デカいからこその“引力”
結論から言ってしまうと、霞水系におけるビッグベイトやデカトップによる釣りは、コンスタントに釣果を残すことが難しい釣りと言えます。
しかし、ときにルアーが持つ力によって凄まじい釣果を叩き出したり、状況が噛み合ったときにしか味わえない魚が釣れたりと……なにより狙って釣ることができたという満足感に浸ることができます。
デカいルアーが釣れる理由
ルアーサイズによる存在感
近年のビッグベイトブームもあり、バスもデカいルアーに対してスレてきているとはいえ、デカさによるルアーパワーはまだまだ健在です。
強波動
シルエットと強波動で広範囲にアピールできる力は、この手のルアーの強みでしょう。朝・夕マズメ・ローライト時に広範囲にアピールしたいとき、濁りが入ったときなどはとくに有効です。
デカいルアーでバイトを引き出すコツ
アプローチは丁寧に!
霞ヶ浦と言えば、その大半がマディウォーター。遠くから視覚でバスを引っ張ることが困難な霞水系では、いくらアピールの強いビッグベイトといえども、細かくアプローチする必要があります。
そして、着水音をかなり嫌う傾向にあると感じます。水深が50cmを切るようなスポットでは、限界まで着水音を抑える必要があるでしょう。
▼ 着水音を抑える方法
ピッチングでもサイドハンドキャストでも共通して言えることですが、とにかく“低弾道”を意識して投げましょう。
軌道が山なりになってしまうと落下する力が加わり、着水音が大きくなってしまいます。
この時、飛んでいくルアーのスピードをしっかりと殺さないと、せっかく低弾道で投げても着水音が大きくなってしまうので気を付けてください。
サミングのタイミングは、目標とする場所の10cm程度上でビタドメするイメージで。ピッチングよりもサイドハンドキャスト、遠ければ遠いほど着水音を消すのは難しくなります。練習あるのみです。
▼ 着水音を抑えなくても良い場面&方法
バイトが発生しそうなゾーンを予想し、そこを通過する関係のない位置にルアー落として巻いてくるという方法。とても原始的ですが、着水音で場荒れすることがなくおすすめです。
おかっぱりで遠方を狙いたいときや、写真と同じようなシチュエーションで“点”ではなく“面”でアプローチしたい時にも有効です。
タイミングを意識する
ビッグベイト・デカトップを投入するタイミングとして、もっとも有効だと思うタイミング……それはずばりローライトです。
ただ曇っている場面ではなく、雨が降りそうなくらい分厚く雲がかかったとき、雨が降っているタイミングでその強さを発揮してくれます。
ローライト時はカバーを利用して捕食行動をすることがあっても、その場所に依存し難い。そのため広範囲をサーチできるような、バスを遠くから引っ張ってくるアピール力が求められます。
有効なレンジを理解する
ステイン~マディの水質が大半を占める霞水系。深くなればなるほど視界が悪くなるため、ビッグベイトが持つ視覚による強みが消されてしまいます。
その“視覚によるアピール力”をMAXに発揮するためには、浅いレンジ(表層~50cm程度)をメインに考えてみると良いでしょう。
霞水系おすすめビッグベイト&デカトップ
スウィートキラー
ビッグベイトの中ではかなりコンパクトサイズ。自重の軽さからくる扱い易さ、アクションの切れの良さはビッグベイト初心者にもおすすめです。
この釣りのアプローチで、もっとも大事な着水音を消しやすいのも◎。
NZクローラー
僕の記事では毎回のように出てくるNZクローラー。このルアーはやはり外せません。
薄暗い時間帯や大雨のタイミングなど広範囲をサーチするために使ったりもしますが、「ここにバスがいそう!」そんなスポットで喰わせルアーとしても活躍してくれます。
deps デプス NZクローラー
アベンタクローラーRS
酷使して筆者2代目となるアベンタクローラーRS。とにかくデッドスローに動かせるため、ピンスポットで威力を発揮します。
ルアーの動くスピードを極限まで遅くできるので、まだ水温が高くない時期の、動きが鈍いバスにも有効です。
イヴォーク3.0&4.0
自分の中でも使うタイミングが難しくまだまだ謎が多いジャンルのビッグクランク。試合のプラクティス釣行で鬼ハマりし、キロアップを連打した釣りです。
近年の霞水系トーナメントシーンでも稀に見かけるようになり、ハマれば凄まじい力を持っていると感じます。
デプス イヴォーク 3.0
デプス イヴォーク4.0
まとめ
今回は霞水系のビッグベイト・デカトップについて書かせていただきました。
やりこんで楽しい釣りでもありながら、霞水系を攻略する際のローテーションの一部としても、その役目をしっかり果たしてくれます。
ライタープロフィール
安江 勇斗
霞ヶ浦をメインにバスボートでのガイド業を営んでいます。霞ヶ浦に魅了され、愛知県から茨城県に移住。釣りの勉強をしながら、7年間霞ヶ浦の漁業も経験しました。おかっぱり、レンタルボート、バスボートまで様々なスタイルでバス釣りを楽しんでいます。