人気ルアーを徹底比較!
現代のソルトルアー業界には、ミノーやメタルジグ、ワームなど、さまざまなルアーが存在しています。
その中でも、いかにもルアーらしい形をしていて、“花形的存在”といえるのがミノーではないでしょうか。
今回は、そんなミノーの中から人気アイテムをいくつかピックアップし、比較検証してみます!
今回のテーマ:12cmクラスのミノー
ソルト用ミノーといってもその大きさはさまざまで、5cmほどの小型ミノーから20cmに迫る大型ミノーまで数多く存在します。
中でも12cmクラスのミノーは、日本のベイトサイズにマッチしていて、とくにシーバスやヒラメ狙いで使うことが多いジャンルです。
第一回目の比較検証企画は、12cmクラスのフローティングミノーに焦点を当てることにしました!
比較対象はこの3種類
ショアラインシャイナー バーティスR 125F(ダイワ)
ダイワのミノーといえば、30年の歴史を誇るショアラインシャイナーシリーズでしょう。
シリーズの中でもベーシックな存在が、ショアラインシャイナーバーティスR125F。
名前通りに12.5cmのミノーで、自重は20.5g。12cmクラスでは重たい部類です。
純正フックは#5が3つのセッティングで、潜行深度は50〜100cmとパッケージに記載がありました。
ダイワ ショアラインシャイナー バーティスR 125F
サイレントアサシン 129F ジェットブースト(シマノ)
誰が使ってもよく飛んでよく釣れると評判なのが、シマノのサイレントアサシン129Fジェットブースト。
以前はAR-Cと呼ばれていた重心移動システムが、現在はジェットブーストに名前が変わったようです。
大きさは12.9cmと、今回ピックアップしたミノーの中では最大。自重は22gあり、こちらも最重量です。
純正フックは#5が3つで、潜行深度は50〜80cmとのこと。
シマノ サイレントアサシン 129F ジェットブースト
ブローウィン!125F-slim(ブルーブルー)
大人気すぎてなかなか手に入らない、レアルアーの代表格であるブローウィンシリーズ。
シリーズには、12.5cmのフローティングモデルがラインナップされています。
重さは他のふたつと比べると軽量な14gで、フックは#6を3つのセッティングです。
潜行深度の記載はありませんが、サイレントアサシン129Fよりもちょっと浅め(〜50cmぐらい)に感じます。
飛距離を検証
まずはキャスティング性能を比較してみましょう。
どのメーカーも飛距離には自信があるようで、それぞれの商品ページを見ても“遠投性能が高い”と謳われています。
9ft6inのシーバスロッドとPEライン0.8号を使用し、追い風3m/sほどの状況で計測しました。
ショアラインシャイナー バーティスR 125F(ダイワ)
1投目:75m
2投目:69m
3投目:67m
平均飛距離:70.3m
キャスト直後から安定した飛行姿勢で、スパーンと綺麗に飛んでくれました。
印象的だったのは、キャスト後半の失速感がほとんどないこと。
キャスト後半は空気抵抗でスピードが落ちるものですが、バーティスRはその失速をほとんど感じませんでした。
サイレントアサシン 129F ジェットブースト(シマノ)
1投目:74m
2投目:66m
3投目:66m
平均飛距離:68.7m
バーティスRと同じく、キャスト直後から安定した飛行姿勢を保ち、着水までまるで矢のように飛んで行ってくれました。
平均距離はバーティスRに1.6m及びませんでしたが、ほぼ誤差の範囲と言って良いでしょう。
状況やタックルを変えて試したら、結果は逆転していたかもしれません。
ブローウィン!125F-slim(ブルーブルー)
1投目:59m
2投目:61m
3投目:60m
平均飛距離:60.0m
バーティスRやサイレントアサシンと比べるとあまり飛んでいないように感じますが、14gのミノーでこの飛距離はかなりのハイスコアだと思います。
サイレントアサシンと比べて8gの差があるにもかかわらず、平均飛距離の差はたったの8.7m。
もしブローウィンが20g前後だったら、一体どれほどの飛距離が出るのでしょうか。
アクションを比較
ショアラインシャイナー バーティスR 125F(ダイワ)
まず目につくのは、幅の広いしっかりとしたウォブリングアクション。
キビキビとしたアピール力の高い動きに、ボディをくねらせるようなローリングも入っています。
先代のバーティスに比べ、若干大人しいアクションになったような気もします。
サイレントアサシン 129F ジェットブースト(シマノ)
バーティスRと比較すると、サイレントアサシンは控えめなウォブリング幅が特徴。
しっかりとしたローリングも入っていて、ウォブリングとローリングが5:5くらいに感じます。
ブローウィン!125F-slim(ブルーブルー)
サイレントアサシンよりもさらにウォブリングが抑えられているようなアクションです。
控えめのウォブリングに対して、強いローリングが入っているのがわかると思います。
ウォブリングとローリングは3:7くらいの比率でしょうか。
スロー巻きのアクションを比較
ショアラインシャイナー バーティスR 125F(ダイワ)
スロー巻きでもしっかりとテールを振るウォブリングアクションが見てとれます。
この動画では確認できませんが、近距離から目視するとローリングアクションも見てとれました。
スロー巻きでもアピール力はかなり高そうです。
サイレントアサシン 129F ジェットブースト(シマノ)
スロー巻きではウォブリングがかなり抑えられて、ローリングメインのアクションになるようです。
ウォブリングとローリングは1:9くらいの割合で、ほとんどウォブリングしていません。
かなり食わせに特化した動きと言っていいのではないでしょうか。
ブローウィン!125F-slim(ブルーブルー)
スロー巻きでは「まったく」と言っていいほどウォブリングせず、ほぼローリングのみのアクション。
ローリングもパタパタと左右に倒れるような強い動きではなく、ボディとゆらゆらと揺らす程度の控えめなもの。
時折入るノーアクションは食わせのタイミングになりそうだと感じます。
SUU的・使い分け
高活性を釣っていくバーティスR
今回比較した3つの中で、もっともアピール力に長けるのがバーティスR。
キビキビとした強い動きは、高活性な魚を効率よく拾っていく際にかなり重宝しそうです。
朝夕のマズメで高活性な状況や、プレッシャーが低くて魚がスレていない釣り場で活躍してくれるはず。
オールマイティなサイレントアサシン
アピール力が強くもなく弱くもないサイレントアサシンは、どんな場所でも使いやすいと言えます。
スレていないエリアはもちろんのこと、人的プレッシャーがある程度掛かってしまっている場所でも結果を出してくれるはず。
一本あると便利なミノーかもしれません。
いろんなベイトに対応するブローウィン
3つの中ではもっともアピールが弱く、食わせに特化していると言えるのがブローウィン。
プレッシャーにもかなり強い上に、イワシのような動きの速いベイトから、ボラやバチとった動きの遅いベイトまで対応できるはずです。
外洋のようなフレッシュな魚がいるエリアよりも、湾内や湾奥といったプレッシャーが高いエリアでポテンシャルを発揮すると思います。
適材適所で使い分けよう!
ぱっと見では似たようなルアーに思えても、実際に泳がせてみるとその違いが顕著に現れました。
どのルアーにも開発者の意図や狙いがあり、そのルアーがもっとも活躍するタイミングや状況に合わせて使うことが大切。
手持ちのルアーの特性を理解し、適材適所で使い分けることが好釣果への近道ですよ!
ダイワ ショアラインシャイナー バーティスR 125F
シマノ サイレントアサシン 129F ジェットブースト