アイキャッチ画像撮影:山下洋太
外道の定番“ホウボウ”は高級魚!

タイラバやアマダイ釣り、キス釣りなどで外道としてよく釣れるホウボウ。
見た目は可愛いけど、食べて美味しいのかなと躊躇する人も多いのではないでしょうか。
じつはこのホウボウ、めちゃくちゃ美味しい魚なんです!
現在では安価でも手に入りやすくなりましたが、江戸時代には“君魚(きみうお)”の別名で呼ばれる高級魚として人気を集めていたとのこと。
今回はそんなホウボウのおすすめレシピを元料理人の筆者が紹介します。
山下
外道だったとしても、釣れたら絶対にお持ち帰りするべき魚ですよ!
ホウボウのおすすめレシピ3選
①ムニエルアボカドソース

アボカドとヨーグルトで作ったソースの上にホウボウのムニエルを乗せた料理。
ムニエルはよく作るけど、味が単調で飽きてしまった人におすすめのレシピです。
材料(2人前)
- ホウボウ(30cm大の半身)
- ズッキーニ(10cm)
- ナス(1/3本)
- トマト(1/4個)
- 塩(適量)
- 胡椒(適量)
- 小麦粉(適量)
- バター(10g)
- オリーブオイル(大さじ2)
- アボカド(半分)
- ヨーグルト(30g)
- レモン汁(大さじ1)
- 砂糖(小さじ1)

①ホウボウを三枚におろし、切り身にします。バットに乗せて、両面に塩・胡椒をし、上からうすく小麦粉をまぶしておきましょう。

②ズッキーニ、ナス、トマトを1cm角に切ります。

③アボカドの果肉を潰し、ヨーグルト、レモン汁と混ぜます。砂糖、塩、胡椒を入れて味を整えておきましょう。

④フライパンにバター、オリーブオイルを入れて火をつけ、十分に熱したら皮目を下にしてホウボウを入れ、中火で焼きます。皮目が焼き上がったらひっくり返し、身側を中火で焼いていきましょう。
POINT
焼き始めるときは必ず皮目から!
皮がカリッとするまで焼くと食感を楽しめます。

⑤ホウボウが焼き上がったら一度取り出して、フランパンは洗わずそのままで角切りしたズッキーニ、ナス、トマトを入れて焼きます。塩、胡椒をして味を整えましょう。

⑥野菜に火が入ったら、フライパンから取り出し、アボカドソース、ホウボウ、野菜の順に皿に盛り付けて完成です。
山下
アボカドのコク、ヨーグルトとレモンの酸味が組み合わさり、ホウボウとの相性が抜群ですよ!
②ガーリック焼き

スライスしたニンニクでニンニク油を作り、その油でホウボウを焼いた料理。
淡白なホウボウの身にニンニクの香りが移り、食欲を掻き立てるレシピです。
材料(2人前)
- ホウボウ(30cm大の半身)
- ニンニク(1片)
- ミニトマト(2個)
- しめじ(適量)
- 塩(適量)
- 胡椒(適量)
- オリーブオイル(大さじ2)

①ホウボウを三枚におろし、一口大にカットします。バットに乗せて、両面に塩、胡椒をしておきましょう。

②ニンニクはスライスに、ミニトマトは半分に、しめじは石突を切って小房に分けておきます。

③スライスしたニンニクとオリーブオイルをフライパンに入れて、弱火でじっくりと焼いてニンニク油を作ります。カリッとしたらニンニクは一度取り出しておきます。
POINT
ニンニクを強火で焼くと瞬く間に焦げてしまいます。
弱火でじっくりと、旨みを出すようにして火を入れていきましょう。

④ニンニク油ができたらフライパンにホウボウを皮目から入れて、中火で焼きます。皮がパリッとしたらひっくり返し、身側を焼いていきましょう。

⑤ホウボウが焼けたら取り出し、ミニトマト、しめじをフライパンに入れて焼きます。軽く塩、胡椒をして味を整えます。

⑥ミニトマトとしめじが焼き上がったら、皿に盛り付けて完成です。
山下
ホウボウがニンニクの香りをまとい、食欲をそそります!
③大葉巻き天ぷら

一口大にカットしたホウボウに大葉を巻いて天ぷらにした料理。
淡白なホウボウと大葉のスッキリとした香りが交わり、上品な味わいを堪能できるレシピです。
材料(2人前)
- ホウボウ(30cm大の半身)
- 大葉(1枚)
- 水(300ml)
- 全卵(1個)
- 小麦粉(適量)
- 揚げ油(適量)

①三枚におろしたホウボウを一口大にカットします。大葉は半分にカットし、ホウボウに巻きつけます。

②ボウルに水→卵の順に入れ、よくかき混ぜて卵水を作ります。
POINT
卵水を作るときには、必ず水に卵を入れましょう。
卵を水に入れると卵白が溶けにくくなり、ダマになりやすくなるので注意が必要です。

③小麦粉をふるいにかけます。小麦粉と卵水が1:1になるように混ぜ合わせて揚げ衣を作ります。
POINT
混ぜすぎるとグルテンが発生して揚げあがりがボテっとなるため、さっと混ぜることが重要です。

④ホウボウに小麦粉をうすくまぶし、揚げ衣をつけて、皮を上にして190℃に熱した油に入れます。

⑤泡の量が少なくなってきたら揚がったサイン。合計2分ほど揚げたら油から取り出します。

⑥バットで油を切ってから皿に盛り付けて完成です。
山下
鼻から抜ける大葉の香りとホウボウの食感が絶品です!
ホウボウの捌き方もチェック!

ホウボウの料理を堪能する上で、下処理は非常に重要です。
ここでは、下処理の手順を写真とともに紹介していきますので、しっかりと押さえておきましょう。
①うろこを落とす

うろこ取りで全体のうろこを取り除いていきます。
ヒレが長くて邪魔になる場合には、あらかじめハサミなどでカットしておくと良いでしょう。
②内臓とエラを落とす

肛門から包丁を入れて腹を裂き、内臓を掻き出します。

エラの付け根と膜に包丁を入れて、取り除きます。
③流水で洗う

流水で洗います。
汚れや血合などは、きれいに流しておきましょう。
流水で洗った後には、キッチンペーパーなどで水気をしっかりと拭き取ることもお忘れなく。
④頭を落とす

背骨を断ち切って頭を落とします。
⑤三枚におろす

まずは腹側から浅めに包丁を入れ、中骨に当たる「コツコツ」という感覚を維持しながら尾ビレ側まで刃を入れていきます。同じように2〜3回刃を入れて徐々に背骨まで到達させましょう。
腹側の中骨と身の切り離しが完了したら、今度は背側から同様に包丁を入れます。
背側も腹側と同じように切り離したら、最後に背骨に包丁を入れて身を完全に切り離せば半身が完了です。

片面が終わったら裏返し、背・腹と同じようにおろして、三枚おろし完了です。
山下
三枚におろすときは、魚種を問わず腹→背→背→腹の順番が基本です。
外道?いや、本命レベルにウマい魚です!

ホウボウはメインターゲットになることが少なく、釣れると「なんだホウボウか……」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、本命レベルに美味しい魚なんです!
ホウボウが釣れたときには、本記事を参考にして、その美味しさを堪能してくださいね。