フルソリッドのティップランロッド
フルソリは、メジャークラフトが発売するカーボンフルソリッドブランクのオフショアロッドシリーズです。
そんなフルソリにはティップランモデルもラインナップされています。
フルソリッドブランクのティップランロッドは非常に珍しいのですが、その使用感はいかに?
ティップランモデルのラインナップ
番手 | 全長(ft) | 継数(本) | 適合エギ(g) | PEライン適合(号) | 定価(円) |
FSTE-S60L | 6’0″ | 1 | MAX50 | 0.4-1.2 | 20,900 |
FSTE-S60ML | 6’0″ | 1 | MAX70 | 0.6-1.5 | 21.450 |
フルソリティップランの特徴
まずはフルソリティップランのスペック的な特徴から解説します。
ブランク
中身が詰まっているフルソリッドブランクは、中空のチューブラーロッドと比較して曲げ強度に優れます。
また、柔軟なので負荷に対する追従性が良いのも特徴。
ただし、チューブラーロッド(ソリッドティップロッド)よりも重たくなります。
ティップ
当然ながら、1本もののフルソリッドなので穂先もカーボンソリッドです。
黄色の塗装と黒いスレッドによって、視認性が高められています。
ガイド
ガイドはすべて、SiC-SリングのKガイドです。
この価格帯はアルコナイトリングのロッドも多いので、オールSiC-Sなのはちょっと嬉しいですね。
リールシート
リールシートはFujiのVSSをアップロックで採用。
グリップはEVAのセパレート仕様です。
フルソリ ティップランS60Lをインプレ
ここからはフルソリ ティップランS60Lの使用感を紹介します。
アクションについて
スペック的に扱いやすそうな30gのエギを、水深20mでアクションしている様子です。
フルソリッドながら、ジギングロッドなどとは異なり、ティップランロッドらしいファーストテーパーであることがよく分かります。
軽くはありませんが、軽快にワンピッチでシャクれ、ショートレングスなのでとくに早いテンポのジャークがしやすいですね。
ステイ時には穂先の曲がりしろも残っており、アタリは判りやすい印象でした。
カタログスペック的にはオーバーウエイトの60gをアクションした様子です。
重さが倍になったことで曲がり込みが大きくなり、ジャークはややスローテンポになります。
ステイ時の穂先の曲がり込みも大きくなり、30gの時と比べてアタリを取るための曲がりしろがやや少ないですね。
とはいえ、バットには余裕があるのでしっかりジャークでき、アタリも取れます。
ベストウエイトは30〜40g、上限は70g程度の印象です。
手感度は高くないけど
フルソリッドゆえの重さと反響の少なさからか、予想通り、手感度は「良い」と言えるものではありませんでした。
一般的なチューブラー(ソリッドティップ)のロッドの方が、手に伝わる着底時の感覚やアタリは鮮明です。
しかし、実釣においてアタリの判断に苦労することはなく、しなやかな穂先がアタリをしっかり表現し、目感度として伝えてくれます。
そもそもティップランは目で(穂先の動きで)アタリを取るのが基本だと思っているので、手感度の低さはほどんど気になりません。
操作性はまずまず
メーカーから自重が公表されていないので測ってみたところ、114gでした。
やはり、6ftクラスのティップランロッドとしては、重たい部類ですね。
しかし、ショートレングスゆえに重心位置が手元付近にあるので、操作感は十分合格点。
ハイエンドロッドと比べたりしなければ、重く感じることはないと思います。
特殊な状況以外はこなせる
ベストウェイトが30〜40gなので、初秋から冬にかけて狙うことが多い水深40〜50mラインまでは難なくこなせます。
それ以上のディープエリアや極端に潮が速いエリアを除いては、ほぼこの1本でティップランを楽しめますよ。
キャスティングも◯
ティップランの他にも、浅場でのキャスティングにも対応します。
2.5〜3.5号のエギなら、アンダーハンドでもオーバースローでもキャスト可能。
ティップラン用エギの場合は、アンダーハンドなら快適にキャストできます。
フルソリッドのメリットとは?
最後に、あえてティップランにフルソリッドのフルソリを使う理由をお話しします。
まず一つ目は、イカの引きに対する柔軟性。
イカが強く引き込んでも柔軟に曲がって追従してくれるため、身切れによるバラシを軽減してくれます。
ティップランロッドはアタリを取るために先調子に設計されているので、どうしてもクッション性が犠牲になってしまうのですが、フルソリッドのフルソリは例外。
実際、ゲソイチで掛かったアオリイカを流れの中からキャッチできましたよ。
二つ目は、曲げ強度が高いので魚釣りにも使いやすいこと。
例えば、15号程度のひとつテンヤを扱いやすく、曲がりしろが多いのでかなり大きなタイも難なくキャッチできると思います。
しなやかなので、タイのような首を振る系の魚にはもってこい。
60gまでのジグを用いたSLJなんかも楽しめ、トルクフルなので底でハタなんかがヒットしても安心。
その他にも、サビキやボートキス、ライトなオモリグなども楽しめそうです。
この通り、1本でさまざまな釣りができるのは、フルソリッドならではの“懐の深さ”ゆえでしょう。
ティップランだけなら他のロッドで良いと思いますが、レンタルボート等で五目釣りを楽しむ方には最高だと思いますよ。
フルソリッドならではの汎用性が嬉しい!
どんなものかと思って買ってみましたが……
操作性や感度は必要十分で、その上で強度が高くて汎用性に優れるロッドでした。
絶対に折れないわけではありませんが、普通のティップランロッドよりもはるかに折れにくいので、ティップラン入門にも最適だと思います。
筆者のようにナンデモ竿として持っておくのもアリだと思うので、気になった方はぜひ手に取ってみてくださいね。
▼今回使った番手
メジャークラフト フルソリ ティップラン FSTE-S60L
全長 | 6ft |
---|---|
継数 | 1本 |
適合エギ | MAX50g |
PEライン適合 | 0.4-1.2号 |
▼その他の番手
メジャークラフト フルソリ ティップラン FSTE-S60ML
全長 | 6ft |
---|---|
継数 | 1本 |
適合エギ | MAX70g |
PEライン適合 | 0.6-1.5号 |