投げ釣りとは
投げ釣りは仕掛けを遠投し、遥か沖や深場から魚を釣り上げる釣法です。主な釣り場は「サーフ」と呼ばれる海岸沿いの砂浜になります。投げ釣りは釣法の一つではありますが、※キャスティングの飛距離を競う大会が開催されたりと、スポーツ的な側面も持っています。
投げ釣りで釣れる対象魚
投げ釣りのターゲットは沖合いを回遊するキスやカレイ(マコガレイ・イシガレイ)など底物(海底にすむ魚)がメインとなります。その他にもカサゴ・イシモチ・アナゴ・ハゼ・ベラ・マゴチなども釣る事が出来ますが、投げ釣りの代表格と言えばキス・カレイと言えるでしょう。
時期
キスは夏のイメージが強いですが、水温が暖かくなる3月中旬から11月あたりまでがシーズンです。カレイは低水温を好みますので、11月から4月あたりがシーズンと言えるでしょう。※地域によって釣れる時期は前後します。釣行の際には近くの釣具屋、釣果情報サイトで最新の釣果を確認すると良いでしょう。
時間帯
投げ釣りは朝マズメから午前中いっぱいまでが狙い目です。これは魚の活性が日が昇るにつれ下がるというのもありますが、昼間は海風が陸地に向かって吹くのでキャスティングがしにくいと言った面もあります。
キスの釣り方
キスは動く餌に反応すると言われており、サビいて誘う方法がポピュラーです。サビくとは常にラインを張りながらリールを巻き、仕掛けをズルズルと手前に引いてくる方法です。サキくスピードは10秒でリールのハンドル1回転を基本とし、その日の魚のアタリ方を見て、遅くしたり・早くしたりと調整をしていきます。
カレイの釣り方
カレイはキャスティング後、竿を置いてアタリを待つ「置き竿」方式で狙います。カレイに出会う確立をあげる為、竿を複数用意し、三脚に立てかける方法がポピュラーです。
ちょい投げとの違いは?
投げ釣りは100グラム前後の重いオモリを利用し、投げ釣り専用タックルを用い100メートル以上を飛ばす釣りです。対してちょい投げはライトタックルを用い、遠くても10~60メートルの範囲を狙う釣りになります。
投げ釣りで遠投するには
竿に対して適切な重量の錘を使う
市販の竿には『錘負荷』が必ず設定されています。投げ竿であれば快適にキャスティング出来る重量を意味し、設定された重量の範囲で一番飛距離が出るという事になります。
遠投のために錘を重くするという考え方もありますが、基本的に錘負荷以上の重量は竿の反発力を殺してしまうばかりか、竿の破損にも繋がるため避けるのが賢明でしょう。
一般的には、設定された錘負荷の中間、20~30号負荷の竿であれば25号程度の重量が竿の反発を楽に得られ、かつ反発力も殺さない飛距離の面でも最適な重量となります。
ラインをPE+力糸のシステムに変える
海釣りではナイロンラインとPEラインが一般的に用いられますが、遠投を考慮するとPEラインに軍配が上がります。ナイロンと比較するとPEラインは細く、軽く、強く出来ているため、圧倒的に細く抵抗が少ないラインで同じ重量をキャスト出来るのです。
注意が必要なのは、伸びの少ないPEラインはキャスト時の急速な荷重で切れてしまう事。少々面倒ですが、力糸を介したラインシステムを組むことでこの問題は解決できます。この手間を考慮しても、PEラインは飛距離の面で圧倒的に優れた性能を持っています。
ロッド全体を曲げられるスピード・フォームを体に染みつける
キャスティングの基本的な原理は、テイクバックスイングの遠心力と錘の負荷で竿を曲げる→発生した反発力を瞬時に放って仕掛けを飛ばす、という事に尽きます。遠投が出来ていない場合、殆どにおいて『ロッド全体』を曲げ切ってキャストすることが出来ていません。
手持ちのタックルで一番ロッドを曲げ切ったキャストができるフォーム、キャスティングスピードがどんなものか、試しながら体に覚え込ませるのが遠投への確実かつ一番早い道であると言えます。
おすすめの投げ竿
投げ釣りは遠投するための長さと、重いオモリに耐えるパワーのある専用竿が必要です。長さは4.05m前後が基準となり、背負えるオモリの重さを表す「錘負荷」は25~30号程度である必要があります。
ダイワ プライムサーフ T27-405・W
投げ釣りに適したリール(投げ・サーフ)
投げ釣りは、普通のスピニングリールではなく「投げ釣り専用」のリールを用います。専用リールは大きいスプールとその形状で飛距離が出やすい構造になっている他、キスやカレイはドラグが無くても竿を持っていかれる事がない為に、ドラグ機能がついていなといった特徴があります。
ダイワ ファインサーフ35 太糸
投げ釣りに適したライン
リールに巻くメインライン(道糸)には、ナイロン又はPEを使用します。より遠投したい場合は飛距離の出るPEラインを使用します。初心者の方はナイロンでも構いません。
■遠投にPEライン
デュエル HARDCORE X4 投げ
■初心者におすすめナイロンライン
ダイワ サーフキャスター4色ラインR 200m
力糸
投げ釣りは27号(約100グラム)前後の重いオモリを遠投する為、キャスティングの瞬間に強い力がかかり、ラインが切れてしまう事があるので、道糸と天秤仕掛けの間に10メートル程の「力糸」をはさみ、糸切れを防止します。力糸の太さは3~12号と1本で太さが変わるテーパー状になっています。道糸が3号なら、力糸は3~12号といった具合になります。
サンライン Newテーパーちから糸投げ 75m
仕掛け
キスは天秤から枝分かれした複数の針がついた、天秤仕掛けを使用します。シロギスは群れで泳ぐため、1回のヒットで複数のシロギスが掛かる事を想定し、多くの針がついています。
■天秤先のオモリにおすすめ
ダイワ フロートシンカーW

カレイの仕掛けもシロギスと同様の天秤仕掛けですがカレイは群れで泳がない為に、針の数は少なく、ハリスも太めに設定されているものが多いです。
投げ釣りの魅力
投げ釣りは自分で釣った魚を食べれるのはもちろん事、高い飛距離を叩き出した時の爽快感が良いという人もいれば、海辺で静かにアタリを待つ瞬間が好きだという人もおり、釣りを行う各々で感じる魅力が違うのも、この釣りの特徴と言えるでしょう。是非みなさんも投げ釣りに挑戦して、その魅力を感じてみて下さいね!