絶品のイシダイ料理
イシダイは各地で高級魚として扱われています。しかし実際に食べた経験がある人は少ないのではないでしょうか。磯魚は流通量が極端に少なく、イシダイも例外ではありません。絶品のイシダイ料理と美味しく食べるコツをご紹介します。
白身のトロ
イシダイは『白身のトロ』と形容され、旬を迎える冬には、脂で身がまっ白。1キロ程度までのやや小ぶりな個体が美味しく、大きすぎる個体は磯臭いことがあります。磯魚ゆえに“活き締め・血抜き”が味を大きく左右。体内に血が残ってしまうと、磯臭さが出てしまいます。
刺身
イシダイ本来の味を楽しめます。白身魚とは思えないほど濃厚なうま味を持つため、岩塩で頂くと絶品。醤油を合わせるときは、イシダイの味に負けない、たまり醤油がいいでしょう。身に弾力があって脂がのるため、2日か3日寝かせて熟成することでうま味が伸びます。
焼き霜
皮目を炙った造りで、皮と身の間に脂を蓄えるイシダイは非常に美味。イシダイの皮は弾力があり、炙ることによって香ばしさと食感を楽しめます。皮が固くなる大型は向きません。なるべく『目が小さく見える』個体を選ぶと、脂がのっていて美味しいです。
煮つけ
大型が手に入った際は煮つけがおすすめ。味が濃い魚ですのでやや濃い目の煮汁で甘辛く炊くと美味しく、噛めば噛むほど味があふれ、他の魚の煮つけとはまったくの別物。薄味に仕上げると、イシダイのクセが際立ってしまうことがあります。
イシダイの流通状況
幼魚は安価ですが、成魚は1キロあたり2000円の卸値を割ることはありません。定置網や刺し網で漁獲されますが、網を入れづらい磯に生息するため、わずかな漁獲数。成長速度が遅く養殖が難しいため、流通する個体はほとんど天然ものです。
毒がある!?
イシガキダイとともに、大型の個体はシガテラ毒の危険性が指摘されています。シガテラ毒の有無は見た目で判断することができず、加熱での無毒化もできません。日本ではサンゴ礁が発達する沖縄での発症事例が多く、温暖化の影響により発生域が北上しているといわれます。
シガテラ毒についてはコチラ