サバは刺身で食べられるのか?
結論から言うと、サバは鮮度が高ければ刺身でも食べられる魚です。
ただし、鮮度が落ちるのが早く、食あたりする魚の代表格としても有名で、生食にはリスクがあります。
本記事では、サバを刺身で食べる方法やそのリスクを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
サバの食あたりを防ぐには?
サバを食べる上で注意しなければならないのは、アニサキスとヒスタミン中毒です。
そのリスクと対策を紹介します。
アニサキス
サバを生食する上で最大のリスクとなるのが、アニサキスです。
アニサキスはサバに寄生しており、気付かずに食べると人の消化器官に寄生することがあります。
寄生されると、食後数時間〜十数時間後にみぞおちの激しい痛みや嘔吐を生じる急性胃アニサキス症、食後十数時間〜数日後に激しい下腹部痛などを起こす急性腸アニサキス症を発症。
釣ったサバは素早く内臓を取り除き、お腹周りや血合いなどを綺麗にし、クーラーボックスでよく冷やすことである程度予防できます。
より安全に食べるには70℃以上で加熱処理、もしくは-20℃で24時間以上冷凍しましょう。
ヒスタミン中毒
ヒスタミン中毒も食中毒のひとつで、食べた直後から1時間以内に頭痛やじんましん、発熱、顔面の紅潮などを生じます。
サバに多く含まれるヒスチジンがヒスタミン産生菌によってヒスタミンに変化し、ヒスタミンを多く含んだサバを食べることで発症。
ヒスタミンの生成を抑えるには、ヒスタミン産生菌の増殖を抑えるのが対策です。
ヒスタミン産生菌は温度が高いと増加するので、釣ったサバはできるだけ早く冷えたクーラーボックスに移しましょう。
また、エラや消化管にヒスタミン産生菌が多く存在するので、釣ってすぐに内蔵を処理するのも対策となります。
ヒスタミンは加熱しても分解されないので、ヒスタミン産生菌を増やさないことが重要です。
サバを刺身で食べてみた
冬場に沖合で釣れたサバを刺身で実食してみました。
ただし、食あたりは絶対に防げるわけではないので、生食はあくまでも自己責任でお願いします。
釣れたサバは素早く処理
釣れたサバは船上ですぐに活け締めと血抜きを行い、内臓とエラも取り除きます。
血合いの部分も指で掻き出し、海水でしっかり洗いました。
よく冷やす
処理した後はすぐにクーラーボックスへ。
身をムラなくしっかりと冷やすために潮氷を使います。
ペットボトルに水を入れて凍らせたものや保冷剤で海水を冷やすのがおすすめです。
氷でも構いませんが、氷の割合が多すぎると真水によって身が痛みやすいため、注意してください。
捌いてよく確認
持ち帰った後も早めに卸し、目視でアニサキスを確認しましょう。とくにお腹周りは要注意。
背中側は内臓から遠いのでリスクは少なそうですが、皮膚表面や胸ビレなどに寄生していることもあるため、油断は禁物です。
完璧な処理をしたつもりでしたが……アニサキスが身に移っている個体もいました。
どのタイミングで身に移ったかわかりませんが、やはりアニサキスのリスクはゼロにできないので、万全を期すには冷凍してから食べるのが良さそうですね。
薄く切る
薄く切る、よく噛むこともアニサキス対策となります。
薄く切るためには、できるだけ切れ味の良い包丁を用意しておいた方が良いですね。
新鮮な刺身は絶品でした!
新鮮なサバの刺身を実食してみました。
臭みはまったくなく、歯応えのあるしっかりした食感とサバ特有の味わいが絶品です。
箸が止まらなくなりそうでしたが、あまり大量に食べ過ぎるとアニサキスに当たる確率も増えてしまうので、ほどほどにしておきました。
熟成も美味しい
鮮度の高い状態で適切な処理ができていれば、熟成させた刺身も堪能できます。
キッチンペーパーとラップに包んで寝かせ、1日毎にキッチンペーパーを取り替え、熟成させました。
5日目の熟成サバを食べてみました。
釣りたての状態と比較すると歯応えはありませんが、旨味が強くなって、トロっとした口溶けに。
歯ごたえがある新しい状態も美味しかったので、どちらが良いというわけではありませんが、味の変化を楽しめました。
とくに熟成させる場合は、血は「これでもか」というくらい徹底して抜いておくのが大事ですね。
また、保管状態や処理が甘いとヒスタミン中毒の危険性もあるため、十分に注意して自己責任で食べましょう。
美味しいけど、自己責任で!
サバを刺身で食べられるくらい新鮮な状態で持ち帰れるのは、釣り人の特権です。
とは言え、生食をする場合はアニサキスのリスクをゼロにすることはできません。
どうしても刺身を食べたい場合は、対策と処理を徹底し、自己責任でお願いします!