オールドリールの素晴らしさ

皆さんはオールドリールというジャンルをご存知でしょうか?
発売されてから長い年月が経過したリール達のことで、物によっては「自分よりもリールが年上」なんてことも。
そんなオールドリールには、現代のリールでは味わうことができない魅力があります。
カーディナル33

今回ご紹介するのは、アブガルシアから1975年に発売された「カーディナル33」というリール。
インスプールタイプと呼ばれるスピニングリールで、当時の日本でも非常に人気があったのだとか。
1989年に復刻版がリリースされ、2003年にも再復刻されました。

75年の発売から復刻のたびに若干の仕様変更が施されているため、75年製のオリジナルはかなりの価値があるそうです。
ちなみに、ぼくのカーディナル33はおそらく89年の復刻版。
ぼくが1990年生まれなので、カーディナル33の方がひとつ年上です。
正直なインプレッション

そもそも、オールドリールの性能を語るのは野暮なことなのですが……
ここはカーディナル33を知らない方のためにも、リールとしての性能を正直にお伝えします。
ヘビー級の重さ

カーディナル33は現代のリールで言うと1000番くらいのサイズです。
1000番サイズでありながら、その重量はなんと220グラム。
お世辞にも軽いとは言えませんよね。
巻き取りが遅くて重い

カーディナル33のギア比は5.1:1とローギアな上、スプール径が小さいので巻き取りスピードがかなり遅いんです。
さらにベアリングもひとつしか搭載されていないため、ズッシリと重い巻き心地。
流れの重さを感じるような繊細な釣りは難しいです。
ライントラブルが起こりやすい

スプールに巻かれたラインの状態を見てもわかるように、ラインをキレイに巻くことができません。
さらに、ラインローラーの回転が悪く、ライントラブルが頻発します。
中でもカーディナル33特有なのが、スプールの上のボタンに糸を巻き取ってしまう謎のトラブルです。
ジージー音がする

古いリールによくある、ハンドルを巻く時のジージー音。
カーディナル33もしっかりと鳴ります(笑)
現代のリールに慣れているとかなり気になるかも。
それでもカーディナルを使う理由

お世辞にも使いやすいとは言えないリールですが、それでもカーディナル33を使うのには理由があります。
ぼくがカーディナル33に惚れ込んでいるワケをご紹介させていただきますね!
レトロでかっこいい

無骨でブリキのおもちゃのようなレトロな見た目。
そんな見た目がとにかくカッコイイ!
現代のリールにはないかっこよさをカーディナル33は持っています。
道具を使いこなす面白さ

ライントラブルが起こりやすいカーディナル33も、操作しだいではトラブルなく使うことができます。
かなり気を使いますが、使いにくいからこそ“使いこなす面白さ”があるんです。
「手が掛かる子ほど可愛い」みたいな感じですね(笑)
渓流の雰囲気にマッチ

あくまでぼくの感覚ですが、カーディナル33は渓流の雰囲気にかなりマッチしていると感じています。
渓流の透き通った水や岩、枯れ葉、木々などの景色に違和感なく馴染んでくれるんです。
ついつい写真を撮りたくなってしまうような、そんなリールがカーディナル33です。
メンテナンスが簡単

古いリールなので、現役で使い続けるにはメンテナンスが必須です。
現代のリールとは違い、カーディナルは分解がかなり簡単。
ボディ右側のネジを外すだけでギアのメンテナンスが可能です。
カスタムパーツも多い

カーディナル33はオールドリールの中でもファンが多いリールです。
そのためか、ドレスアップパーツから機能を向上させるための小さなパーツまで、カスタムパーツがたくさんリリースされています。
ぼくはオリジナルの見た目を崩さないようにしつつ、ベールの角度を変えるカスタムを施しています。
かっこいい写真をご紹介

それでは、皆さんにカーディナル33のお気に入りの写真をいくつかご紹介します!

水に浸かる魚とカーディナル33。
落ち葉と水と魚との一体感がお気に入りの一枚です!

降り注ぐ太陽と渓流とカーディナル。
ここまで渓流が似合うリールはカーディナル33しかないと思っています。

これは相方が一眼レフカメラで撮影してくれたキャストの瞬間。
カーディナル33と背景の川の流れ、そして弧を描くロッドが最高!
最新リールでは味わえない魅力が詰まっている

カーディナル33には現代のリールでは味わえない魅力と面白さが詰まっています。
一度手にしたらその魅力の虜になってしまうはず!
皆さんもぼくと一緒にカーディナル愛好家になってみませんか?