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石鯛とシュークリーム

シュークリームを食べる!イシダイの不思議な生態と人との関わりに迫る

イシダイは日本近海に生息する大型魚で、磯釣りのターゲットとして有名です。高級魚なのに魚屋さんで売られていない!?シュークリームを食べる!?ツナミ・フィッシュ!?イシダイの不思議を徹底解説。イシダイが可愛くてたまらなくなるはずです。

目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

イシダイについて

石鯛の画像

出典:PIXTA

イシダイはスズキ目スズキ亜目イシダイ科に属する、大型肉食の海水魚。『磯の王者』の異名を取り、古くから磯釣りのターゲットとして愛されてきました。磯釣り以外でのなじみは薄い魚ですが、食通の間では絶品と知られます。また、知れば知るほど不思議な生態を持つイシダイ。今回はイシダイの奇妙な生態と、人との関わりに迫ります。

イシダイの特徴

石鯛成魚の画像

出典:PIXTA

体高が高い木の葉状の体形で、名前の由来となった“石をも砕く”くちばしが外見の特徴。若魚時代に明確な縞模様は、成長とともに薄れ、くちばしは真っ黒に変化します。

イシダイの生態

石鯛生態の画像

出典:PIXTA

食性は肉食で、海底付近を泳ぎ回り、甲殻類や貝類を主に捕食。くちばしで固い貝類を積極的に食べるイメージに反し、実際は小さなエビやカニを好んで捕食します。

産卵期は春で、仔魚は藻に付着し、プランクトンを食べながら漂流。3センチほどに成長すると海底へ住処を移し、ウニやフジツボを捕食し始めます。成長速度が非常に遅く、60センチに成長するまで20年以上を要するという研究結果もあります。

イシダイの生息域

石鯛生息域の画像

撮影:TSURIHACK編集部

北海道南部から九州までの磯や浅い岩礁に生息。適水温は18度から24度で、超大型は伊豆半島や紀伊半島、四国南部で釣獲されています。

東京都伊豆諸島や高知県足摺岬周辺、長崎県五島列島は磯釣り師憧れの釣り場。大型の着く磯は限られており、同じ磯釣りターゲットのグレよりも釣れる磯が少ないといわれています。

イシダイの地方名

サンバソウの画像

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イシダイは幼魚と成魚で外見が大きく異なるため、それぞれに地方名があります。幼魚は西日本ではサンバソウ、東日本ではシマダイ。老成魚はクチグロやギンワサと呼ばれます。

学習能力が高い?

石鯛幼魚の画像

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好奇心旺盛で学習能力が高いといわれるイシダイ。水族館ではイルカのように訓練し、輪くぐりやおみくじを引く芸を披露。トゲが鋭いウニは、口から水流を吹きかけて裏返しにし、トゲのない部分から食べているようです。

飼育下では海には存在しない物もエサと認識し、昆虫やケーキ、シュークリームも食べることが確認されています。人にも慣れ、エサを求めて寄ってくる姿は愛嬌たっぷりです。

ツナミ・フィッシュ

ツナミフィッシュの画像

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『ツナミ・フィッシュ』と呼ばれたイシダイがいます。東日本大震災の津波で流された日本の漁船『斎勝丸』の貯蔵庫には、イシダイの仔魚を含んだ海水が充満。約2年後に斎勝丸はワシントンの海岸で発見され、なんと貯蔵庫には稚魚に成長した5匹のイシダイが泳いでいました。

侵入種となる恐れがあったため、4匹は殺処分されてしまいましたが、1匹はオレゴン州のシーサイド水族館で飼育されています。

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