釣りの時間帯「夜間」
夜に釣れる代表的な魚には、アオリイカ、太刀魚、クロダイ、シーバス、カサゴなどの根魚等が挙げられます。これらの魚は夜行性であったり、その性質が強い魚と言えますが、逆に昼行性の魚であっても、夜に釣れやすいと言われる事があります。
それは一体何故なのでしょうか?その理由を考察します。
夜はどうして魚が釣れやすいのか?
■アングラー側が、魚のいるポイントが絞りやすい
漁港内を照らす常夜灯、橋から水面に漏れる街灯の灯り、満月の夜の月明りなど、夜の光の下には光に集まる性質のプランクトンが寄ってきます。
それらを捕食するため、光の下に小魚が集まり、小魚を捕食する大型魚が集まります。つまり「夜だから魚が良く釣れる」のではなく、「夜だから魚のいるポイントが絞りやすく、結果的に良く釣れる」と言ったほうが正しいかもしれません。
■釣り人が減り、人的プレッシャーが下がる
昼間は釣り人の姿に警戒し、岸から離れていた魚も、釣り人が減る夜は岸際に魚が寄って(戻って)きやすくなります。キャストが届く範囲に魚がいれば、とうぜん魚の目の前にルアーをアプローチ出来る確率が高まり、釣れる確率も高まるという訳です。
■夜行性の魚が釣れる
魚には、夜に活発に捕食活動を始める夜行性の種がおり、太刀魚、ウナギ、ナマズなどは、夜に釣れやすい魚と言われています。
昼行性の魚が夜に釣れる理由を考察
■魚の睡眠時間はまちまち
魚の睡眠時間は、数10分単位の短い睡眠を昼夜関係なく繰り返す種もいれば、2~3時間といった睡眠をランダムにとる種もいたりと、種類によって異なる事が分かっています。
ですが、人間のように8時間グッスリという例はあまり耳にしません。その為、たとえ昼行性の魚であっても、夜に起きている時間・時間帯が存在するという事になります。
この前提があれば、昼行性の魚が夜に釣れたり、夜行性の魚が昼に釣れる事はなんら不自然ではないのです。また余談ですが、魚種によっては、泳ぎながら眠っているという種類も存在します。
泳ぎながら眠る回遊魚についてはコチラ
■魚の世界は弱肉強食
魚には、側線(そくせん)とよ呼ばれる、水圧や水流の変化を感じとるための器官があります。その為、暗い場所でも魚同士がぶつかることなく泳げたり、獲物を捕らえる事が出来ると言われています。
また、人間や一部の哺乳類は体外で食料を蓄えておく術がありますが、魚にその術がありません。魚によっては数週間食べなくても生きられる種類もいると言われますが、「食べれる時に餌を食べておく」事は、弱肉強食の世界に生きる彼らにとって、必要な行為であると言えます。
昼行性の魚が夜に釣れ、夜行性の魚が昼に釣れる理由や、お食事タイムと言われる、いわゆるマズメ時以外の時間帯でも魚が釣れる理由は、この辺りにあるのかもしれません。
夜釣りについては以下のリンクで詳しく説明しています。