイセン。
計3匹のヤガラを釣り上げ、無事“ヤガラー”の称号を手する事ができました。
もう、我々にはヤガラしかないのか……
諦めかけたその時!
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ツムブリと
ショゴが釣れた。
ツムブリダァァァァァ!って言わないんだ(笑)
何はともあれ釣れてよかったです!僕は1匹も釣れてませんが(笑)
Kパイセンの怒涛の追い上げで終わった2日目。
あと釣りが出来るのは、最終日の朝マズメのみ。
そこに全てを賭けます!
【釣行3日目】錆ヶ浜港でフィナーレ
最終決戦の地に選んだのは、やはり前日の釣果があった錆ヶ浜港。
丁度、宿の駐車場から港の様子が見れた為、諸々の作業が終わる(ゲートが開く)のを待ちます。
ゲートが開きすぐに向かいましたが、先端には今朝フェリーで来島したあろう石垣鯛狙いの御一行が。
ベストポイントには入れませんでしたが、我々はサイドから釣りを開始します。
今回も昨日と同様に、いい感じの潮目が入っています。
10分程キャストを続けると……私の竿にヒット!
これはヤガラじゃない!!!
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ナ、ナンヨウカイワリダァァァァァ!
サイズこそ小粒でしたが、ようやく青物がヒットしてくれました。
↑この顔が、今回の旅の過酷さを物語っています。
Kパイセンもヒット!
キャストする度に、ゴゴンッ!といったアタリが連発します。
と息巻いたのも束の間。
その時合いは30分ともたずに終了。
帰りの便は13:35出発でしたが、帰宅の準備もあり、我々は釣りの全日程を終えました。
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〜総括〜
いくら離島とは言えどダメな時はダメって事だね!
って何度するのーーー!このくだり!
事前の釣果情報一切なしで挑んだ離島遠征。
“釣果情報の大切さ”を肌で感じつつも、地元の人が竿を出さない時期においても、青物を釣ることが出来たというその事実。
帰りのフェリーで、石鯛釣りの御一行と話しをしましたが、皆さん毎週のように東京から“日帰り”で来られているそうです。
そこまで釣り人を夢中にさせてしまう何かが、この三宅島にはあるようです。
離島遠征には夢がある
そして
ヤガラが結構釣れる
今回のタックル
編集部K
ロッド:ディアルーナ S106MH(シマノ)
リール:20ストラディック 4000XG(シマノ)
ライン:PE2号+フロロリーダー7号
編集部O
ロッド:ディアルーナ S100MH(シマノ)
リール:20ツインパワー 4000XG(シマノ)
ライン:PE1.5号+フロロリーダー5号
今回は、ライトショアジギングタックル+40gのジグをメインに持って行きましたが
40gでは潮流の影響で、底が取れない状況もザラにありました。
カンパチなどを確実に取りたい方は、ライトショアではなく、ショアジギングタックルをオススメします。
今回のヒットルアー(青物)
左右対象のセンターバランス設計の万能型ジグです。
ただ巻きでは安定したスイミング、ジャーク時は機敏なアクションを発生。フォール時は安定した水平姿勢でじっくり魚にアピールできます。
この秋、ダイワから発売された新商品。ロックショアでの使用感をウリにしているみたいですが、堤防のライトショアジギングにもオススメです。
超人気のセンターバランスのメタルジグです。
ただ巻きではボディを大きく捻らせるローリングアクションでフラッシングを発生させながら泳ぎます。
ジャーク時は飛び過ぎない程度にスライドし、フォール時はゆっくりした水平姿勢で喰わせる間を演出します。
今回のお宿
三宅島ホテル海楽
錆ヶ浜港に程近いお宿で、宿の駐車場からは港の様子を見る事も出来ます。
船釣りサービス、地磯への案内サービス、釣具コーナーなど、釣り人の為のサービス・設備が充実しています。
朝食はお弁当にも変更可能で、釣った魚を料理してくれるサービスなどもあります。
今回の交通手段
東海汽船
本土と伊豆諸島の島々を繋ぐ東海汽船。東京だけでなく、熱海や下田からも船が出ています。
今回は三宅島でしたが、大島・式根島などは、大型客船だけでなく高速ジェット船も就航しています。フェリーでのんびり行くもよし。高速船でサクッと行くもよし。
アクセスもとくだん難しいことはなく「意外と離島って身近なんだなぁ」と感じました。