霞水系と増水
こんにちは。安江です。
今回は霞ヶ浦における増水時の釣り方や、増水とは切っても切れない関係性の常陸利根川水門(通称:逆水門)の動き(開閉)など、おかっぱりとボートフィッシングの2つの目線でご紹介します。
大増水直後は魚が“散る”
☝︎台風直後の漁で獲れた魚たち
まず増水中や増水直後は、カバーへの依存度が低く、広範囲にバスが散る傾向にあります。水も入れ替わることで活性も高くなり、アピール力に優れた広範囲をサーチできるルアーが活躍してくれるでしょう(なお、この傾向は増水すればするほど強くなる)。
霞ヶ浦の漁業に数年携わった上での実体験ですが、台風や嵐で水がかき回されると「いかにも水中がグチャグチャになったな」(さまざまな魚種が入れ混じる)という獲れ方をします。
荒天から2日前後がチャンス
そんな急激な嵐や台風が通過した後、一番釣りやすいタイミングと感じるのが、その2日後あたりからです。
霞ヶ浦に流れ込む水の流量と、利根川の水の量も多いため、逆水門が開いていても水位の減少が緩やかなことが多いです。
水質も落ち着き始め、散っていたバスもしっかりとカバー周りにつきはじめます。
減水による水質悪化に注意
一度増水すると、平均水位に戻すため毎日のように水位を下げます。そして、水位を下げている時に起こりやすいのが水質悪化です。
水位が下がるときに水がかき回され、ターンオーバーしたときのような、“ドロっとした水”がよく見られるようになります。
水質簡易チェック法
写真のように、ロッドティップでバシャバシャと水をかいてみましょう。ブクブクと泡が沢山残れば、水の状態があまり良くない合図です。
増水時の狙いどころ
とにかく岸際の一番浅いスポット
☝︎ボートから見た、大増水によりヘビーカバーと化したシャローエリア。どこにでも潜んでいそうに見えますが……
大増水時にボートからシャローカバーを撃つと分かりますが、闇雲に投げても全然釣れません。
写真のような状況では釣れるのは結局、カバーの奥の奥(岸際)といういうことがほとんどです。
普段からバスをストックしている場所
普段からバスをストックしているような場所は、結局増水しても一等地であることに変わりありません。
増水直後の不安定な状態や、状況がつかめないときなどに立ち寄ってみると良いでしょう。
ワンド(ワンド状)のエリア
増水時に釣りやすい場所の代表とも言えるワンド(ワンドエリア)。大雨には強風も付き物なので、風を避けられるこのようなエリアがおすすめです。
流入河川の最上流エリア
大雨直後は濁流で釣りにならないことが多いので、少し落ち着いたタイミングで様子を見てみましょう。
普段は水が無い場所のストラクチャーやカバー
写真のように普段は干上がっているアシでも、増水することで一級スポットに変化します。
水門も同じ。普段は浅すぎて魚が寄り付かないような水門も、水位が増えることで“釣れる要素満載”のストラクチャーへと変化します。
増水時のおすすめルアーとタックル
増水時のカバー撃ちはワンランク強めのロッドを
「増水と言えばカバー撃ち!」ですが、それをこなす上で重要なのがロッド選びです。
いつもはなんてことなく対峙しているアシなどのベジテーションも、増水すると“きつい”ヘビーカバーへと様変わりします。
冠水したベジテーション周りでは、茎や葉の隙間を何重にもくぐりながらルアーをプレゼンテーションするので、フッキングパワーがうまく伝達されにくくなります。
増水時のおすすめルアー①:ラバージグ
撃ち物系の中ではアピール力が高く、広範囲からバスを引っ張ってこれるラバージグは、増水の霞水系必須アイテムです。
カラーはブラックを基準に、水色に合わせて馴染みの良いカラーをチョイスしましょう。
☝︎10月後半の大増水にてジグで3連発!
とくに早春や晩秋の大増水は、「水位が高いのにもかかわらず、(水質が)澄んでいる」なんてこともあります。
増水時のおすすめルアー②:ビフテキリグ
RYUGIのビーンズシンカーを用いたテキサスリグを、ビフテキリグと呼びます。
ティアドロップ型のシンカー形状とラインスルー構造で、ジカリグのようにカバーに入りやすく、テキサスリグのようにすり抜けてくれるのがポイント。
延々とカバーを撃っていくようなシチュエーションでヘビロテ。さらに、“すり抜け力の高い”ワームと組み合わせることで、リズムよくカバーを撃つことができ、テンポよくシャローカーバーを攻略できます。
ジャングルジム ビーンズ TG (シンカー
デプス バルビュータ 3.5
増水時のおすすめルアー③:スピナーベイト
霞水系ではサーチベイトの定番とされるスピナーベイト。そんなスピナーベイトは、増水時にも大活躍してくれます。
普段は視認できる障害物も、増水すると見えなくなったりします。そんな障害物に対し、根掛りしにくくスピーディーにサーチできることがスピナーベイトの強みです。
☝︎ハイピッチャーMAX(OSP)は、アピール力に優れた“フルサイズスピナーベイト”
予備知識。水門と増水の関係性
常陸川水門の動作パターンを知ろう
増水と水門操作は切っても切れない関係です。水門操作の動きを知れば、より効率的に釣りを展開することができ、おのずと釣果も伸びます。
水門操作スケジュール
「霞ヶ浦河川事務所」のHPから「常陸利根川水門操作」 の項目をクリック。そこから水門操作のスケジュールを確認できます。
水門操作が行われるタイミングは、事前にスケジューリングしてある予定に沿い「干潮」のタイミングで行われ、水門より下流側の水位が高いと水を流すことができません。
操作予定通りに水門操作が行われない時
- ・常陸利根川水門より下流側の水位が高く、これ以上水位を下げられる見込みがないとき
- ・水位が最低水位付近に設定されていると思われる1.05cm付近になり、これ以上水位を下げる必要がなくなったとき
- ・台風や大雨の接近により、事前に水位を下げたい時(この場合は急に開けることもあります)
最新情報は電話で確認できます
絶えず状況が変わっているため、最新のスケジュールが知りたい場合は、HPではなく電話での確認がおすすめです。
増水と水門操作を味方につけて霞水系を楽しもう!
いつもよりストロングな釣り方を楽しめ、思いがけないビックフィシュや、フレッシュ(魚体が美しい)なバスに出会うことができるのも増水時の魅力です。