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マサバとゴマサバ

【精度99%】マサバとゴマサバの見分け方を徹底解説!旬や市場価格の違いも紹介

「サバ」と呼ばれる魚には、マサバとゴマサバの2種類がいることをご存知でしょうか?見た目が似通った両種ですが、旬や市場価値が大きく違います。そんなマサバとゴマサバの見分け方を解説し、食べ比べて食味の違いを検証してみました。

目次

アイキャッチ画像提供:tsuki

紛らわしい2種類のサバ

サバ

一般的に日本で「サバ」と呼ばれる魚には、マサバとゴマサバの2種類がいます。

両種の見た目はとても似通っており、判別が難しい個体も多いです。

本記事では、元釣具屋の筆者がマサバとゴマサバの見分け方を解説し、旬や食味の違いも紹介します。

マサバとゴマサバの見分け方

マサバとゴマサバ

まずはマサバとゴマサバの見分け方を解説します。

黒斑模様の有無

まな板の上のマサバとゴマサバ

もっとも簡単な見分け方は、ゴマサバ特有の黒斑模様の有無。

ゴマサバには、体側面から腹部にかけて黒斑模様があります。ちなみに、この黒斑模様が“ゴマを散らした”ように見えることが和名の由来とされます。

ただし、個体差や鮮度によっては黒斑模様が不明瞭なことも多く、見分けるのが難しい場合も。

腹部まで黒斑模様があれば簡単にゴマサバだと判断できますが、写真のように腹部の模様がない個体も多いです。

身の断面

マサバとゴマサバの断面図

マサバは別名「平サバ」、ゴマサバは「丸サバ」と呼ばれるように、体型が異なります。

断面はマサバが扁平、ゴマサバが丸いとされていますが、個体の肥満度によっては紛らわしいものも多く、一概に判断するのは難しいでしょう。

棘の数

サバのヒレ

マサバは背ビレの棘の数が9〜10本、ゴマサバは10〜12本とされています。

10〜11本の場合は判断できませんが、9本以下ならマサバ、11本以上ならゴマサバと判断して良いでしょう。

ただし、写真のように最終棘が非常に小さい個体もいるので、よく観察する必要があります。

第一背ビレの長さと背ビレ同士の間隔

ゴマサバのヒレ

第一背ビレ基部の長さ(図中a)と第一背ビレから第二背ビレまでの間隔(図中b)を測定します。

第一背ビレ基部の長さ(a)が背ビレ同士の間隔(b)より長ければマサバ、短ければゴマサバです。

写真のサバは模様が少なくて一見マサバに見えますが、ヒレの間隔が広いのでゴマサバだと判断できます。

第一背ビレと体長(尾叉長)の割合

サバ

この方法がもっとも精度の高い見分け方と言われ、研究機関でも判別に用いられています。

まずは、上顎の先端から尾ビレ真ん中までの長さ(尾叉長・図中a)を計測し、次に第一背ビレ(1〜9番目の棘)の根本の長さ(図中b)を計測。

第1背ビレの根本の長さを尾叉長で割り、0.12より大きければマサバ、0.12より小さければゴマサバです。

少し面倒ですが、精度は99%以上とされます。

旬の違いと市場価格

釣ったサバ

一般的に、マサバの旬は秋〜冬、ゴマサバは夏とされています。

マサバは秋から冬にかけて脂が乗りますが、春〜夏に産卵期を迎え、繁殖活動に体力を使うので身質が落ちるのです。

一方、ゴマサバは通年脂が少なく、年間を通して食味の変化が少ないことが特徴で、マサバとの相対的な評価で夏が旬とされます。

ただし、海域やエサによって身質が大きく変わり、冬は両種とも脂が乗って美味しいと言われることも。

市場価値はマサバの方が高く、ゴマサバの2倍近い価格で流通することもある反面、マサバの味が落ちる時期にはゴマサバが高騰することもあります。

マサバとゴマサバを食べ比べてみた

マサバとゴマサバの身

マサバとゴマサバの身質や味わいの違いを検証してみました。

両種とも、2月初旬に紀伊水道(徳島-白浜間)の沖合、寒サバで有名な「ラングイ」と呼ばれるポイントで同時に釣った個体です。

釣ってすぐに下処理をして鮮度をキープできたので、刺身を食べ比べてみることにしました。

マサバとゴマサバの身質

捌いてみるとマサバの方が身が白っぽく、やや脂が乗っているような印象。

それに対してゴマサバは赤みが強いです。

包丁を入れた感じでは、マサバの身がしっかりしているのに比べ、ゴマサバは少し水っぽい身質でした。

マサバとゴマサバの刺身

刺身で食べてみると、身質の違いによる食感の差以外は大きな違いを感じられません。

マサバの方が歯応えが良い分、やや美味しく感じる程度で、ゴマサバも味は十分に美味しいです。

筆者は食通ではありませんし、食べる人の好みで評価は分かれると思いますが、今回のジャッジとしては「僅差でマサバの勝ち」といったところでしょう。

ゴマサバは水っぽい分、身割れしやすいので刺身や〆サバには不向きだと思います。

煮付けや焼き魚、フライなど、火を通す料理は差が小さくなりそうに感じました。

サバは美味しい!

船から釣ったサバ

検証ではマサバの方がやや美味しく感じられましたが、獲れた時期や場所、保管状態、調理方法によっても大きく左右されます。

どちらのサバにせよ、鮮度の高い美味しいサバを食べられるのは釣り人の特権です。

ぜひ、美味しいサバを狙って釣りに行ってみてください!

画像提供:tsuki

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