どこにでも生えているススキやアシで竿を作ってみた

利根川でアオウオ釣りをしている時のこと。
釣り座の周りには、真っすぐで長いススキやアシが生い茂っていました。
それを見て私は「草を使った釣り竿で魚が釣れないだろうか?」と、思い立ったのです。
編集部O
山根さんの名誉のために補足しますが、記事のタイトルは、竿作りの材料である草と、ネットスラングの「草生えるwww(爆笑の意味)」をかけた私の悪ノリです。
山根
因みに、元のタイトルは「どこにでもある草で釣竿作りに挑戦!思いのほかスリリング。感動あり達成感満載でした。」です!
材料調達してみた
ススキとアシの違い

いざ、刈り取ろうと思うと、恥ずかしながらススキとアシの違いがイマイチ分からないことを自覚します。
刈り取ってみて初めて、ススキの方が丈夫そう、アシの方が軽い気がする……。といった具合にアシとススキの違いが分かるようになりました。
因みに、刈り取った断面を見ると一目瞭然で、アシは中空、ススキは芯が詰まっています。
何事も、触れ合うことが一番勉強になるなって改めて実感しました。
山根
ススキも葦も大変身近な植物ですので苦労せず見つけられると思います。風通しが良く、日当たりの良い場所が狙い目ですよ。
長くて真っすぐしたものを選ぶ

早速刈り取った竿の材料を試しに曲げたり、振ったりしてみると……。
想像通り、あっさり折れてしまいます。
これこれ! ちょっと“難しそうなことに挑戦する感覚”を味わいたかったんですよ。
山根
群生しているススキやアシの中から、長くて真っすぐ伸びている物を選りすぐり、失敗も見越して多めに収穫しました。
竿を真っすぐにします
ススキの皮を剥いで干してみる

切り取ったススキの皮を履いでいくだけで折れてしまわないかビクビクです。
この日は3日間のアオウオ釣行初日だったので、実釣の間、天日に干して乾燥させてみました。
山根
ん? アオウオの釣果が気になるって? それは、ご想像にお任せいたしますw
ススキに熱を加えて真っすぐにする

車に積み込む際にも折れないかヒヤヒヤですが、なんとか無事に持ち帰ることができました。
見事に曲がっていますが、このままでも使えそう……。
とは言え、何事も経験と思い、真っすぐな竿に仕上げるために、炭に火をつけてススキ竿を炙っていきます。

竹竿は熱を加え、タメ木と呼ばれる道具を使うことで真っすぐにするそうなのですが、そんな専用道具は持っていないので、火傷に気を着けながら軍手で力を掛けてみました。
すると、案外真っすぐになっていくんですよ。

じゃーん! 素人が炙っても案外真っすぐになっいてると思いませんか?
お次はアシを真っすぐにしていこうとしたら……。
アシは折れちゃいました

ご覧の通り、クシャッと潰れるように折れちゃいました。
アシは繊細ですね。魚を掛ける前に全部折ってしまわないように集中していきましょう。
装飾してみた
穂先にリリアンを付ける

竿が真っすぐになったところで、穂先に糸を結ぶための“リリアン”というアイテムを被せ、補修糸で固定しました。
リリアンや補修糸は釣具店で購入できます。ススキの穂先は思いのほか太いので、リリアンを付ける場合は太めの商品を選ぶと良さそうです。
因みに、手早く作りたい場合は道糸の直結びでも問題ないと思います。
補強も兼ねてニスを塗って見た

ツヤ出しと補強を目的に、ダイソーで購入した水生ニスを3度縫ってみたりもしました。
山根
ここまでくると、自作釣り竿に愛着が芽生え始めてきます。
近所の川でいざ実釣!
ピシっとしているようで、ヘナヘナしている竿

カーボン素材の竿と違って、力なくベナンっと曲がってしまう感覚ですが、負荷さえ掛かっていなければ思いのほかシャキっとしています。
魚の引きを受けると、どんな曲がりと感触になるのかワクワクしますね!
ソーセージを餌にウキ釣りを試みる

簡単なウキ釣り仕掛けに、餌は魚肉ソーセージを使ってみます。
川に仕掛けを投入すると、餌に気付いた魚達がワァーっと集まってきました!
アブラハヤが釣れて大感動

ウキが勢いよく沈みこんだので竿を上げてあわせると、アブラハヤが掛かってきました!
僅か10cm程度の魚でも竿が折れちゃうんじゃないかってくらいしなる! しなる!
まさに、カーボン竿では絶対に味わえないスリルと感動です。

普段は餌取キャラで悩ましてくれるアブラハヤですが、こうしてススキ竿で釣ってみるとまさに好敵手でした。
山根
毎度、折れそう……、折れそう……、と言いながらも、このサイズの魚に折られることはなく、カワムツも混じりながら大爆釣。初夏の小物釣りを堪能しました。
やっぱり折れちゃった……
スリルを味わいたくて移動

10cm前後のアブラハヤは難なくキャッチすることができたのですが、何尾か釣ったところで、もっと刺激が欲しくなってきます。
釣り人ってホントに身勝手というか、満足を知らないですよねw
ススキ竿の限界を示してくれるような魚が釣れる川の上流域に移動してみることにしました。
イワナとのやり取りにエキサイト

餌のブドウ虫を水面に浮かべると、パシャンと水面を割ってイワナが食らいついてきました!
魚の重みがススキ竿に掛かった瞬間、『あっ!これ楽勝で折られるわ!』そんな危機感をおぼえながらも、竿を立て過ぎないよう必死に竿をかばい、水辺に近づき……
最後はハリスを手繰ってなんとかイワナを釣り上げることができました!
いつもルアーロッドだと、ペンって抜き上げてしまうサイズでしたが、超ハラハラドキドキのスリルを味わえて最高に面白かったです!
最後は折れました

その後、調子に乗ってイワナを釣っていると、ほんの少しやり取りが雑になった瞬間にヘシッと呆気なく折れちゃいました。
竿が折れるこの感触……。滅多に味わうことのない嫌な手応えですね。
山根
竿は折れましたが小さな沢なので、道糸を手繰ってイワナは無事キャッチ。もっと集中して竿を扱わないといけなかったと反省しました。
魚釣りの楽しみ方って沢山ありますね

今回は思い付きの釣り(遊び)をご紹介しましたが、想像を越えたワクワク・ドキドキ感が味わえてとても楽しかったです!
山根
子供でも楽しく挑戦できるので、夏休みの自由研究にも良いかもしれません!