オジサンとは
オジサンはスズキ目ヒメジ科ウミヒゴイ属の魚の名前です。名前の由来は下アゴに髭があり、正面から見ると人間の男性老人のように見えることからきており、漢字では老翁と書くこともあります。体長は30センチ前後で、体色は生息する環境によって赤や紫、黄褐色などに変化することが多く、頭部には暗色の縦縞が1本あります。
生息域・分布と釣れる時期
日本では駿河湾から南の西日本の主に太平洋側や伊豆諸島、南西諸島などの暖かな海に多く分布しています。1年中狙える魚で、沿岸付近の岩礁や砂浜、磯、船など色々な場所から釣ることができます。
生態・性質
オジサンは暖かな海の沿岸部の水深140センチ程度までの砂礫底などに生息し、群れで行動することは少なく単独か数匹で行動しています。甲殻類や軟体動物などを食べる動物食性で、寿命は自然下では7年から10年と言われています。
特徴
オジサンのヒゲはただの見せかけだけのヒゲではなく、ちゃんとした機能を持っています。ヒゲには人間の味蕾(食べ物の味を感じる器官)に似た触覚のような感覚器があり、ヒゲで砂の中や石の影に潜む獲物を探して捕食しています。
オジサンの釣り方と仕掛け
オジサンは岸からエサで狙う釣り方とルアーで釣る釣り方があります。ここではそれぞれの釣り方とおすすめのタックルをご紹介します。
投げ釣り
オジサン専用タックルは必要ありません。投げ釣りで使用するタックルであれば一般的なもので大丈夫です。根がかりの少ない場所では1.5から2号の1メートル前後のハリスを使用しますが、根がかりの多い場所ではハリスを短くして1本バリにしましょう。エサはイソメや貝の剥き身を使用します。
プロマリン PG トレンドキャスター 30-450
自重:508g
継数:5本
仕舞寸法:104cm
錘負荷:20-30号
ダイワ スピニングリール 16 ジョイナス 3000 糸付 4号-150m
自重:260g
最大ドラグ力:4kg
巻取り長さ:82cm
ナイロン糸巻量 (号-m):3-200/4-150/5-120
ルアー釣り
オジサン専用のタックルはなく、シーバスロッドやエギングロッドでも十分オジサン釣りを楽しむことができます。使用するルアーはフローティングミノーやスプーンなどで、ボート釣りではメタルジグを使ったジギングも楽しめます。
オージーケー グローバルウェーブソルト 702MLS
自重:148g
継数:2本
仕舞寸法:110cm
ルアー重量:3.5-14g
シマノ アリビオ C3000 3号糸付
自重:260g
最大ドラグ力:3kg
巻取り長さ:74cm
ナイロン糸巻量 (号-m):2-220/2.5-185/3-150/4-100
大物狙いにはオジサンの泳がせ釣り
底に向かって泳いでいくオジサンの習性を利用し、底物狙いの泳がせ釣りでお馴染みのライブベイトとなっています。
泳がせ釣りの基本はこちら!
泳がせ釣りで狙える魚
沖縄ではオジサンの泳がせ釣りでハタ科の大形根魚が狙えます。特に沖縄の3大高級魚のひとつアーラミーバイ狙いではポピュラーな生き餌として知られています。
ミーバイの狙い方はこちら
オジサンの刺身は逸品!
ヒゲ面の見た目から敬遠される方もいますが、とても美味しい魚でお刺身の他、塩焼き、煮付け、唐揚げ、ムニエルなど様々な料理で食べられています。甘みがある透明感のある白身で、すり身のつみれも美味しく骨や皮からもよいダシが出るので鍋もおすすめです。
刺身
オジサンを釣ったらぜひお刺身で食べてみてください。身だけでも十分旨みがあって美味しいのですが、皮にも甘みがあるので皮霜造りにして風味と色合いを楽しみましょう。
塩焼き
オジサンは塩焼きにすると身も皮の甘みや風味も一緒に楽しめます。身がやわらかく身離れがよいため食べやすいです。独特の風味があるので苦手な方はスダチをしぼって食べるのがおすすめです。
煮付け
オジサンはクセのない白身なので煮付けの味がとてもよく合います。火を通しても身がほくほくとして美味しく、独特の風味も気にならないためどなたにも好かれる味わいです。
唐揚げ
オジサンは唐揚げで食べると、外はカリカリ、中はふっくらとした食感と旨みを楽しむことができます。塩だけして揚げてレモンなどの柑橘類やポン酢などで食べるのがおすすめです。
ムニエル
オジサンは火を通しても身がかたくならないクセのない白身でムニエルにも最適です。外側はバターでしっかり香ばしく焼くと、かりっとした食感と中のふわっとした身の食感の両方を楽しむことができます。
オジサンを釣って食べてみよう!
オジサンは見た目も面白くとても美味しい魚です。群れでいることがないので数釣りはできませんが、南の方ではよく釣れる魚です。オジサンを使った泳がせ釣りも面白いのでぜひ挑戦してみてください!